NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D2/D3入替戦[D2 8位 vs D3 1位]第2戦
2026年5月30日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs 日野レッドドルフィンズ
日野レッドドルフィンズ(D2)
勝てばディビジョン2残留が決まる“決戦”を前にして、この男は自然体だ。マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)とのD2/D3入替戦の第2戦、背番号12で東郷太朗丸が先発メンバーに入った。東郷の先発は第11節の花園近鉄ライナーズ戦以来となる。苑田右二ヘッドコーチは東郷の落ち着き、安定感あるプレーこそ、この大一番に必要だと判断した。
「日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)には熱い選手が多いので、少しクールダウンするような意識で、全体を俯瞰して戦いたいと思っています」と、東郷自身も先発起用された自分の役割を十二分に理解している。
「選手みんながボールキャリーをすればゲインラインを切れるし、バックスにはスピードある選手も多い。そのストロングポイントを生かしながら試合を優位に進めたいと思っています」
東郷のような視点をもつ選手の存在は貴重だ。入替戦第1戦はトライを取り切れない場面も多かった。そのような場面で後方から冷静にディフェンスのほころびを見つけることができれば、また第1戦とは違った攻撃の形が構築できる。
「第1戦では敵陣22mラインに入った回数も相手の3倍から4倍あったのに最終的にあの点差(3点差の勝利)だったのは正直課題ではあります。自分がゴール前に入ったらトライを取り切る、相手がペナルティをしたらそこのチョイスをうまくする。そういうことを手助けしていきます」
13試合に出場した昨季とは違い、今季の東郷は1月から3月下旬まで出場がない時期が続いた。
「正直、メンタル的にもつらい時間だったことは確かでした。でも悲観していてもやるべきことは変わらないので、『良い準備を自分の中で積み上げて、試合に使ってもらえたら自分のベストパフォーマンスを常に出そう』と考えていました」
東郷はその厳しい時期を「あえてラグビーに入れこまない」ことで乗り越えたという。
「そうなったからといって自暴自棄にはもちろんならないし、ちょっと勉強を自分で始めてファイナンシャルプランナー2級の資格を取るなどしました。それから家族の支えもすごくあって、子供と触れ合う時間を多く設けることができました。ラグビーだけに集中するとストレスが溜まるので、ほかのところで発散して、気持ちを切り替えてまたラグビーに向き合う、そんな感じでした」
実は東郷も熱い男だ。ただ、その点を自分で理解し、自らの心に向き合って行動をコントロールできるところに東郷の“すごみ”がある。
「自分の中で一呼吸置く時間を作りながら試合を進めていくイメージで、広島での試合には臨みます。自分が手助けできるところと引っ張っていかなければいけないところをしっかり使い分けて、前にチームを進めたいと思っています」
決着の大一番。東郷の“俯瞰”が、日野RDから新たな攻撃の形を引き出していく。
(関谷智紀)




























