
(文:JUST RUGBY 田村一博)
ネーミングがいい。
「ライジング行こうぜ」なら、戦隊もののイベントへの誘いのようにも聞こえる。
通の人たちは、こんなふうに言いそうだ。
「あの14番、ライジングでチャンスを掴んだんだよ」
2025-26のシーズン前に新設された『ジャパンラグビー リーグワン ライジング』(以下、ライジング)の2季目が9月26日に開幕する。10月31日まで、ディビジョン1からディビジョン3までの21チームが参加して全20試合が実施される。
主な設立の目的を「若手選手や出場機会が限定されている選手の出場機会確保」としているライジングは、そのターゲット実現のため、独自のルールを設けている。
リーグワンの公式戦では各試合の登録人数は23名も、ここでは最大30名。リーグワン公式戦出場回数が15試合以下の選手を原則5名以上登録することを必要条件とし、カテゴリーによる登録・出場の制限も撤廃している。
また、プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(以下、POTM)は両チームから選出され(両チームのキャプテンが相手チームから選出)、選ばれた選手たちにはジョッキが贈呈されるというからしゃれている。
想像してほしい。各試合の多くはそれぞれが日々活動しているグラウンドで行われることが多いから、観戦時の臨場感は、立派なスタジアムで開催される時よりはるかに大きい。
成長途中の選手が多いとはいえレギュラークラスもいるから、先輩から後輩へのアドバイスが聞こえてくるかもしれない。公式戦開幕後の観戦時、「あ、あの時のひと言があったからだ」と思える瞬間と出会えたら最高だ。
POTM選出の選手たちもすぐ近くにいる。祝福の声をかけ、ジョッキに注ぐ用のビールをプレゼントしたら、どれだけ喜ばれるだろう。
ライジングには、ファンの一人ひとりが楽しみ方を考えられる余白がある。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイのHO福田陸人は、ライジングからステップアップした一人と言っていいだろう。明大時代はFLだった。ポジションを移したこともあり、2022年の春に加入後、ほとんど出場機会がなかった。昨季ライジング前のリーグワン出場数は4だけだった。
しかし、リーグワン2025-26は10試合に出場。ライジングでの2試合で活躍し、その勢いを持ってシーズンに入った結果だった。昨年のライジングを見ていた人にとっては、福田の飛躍は開幕前から予想できていたことだったと思う。
今年もライジングに参戦している静岡ブルーレヴズの藤井雄一郎監督が言う。
「ライジングの時期の試合はもともと若手を起用することが多かったのですが、大会名が付くと多くのお客さんが足を運んでくれるんですよ。その中でプレーすることが、選手たちを、より成長させてくれると感じます」
レヴズで言えばWTB杉本海斗やSH細矢聖樹が昨季飛躍した。
以前、トップリーグの数チームが参加してサテライトリーグが行われていた頃、小さいものでいいから表彰カップを提供してもらえないかと提案を受けた。数千円のものを購入して協力させてもらった。
大会後、ひとりの選手に「ありがとうございます。カップ、すごく励みになりました」と話しかけられたことを覚えている。
ライジング発足前も、同じ時期に、同じように若い選手が出場するプレシーズンマッチはあった。そこに少しのスパイスを加えるだけで、選手たちは燃え上がる。
ライジング行こうぜ。

『Just RUGBY』編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライター。




























