2026.10.06「負けないです」。復活の松岡大河がつかんだチャンス / プレーヤーエピソード[S愛知]

ジャパンラグビー リーグワン ライジング2026
2026年10月3日(土) 豊田自動織機逢妻グラウンド
豊田自動織機シャトルズ愛知 31-34 静岡ブルーレヴズ

リーグワンライジング プレーヤーエピソード[S愛知]

豊田自動織機シャトルズ愛知の松岡大河選手。「D1のチーム相手に通用する部分はあったので、自信になりました」

「負けないです」。復活の松岡大河がつかんだチャンス

チャンスは与えられるものではなく、自分でつかむもの。今季で2シーズン目を迎えるリーグワンライジングで、その言葉を体現するような選手が現れた。

25歳、リーグワンでのキャップ数は2。松岡大河は京都産業大学から2023-24シーズンにアーリーエントリーで豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)に加入すると、直後のディビジョン2順位決定戦第1節、浦安D-Rocks戦でリーグワンデビュー。続く第2節でも好パフォーマンスを披露し、インパクトを残した。しかし、それ以降はキャップ数を伸ばせなかった。

理由は、二度の大けがにあった。順位決定戦第2節で負傷して離脱すると、復帰後には右ひざの前十字靭帯を断裂。ほぼ2シーズンを棒に振ることになった。長く険しいリハビリが続いたが、「絶対に強くなって戻ってくるために、妥協せずにやってきました」と強い覚悟をもって復帰への道を歩んできた。

そんな松岡が待ちに待った実戦の舞台が、リーグワンライジングだった。試合に出場するのは1年半前の練習試合以来。フルバックで先発すると、持ち味である鋭いステップとスピードを生かし、幾度となく相手ディフェンスを突破した。前半38分にはチームのトライをアシスト。後半からはウイングにポジションを移し、後半31分までプレーした。プレーヤー・オブ・ザ・マッチこそ逃したものの、会場に集まったファンにその存在を印象付けた。

「練習でやってきたことを意識してプレーしただけです」

松岡は自信をもって言い切る。徳野洋一ヘッドコーチも「彼は強みであるスピードやフットワークに加えて、周りの選手とのコミュニケーション能力が非常に高い。これまでの期間で高いスタンダードを示していました」と評価する。日々の練習で積み重ねてきたものを、この試合でも存分に発揮した。

リーグワンライジングは、「若手選手や出場機会が限定されている選手の出場機会確保」を目的の一つとしている。ただ、S愛知にとって、この試合の意味はそれだけではなかった。4年連続で立ちはだかっているD1の壁を今季こそ打ち破るため、チームを“D1仕様”へと引き上げていく。その第一歩となる試合だった。

メンバーには、チーム始動からこの試合まで高い基準を一貫して示してきた選手たちが選ばれた。つまり、松岡は「リーグワンライジングだから」出場機会を与えられたわけではない。自らの手でメンバー入りをつかみ取った。

「D1のチーム相手に通用する部分はあったので、自信になりました。ここでのパフォーマンスがシーズン中のメンバー入りにも関わってくると思うので、これからも良い準備をして臨んでいきたいです」

この先も続くし烈なチーム内競争について聞かれると、「負けないです」と力強く即答した。長いリハビリを乗り越え、ようやく戻ってきた実戦の舞台。そのチャンスを自らの手でつかみ、結果につなげた松岡に迷いはない。その鋭いステップが、今季こそD1の壁を乗り越えようとするS愛知の力になるかもしれない。

▼周辺の証言
FB グレイトリー献人

「(松岡)大河さんとは1年近く一緒にリハビリをしていました。僕自身、長い期間のリハビリで落ち込むときもありましたが、大河さんと楽しく過ごさせてもらって、メンタル面ですごく助けられました。大河さんが落ち込んでいる様子はなかったですね。リハビリ中に教わったことを今日の試合で体現していたので、すごく尊敬しています。(松岡選手はどんな人ですか?)後輩思いで、とにかく優しいです。選手としてはライバルではありますが、お互いに高め合っていけたらなと思います」

(齋藤弦)

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