ジャパンラグビー リーグワン ライジング2026
2026年10月11日(日) 重兵衛スポーツフィールド中台
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 53-35 栃木ホンダヒート
リーグワンライジング プレーヤーエピソード[S東京ベイ]
「もっと貪欲に」。溝渕元気が示した成長の手ごたえ
高いレベルの選手がそろうクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)。この日、入団3年目となる溝渕元気が輝きにあふれるプレーを見せ、スクラムハーフのレギュラー争いに名乗りを上げた。
栃木ホンダヒート(以下、栃木H)に先制トライを奪われた直後、前半9分のプレーだった。溝渕が相手陣22mライン付近のラックからボールを拾い上げると、素早いテンポで左に展開。タッチライン際を縦に突いた岸岡智樹からのリターンパスを内側で受けた溝渕が、相手ディフェンスラインを突破。最後は自らトライエリアに駆け込んだ。
「スピアーズとして良いアタックができたと思います。自分自身の走るスピードのコントロールも考えてプレーしました。岸岡選手とも目が合ったのでインサイドにパスが来ることも分かりましたし、内側でのフォローがしっかりできたことから取れたトライでした」
溝渕は、頭の中で描いたイメージと実際の動きがかみ合った見事なトライに胸を張った。
その後も溝渕は正確かつ速い球出しでS東京ベイの攻撃の起点となり、好パントや好タッチキックも見せた。「ミスも何個かありましたが、正確なパスというのは自分の持ち味だと思っています。キックでも、チームとしてそこは何度も合わせているので自信をもってプレーできました」。溝渕は与えられた前半40分間で躍動し、チームが5トライを奪う原動力となった。
「リーグワンライジングでの試合では、『自分の持ち味をもっと存分に発揮する』というところにフォーカスしていました。チームが求めていることに応えられるようになってきたと感じています」
大阪産業大学附属高等学校から関西大学に進んだ溝渕は、2023年12月25日にアーリーエントリーでS東京ベイへの加入を発表。しかし、まだリーグワンのキャップはない。
「1年目に関しては、大きなけがをしてしまって……」。膝の前十字靱帯を断裂するという苦境に見舞われたが、「外からラグビーを見て考える時間があったので、気持ちを切り替えて。コーチともよく話すようになりましたし、けがが治ってからも、自分の足りていない部分をもっとレビューしてもらえるようにスタッフと積極的にコミュニケーションを取ることを心掛けました。『もっと貪欲にいこう』と考えられるようになったのは自分自身でも成長できた部分だと思います」と振り返る。
練習からチームメート同士で激しく競い合うのは、S東京ベイの選手層の厚さならではだ。
「そこはこのチームの良さだとすごく思います。1回の練習からも、やはり学ぶものがとても多いです。ラグビーへの理解力というものがすべてのパフォーマンスにつながるので、チームメートと競い合うことが自分自身の成長につながっている、と実感しています」
この日は勤務先である千葉県内の工場から、職場の上司や仲間が応援に駆け付けていた。その声援にも、見事なプレーで応えた。
「職場のみんなからの応援というのは本当に大きくて、とても自分のエネルギー源となりました。(声援で)めちゃくちゃ元気になりましたよ!」
輝くような笑顔を見せる溝渕に、今季の目標を聞いた。
「まずは今季、リーグワンのキャップを獲得すること。そこからですが、1試合だけ出るのではなくて継続的に出場すること。そして自分の役割を全うしてチームに貢献できるシーズンにしたいと思っています」
より積極的に。貪欲さを持って、前へ。大舞台での活躍を夢見て、溝渕元気の新シーズンが幕を開ける。
▼周辺の証言
フラン・ルディケ ヘッドコーチ
「ゲームプランに基づき溝渕には前半の40分を任せましたが、彼の強みが生きていたと思うし、前(10月3日)の花園近鉄ライナーズ戦に引き続き2戦連続で素晴らしいパフォーマンスでした。彼自身にスピードがありますし、パス展開のテンポの良さを持っています。フォワードがゲインラインを突破する状況になれば、さらに特長が生かされる選手になると思います」
(関谷智紀)





























