2025.04.18[日野RD]全試合先発で成長が一気に加速。9番が強調する“アグレッシブなマインド”が勝利のカギとなる

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第12節
2025年4月20日(日)14:30 太田市運動公園陸上競技場 (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs レッドハリケーンズ大阪

日野レッドドルフィンズ(D2)

2年目ながらスクラムハーフのポジションを任されている、日野レッドドルフィンズの畑田康太朗選手

日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は太田市運動公園陸上競技場にレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)を迎えてのホストゲーム。前節、九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)に逆転勝ちした勢いをぶつけての連勝を狙う。苑田右二ヘッドコーチは「RH大阪は献身的に動き続けるチーム。その相手を上回り、われわれ日野RDの15人が仲間のためにどれだけ献身的に動けるか。そこが問われるゲームとなる」と展望する。

「自分たちがここまでの試合や練習で積み上げてきた内容をしっかり出せるかどうかが問われる試合。ペナルティもポイントとなるのでそこも気を付けていく」と語るのは畑田康太朗だ。鹿児島大学から日野RDに入団し2シーズン目の25歳。今季は開幕からすべての試合で先発起用されている。

「シーズン前にはこれほど試合に出してもらえるとは想像していなかった。でも本当に楽しいし、良い経験をさせてもらっている。試合を重ねるごとに視野も広がったし、試合の準備に対してもどういった形で進めると結果につながるかという点もつかめてきた」

今季は激戦続きだが、そうであるがゆえにラグビー選手としての成長度合いは一気に加速しているかのようだ。

勝てそうで勝てない苦しい試合が続いた今季の日野RDの中で、信頼を感じているからこそもっともっとチームに貢献したいという思いは強い。「僕がアグレッシブな姿勢を変えずにアタックやディフェンスをすることがチームのプラスになることは分かった。そのアグレッシブな『マインド』を忘れないように次も戦いたい」と畑田はここまでを振り返る。「パスの精度やキック、状況判断、まだまだなところも多いが、そこは課題があれば修正して次につなげていきたい」という絶え間ない向上心がその成長を支えている。

「正直ここ数試合は考え過ぎているというか、うまくやってやろうと意識した部分があったと思う。そのあたり頭で動くのではなく、もっと自分を信じて。仲間から『スペースが空いた』という声が聞こえたら瞬時に判断して動いていく。そんなふうにアグレッシブに戦っていきたい」

前回のRH大阪との対戦で日野RDは前半戦を8対10と僅差で折り返しながら、後半は無得点に抑えられ敗戦を喫した。しかしながら、前節の九州KV戦の勝利でシーズン最終盤に向けてチームのムードは一気に上昇している。「アタックを継続できるといった部分は前回のRH大阪との対戦でも上回っていた。できるだけ早くボールをセットして素早くスペースにアタックしていくといった日野RDの良い部分が出せれば結果をひっくり返せる」。畑田が磨き上げたアタックの鋭さにぜひ注目したい。

(関谷智紀)

2025.04.18[RH大阪] 支えとなったのは仲間との切磋琢磨の日々。31歳のフッカーが節目の50キャップを迎える

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第12節
2025年4月20日(日)14:30 太田市運動公園陸上競技場 (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

レッドハリケーンズ大阪の佐藤耀選手。「個人的には、RH大阪のみんなと一緒にD1に行きたいと思っている」

ディビジョン2のレギュラーシーズンは、残すところ3試合となった。レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)は今節、日野レッドドルフィンズとのビジターゲームに臨む。

試合のグラウンドに入場する際、いつもはキャプテンが先頭に立つが、今節は2番を務める佐藤耀を先頭にして入場する。佐藤耀がこの試合で50キャップを迎えることへのチームからの敬意だ。

2016年からNECグリーンロケッツ(当時)でプレーし、2023-24シーズンにRH大阪に加入した。31歳で、この節目を迎える。

「もっと早く達成したかった」という思いもある。けがをして試合に出られない時期もあった。2シーズン前には、慶應義塾大学卒業後から7年間プレーしたNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)を離れることにもなった。試合に出ても、「あまり良いプレーができなかったり、自分のせいで負けちゃったのかなと思ったりすることもあった」。悔しいこと、心が折れそうになることも決して少なくはなかった。それでも、RH大阪に移籍してからのこの2シーズンでも「よくコミュニケーションを取り、コリジョンなどで成長を重ねている」(松川功ヘッドコーチ)。

佐藤耀はいま、「いろいろな決断のポイントがあったと思うけれど、ここまで来られたということには万感の思いがある。いろいろな人のおかげでここまでラグビーができたことは、本当にうれしい」と、あらためて周囲への感謝を強く感じている。

最初に口にした「お母ちゃん、産んでくれてありがとう!」ということ、「本郷中学・高校では、指導者の方たちに恵まれた」ことなど、「ありがたいことに、本当に人に恵まれました」と多くの人への感謝を語っていたが、中でもこれまでポジション争いをしてきた選手たちの存在は大きかったようだ。「自分はうまさや強さがある選手ではないので、これまで一緒にやってきたGR東葛のフッカーの先輩や後輩、RH大阪のフッカーの仲間とポジション争いをしながら切磋琢磨できたこと」は、キャリアを続ける上で支えになった。

今後の目標を問うと、個人のキャップ数やプレーに関することではない答えが返ってきた。「個人的には、RH大阪のみんなと一緒にD1に行きたいと思っている」。それを叶えるために、これからも一つひとつの試合で成長を重ねていきたい。今節も、佐藤耀は自身が強みだと感じている「愚直さ」でチームに貢献していく。

(前田カオリ)


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