2025.01.18[LR福岡]クラブの歴史を作ってきた男は今までも、これからも挑戦を続ける

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第4節
2025年1月19日(日)13:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs ルリーロ福岡

ルリーロ福岡(D3)

殿元政仁選手。紆余曲折のラグビー人生、「地元福岡でゼロからラグビーチームを作る挑戦に大きな魅力を感じ」てルリーロ福岡に加入した

クラブ創設と同時に加入し、今季で4シーズン目を迎える殿元政仁。その端正な顔立ちは、見る者を一瞬で引きつける。だが、試合となればプレースタイルは別物。泥だらけになりながら果敢にタックルを繰り返す姿は、まさに“泥臭い”という言葉がぴったり。「ルリーロ福岡(以下、LR福岡)には派手なプレーができる選手がたくさんいる。自分はタックルの回数や倒れて起きるスピードなどハードワークを積み重ね、そうした選手たちをつなぐ存在になることを心掛けています」。そう静かに語る目には、確固たる意志が宿っている。

「チームとして結果が出せていない部分があり、やりたいことが統一されていなかったと感じています。個人としても流れを変えるようなプレーが十分にできず、不完全燃焼の気持ちです」。その言葉からは、次こそはやってやるという闘志がにじみ出る。

殿元のラグビー経歴は一風変わっている。専修大学を卒業後、JR九州に就職したものの、ラグビーへの情熱をどうしても捨て切れなかった。「(当時のジャパンラグビー )トップリーグでプレーしたいという思いが強くなり、1年弱で退職しました。そしてフリーになり、ニュージーランドにラグビー留学をして経験を積みました」。その後、2021年に念願かない宗像サニックスブルースに入団。しかし、シーズン終了後にチームは活動休止に。進路を模索していた殿元に舞い込んできたのが、LR福岡創設の話だった。

「地元福岡でゼロからラグビーチームを作る挑戦に大きな魅力を感じました。ここで自分のラグビー人生をもう一度輝かせようと決意しました」

現在、殿元はLR福岡のオフィシャルパートナーである印刷会社のWEB部門で働きながら、練習にも励む。「練習と仕事の両立は大変ですが、会社の理解があり、柔軟に対応してもらっています。充実しています」。ラグビー選手として、そして社会人として奮闘する生活は、多忙ながらも満たされている。

挑戦し続ける強さとゼロから歴史を作る喜び。が、殿元にとっての何よりの原動力だ。「下克上上等、僕たちは成り上がります。まずは1勝、そこからどんどん勝っていきたい」。そう語る彼の表情には、泥臭いプレーを支える情熱と自信があふれている。

端正な顔と泥だらけのプレー。そのギャップに多くのファンが萌えるのだ。

(柚野真也)

2025.01.18[WG昭島]新たなエネルギーで流れを変える。デビュー戦の熱い思いで待望の初勝利を

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第4節
2025年1月19日(日)13:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs ルリーロ福岡

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

初出場となる右プロップの細矢一颯選手。フレッシュな風を吹かせるか

リーグワンディビジョン3 第4節。クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、東京都調布市のAGFフィールドにルリーロ福岡を迎えてのホストゲームに臨む。両チームともにいまだ勝ち星はおろか、勝ち点もなしという厳しい状況の中、先に浮上のきっかけをつかむのはどちらか。D3全体の行方を占う上でも、注目の一戦だ。

開幕戦から3連敗。悪い流れを断ち切るため、WG昭島に新しい風が吹き込まれる。2024年加入の細矢一颯だ。同期入社の選手たちの中では最後のリーグワンデビューとなるが、「みんながプレーをしているのを見ていて、悔しいというよりは、一緒にラグビーをしたいなという気持ちで練習に取り組んでいました。楽しみという気持ちはありますが、まずは自分の仕事を果せるようにがんばりたい」と、デビュー戦を前に心境を明かす。

中学生のときにラグビーを始めたという細矢は、主に右プロップ(3番)でキャリアを積み上げてきた。「ほかの3番の選手と比較しても、運動量では負けていない自信はあります。あとはグラウンドでのブレイクダウンの激しさ。ディフェンスの部分では、チームを勢いづけるタックルで力を発揮したいです」と、自分の強みで勝負する一方、いまチームが欲しているのは、細矢のフレッシュなエネルギーだ。長いトンネルを抜け出すためにも、チームのムードを変えて、勢いをもたらすプレーヤーが必要なのだ。ここまで出番のなかった細矢にとっては、願ってもないチャンスが巡ってきた。

「大きなチャンスだと思っています。少しでもチームの勝利に貢献できるように全力でプレーして、ここからは先発でずっと出続けたいです」

遅咲きのデビューから一気にレギュラーポジションを奪いにいく。この本気の思いこそ、いまのWG昭島に欠けている“熱量”かもしれない。細矢のフレッシュなエネルギーで今季初勝利をつかむことができるか。絶対に負けられない戦いが、間もなく始まる。

(匂坂俊之/Rugby Café)

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