2025.05.29[S愛知]みなぎる自信を力に変えて。27歳初日をディビジョン1昇格達成の記念日に

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第2戦
2025年5月31日(土)12:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
浦安D-Rocks vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知の松岡大和選手。「自分たちがやってきたことをやるだけなので、とてもワクワクしています」

劇的な逆転勝利でD1/D2入替戦第1戦をモノにした豊田自動織機シャトルズ愛知。ディビジョン1昇格を決めるべく、浦安D-Rocksとの第2戦にすべてを懸ける。

第1戦はチームとして自信を付ける勝利だったものの、「この試合に勝ったほうが、昇格か残留かを決めることになると思います」と徳野洋一ヘッドコーチは語る。ボーナスポイントや得失点差などのことは考えず、ただ目の前にある試合に勝利することだけを望んでいる。

「楽しむだけです」と笑みをこぼしながら話したのは、リザーブメンバーとして出場機会をうかがう松岡大和。第1戦でもリザーブから出場し、チームに大きなエナジーを注入した。

昨季は公式戦全試合に出場し、本人も「個人として自信が付いた」と語るほど充実のシーズンを送ったが、今季はタマ・カペネや鄭兆毅らが台頭したこともあり、レギュラーシーズン4試合の出場にとどまった。

「悔しい思いはありましたが、若い選手が良い経験をしていることは僕自身にとってもうれしかったですし、彼らに刺激をもらっていました」

試合に出られない日々が続いても、自身の姿勢は一貫していたという。「個人もチームもレベルアップすることを意識していました。それに対して自信があったので、試合に出られるまで努力を続けていくだけだと思っていました」。その結果としてつかんだ、大舞台でのメンバー入りだった。

試合当日に27歳の誕生日を迎える松岡大和。「自分らしさを全面に出しながらも、後輩に経験を伝えられるようになりたい」と抱負を話す。最高のスタートを切るために、まずはこの試合で、特長であるハードワークやチームを鼓舞する声を生かして、インパクトを与える。

「自分たちがやってきたことをやるだけなので、とてもワクワクしています」。そう言い切れるのは、これまで積み上げてきたものに対する絶対的な自信があるから。みなぎる自信をパワーに変えて、D1の景色を見に行く。

(齋藤弦)

2025.05.29[浦安DR]喧噪をよそに取り戻した“無の境地”。「集大成」の一戦に飯沼蓮は泰然自若で臨む

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第2戦
2025年5月31日(土)12:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
浦安D-Rocks vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

浦安D-Rocks(D1)

シーズン途中から試合では「ゲームキャプテン」の肩書きを下ろし、「いまは自然体でそのときの直感でプレーできています」と語る浦安D-Rocksの飯沼蓮キャプテン

浦安D-Rocksがディビジョン1残留を懸けて、今季最後のゲームに挑む。柏の葉公園総合競技場でD2王者の豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。

大一番を前に、その表情は凛としていた。

昨季に引き続き、D1に昇格した今季もチームは飯沼蓮がキャプテンでスタートした。ただ、2月23日の第9節からとある変化が起きた。

ゲームキャプテンの交代。

この試合から飯沼はゲームキャプテンを離れ、以降、藤村琉士や金廉、田村煕といった選手たちが交代でその任を務めるようになった。

飯沼本人からすれば、決してネガティブなものではなく、グレイグ・レイドロー ヘッドコーチと話し合った末の、前向きな決断であった。ところが、想像以上に周りは騒ぎ、根拠のない憶測も飛び交った。そういった声が、本人の耳に直接入ってきたこともあったという。

「パフォーマンスを重視した上での決断で、別に試合中はゲームキャプテンのときとやっていることは変わっていないです。だから、『何をそんなに言うことがあるんだろう』と思うこともありました。自分としては、キャプテンをやったままパフォーマンスが悪いよりも、少し自由になってパフォーマンスが良くなったほうが、チームにいい影響を与えられると思っていたし、それができたと思います。自分にとっては本当にいい決断でした」

解き放たれたことで、飯沼は久しぶりの感覚を取り戻す。高校時代以来、“無心”でプレーできるようにもなっていた。

「今まではいろいろなことを考え過ぎていたけど、いまは自然体でそのときの直感でプレーできています。“どうしていいプレーができたのか分かっていない”みたいな感覚のときが自分は一番良くて、いまはやっとその感覚が戻ってきた感じです。“無意識に任せる”とでもいうんですかね」

1年前、悲願のD1昇格をつかんだ歓喜の中心に飯沼はいた。プレッシャーから解放され、喜びと安堵が入り混じった涙をチームメートと流した光景を鮮明に覚えている。

「昨季のことはめっちゃ思い出しますよ。1年前はもっとみんな緊張していたし、自分は(入替戦の期間の)2週間はずっとドキドキでした。寝られないし、常にそのことが頭をよぎるし。先週の敗戦であらためていろいろと学ばせてもらい、今週は昨季と同じようなピリピリした雰囲気で1週間を過ごせました。だから大丈夫です」

来季もD1で戦うための「集大成」と、この試合を位置付けた。まさにビッグゲーム。飯沼はそのキックオフをリラックスした状態で待っている。

(須賀大輔)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧