日野レッドドルフィンズ(D2)
リーグワン最年長記録を更新し続ける男、開幕戦出場へ
待ちに待った日野レッドドルフィンズのシーズンが幕を開ける。開幕試合は12月17日(土)12:00開始。会場は武蔵野陸上競技場。ホストチームとして、釜石シーウェイブスRFCを迎え撃つ。
昨季の順位決定戦最終戦で敗れた相手ということもあり、開幕戦でその悔しさを晴らすべくハードなトレーニングを積み上げてきた選手たち。ジャパンラグビー リーグワン2年目となる今季、まずは昨季しのぎを削った強敵を倒して、ディビジョン1昇格へ向け確かな一歩を武蔵野の地から踏み出したい。
箕内拓郎ヘッドコーチはこの試合に向けて「これまで準備してきたことをしっかり出し切る。サポーターの皆様には組織力を強化した新たなチームをご覧いただきたい」と勝利への強い思いを披露してくれた。
左プロップの久富雄一は意気込みを「開幕戦だからと新たなプレーができるわけではないが、自分のできるプレーを100%、チームのために頑張りたい」と語ってくれるなど、早くも気合い十分。44歳の久富は開幕戦に出場すれば自身の持つジャパンラグビー リーグワン最年長出場記録をさらに伸ばす大記録となる。右プロップの浅原拓真も「この試合に出られない同じポジションのプレーヤーの気持ちも背負って、いいスクラムを組みます」と語り、開幕へ向けチーム全体の雰囲気も盛り上がっている。
試合当日は、小学生以下のファンにキッズジャージをプレゼント(先着500名)。また中学生以上のファンには、日野レッドドルフィンズのロゴが入った真っ赤なTシャツがプレゼントされる(先着2500名)。これを着て武蔵野陸上競技場を赤く染めて、全力で戦うチームにファンからの熱い応援のメッセージを届けてほしい。
また好評だったドルフィンズパークが今季も登場。射的や輪投げ、バルーンアートなど、まるで縁日のような楽しい雰囲気で試合前のひとときをおおいに楽しめる。ドルフィンズパークは10:30からオープンだ。
12月17日は武蔵野陸上競技場で、日野レッドドルフィンズが見せる熱い気持ちがあふれる戦いを、ともに応援しよう。
(関谷智紀)
釜石シーウェイブスRFC(D2)
地域密着の旗頭。
生え抜きのキャプテンが静かに燃える
ジャパンラグビー リーグワンの2シーズン目がいよいよ開幕を迎える。ディビジョン2に所属する釜石シーウェイブスRFCの開幕戦は12月17日12:00キックオフ。武蔵野市立武蔵野陸上競技場で日野レッドドルフィンズとのビジターゲームに臨む。
「日野レッドドルフィンズさんはアタックが強力でほかのチーム同様、難しい相手であることに変わりはありません。相手どうこうよりも自分たちのやるべきことにフォーカスして試合に臨みたいです」
フラットな気持ちで新シーズンに臨む心構えを強調したのは、キャプテンの小野航大。2014年に釜石シーウェイブスRFCに加入した生え抜きの選手で、今季もキャプテンを継続。今年8月にチームが始動して以降、「仕上がりは順調」と手ごたえを語った。
「チームの規律の面では成果が出ています。昨季は不必要なペナルティーを与えることが多く課題でしたが、改善は進んでいますし、17人が入れ替わったメンバーもそれぞれの特徴を把握できていると思います」
釜石シーウェイブスRFCはサポーターとの距離感が非常に近い。在籍年数やキャプテンという立場から、小野はことさらそれが顕著な選手でもある。2014年の加入当時は東日本大震災の影響から、仮設住宅で生活する方々の引越しの手伝いや雪かきなど、まさにラガーマンの“力”を使って、地域をサポート。いまでも継続的な支援を選手会やチームで共有しており、当時を知るメンバーはいないものの、その魂は脈々と受け継がれ、現在の旗頭の一人と言えるのが小野でもある。
そんなキャプテンは12月15日、31歳の誕生日を迎えた。「毎年、リーグの開幕前後に誕生日が来るので、こういうタイミングでいろいろな方からSNSなどのメッセージをいただくのはモチベーションになります」と、応援してくれる人の支えが大きな力になっていると口にする。
順調な仕上がりを見せるチームにあって、ピッチ内外でけん引する小野は「開幕戦だからといって特に気がはやることはない」という強心臓の持ち主でもある。メンバー発表がされ、東京に移動し、「チームとしてさらに一段階スイッチが入った印象」という小野。ピリッとした程よい緊張感の中、待ち望んだ開幕戦のホイッスルを待つ。
(髙橋拓磨)