東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

“リアルな音”とともに。ファンに届けたい今季初勝利

12月24日、東芝ブレイブルーパス東京は味の素スタジアムでリコーブラックラムズ東京を迎え撃つ。クリスマスイブに行われる一戦で、ファンに今季初勝利を届けたい。

前節では昨季王者の埼玉パナソニックワイルドナイツに19対22で惜敗。德永祥尭 共同キャプテンはボールキャリー、タックル、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)で奮闘した。

「自分としては良い状態ですが、反省点も見えたので次の試合に向けて修正していきます」

24日のリコーブラックラムズ東京戦に向けて德永は「相手の大きな選手たちに抱え上げられてしまうとテンポが遅くなるので気をつけないといけません。自分たちの攻撃には自信をもっているので、よいテンポで攻めたいと思います」と試合のポイントを語った。

リコーブラックラムズ東京には、昨季のリーグワンベスト15に選ばれたアイザック・ルーカスが司令塔として君臨する。変幻自在の動きを見せる相手に対しても、德永は冷静に分析する。

「アイザック・ルーカス選手だけではなく、相手選手に良いスペースを与えないようにしないといけないと考えています。自分たちのコネクト(周囲の選手とのつながり)が切れないようにすることが大事です。コネクトできていれば、アイザック・ルーカス選手が内側にステップを切ってきた場合も対応できると思います」

ホストゲーム開幕戦に向けては、運営サイドも力を入れている。スタジアム後方のファンにも選手が体をぶつけ合う音を届けようと『リアル・グラウンド・サウンドシステム』を導入。星野明宏プロデューサーは「もしかしたら『うるさい』という声が出るかも。それでも、ラグビーの醍醐味である“音”を届けたいという思いでチャレンジしていきます」と力を込めた。

さらにリーチ マイケルやOBの廣瀬俊朗さんがプロデュースするキッチンカーも出る予定で、スタジアムの外でも楽しむことができそうだ。

(安実剛士)

德永祥尭 共同キャプテン


リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスA)

今季初勝利へ。山本昌太は「このチームで勝ちたい」と熱い決意

昇格組に対しての衝撃的な敗戦から1週間。リコーブラックラムズ東京は、休む間もなく12月24日に行われる第2節へと歩みを進めている。

2戦続けて先発スクラムハーフの座を勝ち取ったのは、山本昌太。今季、数年ぶりにリーダーズグループの一員となった32歳のベテランは、開幕戦を振り返って「自分たちの力を出し切れなかった。ショックだった」と正直に胸の内を明かした。

しかし深く試合を掘り下げてみると、ネガティブに捉える必要はなかった。「自分たちが積み上げてきたことは間違いではない。ただ、イージーミスやちょっとしたボタンの掛け違いはありました」と口にした。

トライチャンスが目の前にずっとある状態だった前半。何回もチャンスを逃すうちに、それぞれが別のことを考え始めてしまった。“自分がどうにかしよう”と思う選手もいれば、“今までどおりやれば大丈夫”と思う選手も。山本昌太は「ちょっとずつバラバラになっていった」と振り返る。

そんなとき、チームを正しい方向に導く役目を担うのがリーダーたちであるが、そこにも開幕戦の落とし穴があった。「自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうときも、『自分は大丈夫だから周りもきっと大丈夫だろう』と思ってしまうときもあった」と山本昌太。まとまりが少し足りなかった。

だから、意識するのはグラウンド外での時間の使い方。一緒に映像を見ながら「このときはこう思っていた」と、選手間で話す時間を増やした。

「昨季の反省点だったんです。『オフフィールドのまとまりが足りなかったよね』と。だからもう一度、徹底的にまとまって準備したいと思います」

天理大学卒業後、チームに加入したのは2013年のこと。「もうベテランですよね」と笑う山本昌太は、「いまのチームで一番勝ちたい」と愛着を見せる。

「本当に素晴らしいコーチングスタッフ陣なんです。だからこのチームで試合に出たいし、このチームでラグビーがしたい。このスタッフたちからラグビーを教わりたい、と思っています」

第2節の相手は、昨季4位の東芝ブレイブルーパス東京。開幕戦を黒星で終えたチーム同士、今季初勝利を目指しての激しい戦いも予想されるが、「DNAの部分で相手を上回り、それを試合で証明する。初めて試合を見に来た人にも『ブラックラムズ東京って、なんかみんな一生懸命だよね』と思ってもらえるような泥臭さを見せたい」と山本昌太。技術がなくてもできる部分を証明したい、と真っ直ぐに語った。

(原田友莉子)

山本昌太選手



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