中国電力レッドレグリオンズ(D3)
「ラグビーを届けたい」。リーグワン初の岡山開催
岡山に気迫あるラグビーを届ける。開幕白星スタートの中国電力レッドレグリオンズは、12月25日にNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23第2節でNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と対戦する。岡山で開催される今季初のホストゲームで開幕2連勝を狙う。
広島を拠点とする中国電力レッドレグリオンズは、フレンドリーエリアに中国地方全域を設定。ラグビーの普及に取り組み、ラグビー教室などを通じて社会貢献を行っている。地方開催もその一つで、昨季は山口県で試合を実施。今季は岡山県で初めてリーグワンの試合が実現する。
「岡山の人にラグビーを届けたいという思いから開催につながった」と運営統括ディレクターの市村和俊さんは話す。「来ても楽しい、見ても楽しい会場作りをするので、たくさんの方に見にきてほしいです」。試合当日は地元の警察音楽隊やキッズチアなどが会場を盛り上げる予定で、負傷離脱中のフランカー石渡健吾が解説として登場する実況配信サービスなども楽しめる。
岡山出身のプロップ坪井秀龍は、「岡山は全国的に(ラグビーの)レベルがあまり高くないし、そこまで盛んでもなかった。トップや大学でやる選手も少ない中、岡山出身の自分が頑張っている姿を子どもたちに見せることでラグビーが広がってほしい」と地元への思いを語った。
試合は、坪井が「昔住んでいたところから徒歩圏内」というシティライトスタジアムで開催されるが、残念ながら本人はケガで欠場する。地元で戦う姿を見せられず、「本当に悔しい」と言うが、その思いはチームに託す。
「自分たちのやろうとしている粘り強いディフェンスと気迫あるプレーを見せてほしい。もともと高いレベルでやっていた相手に対して気負い過ぎず、まずは自分たちの気迫を出せば、自然と流れは向いてくると思う」(坪井)
今試合は開幕白星スタート同士の対決。開幕戦で勝利を引き寄せた「粘り強さ」と「気迫」を出せば、2連勝をつかめるはずだ。中国電力レッドレグリオンズらしい戦いで岡山を盛り上げる。
(湊昂大)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(D3)
開幕連勝へ。メンバー入りした頼もしき“二人のベテラン”
12月17日に行われた開幕戦では、劇的勝利を収めたNTTドコモレッドハリケーンズ大阪。当然、「週明けのミーティングで、チームの雰囲気はなお一層良くなっていると感じた」とキャプテンの杉下暢は言う。25日には、中国電力レッドレグリオンズがホストを務める第2節が行われる。今季一つ目のビジターゲームでも勝利を収め、さらに勢いを増したい。
前節では、若手選手がスコアに直結する活躍を見せた。今節では、その若手の成長を支えるベテラン勢のうち、前節メンバー入りしていなかった2選手が今回は名を連ねている。
さまざまな国でプロとして12年のキャリアを積んできたヴィリー・ブリッツが、今節の先発メンバーに入った。NTTドコモレッドハリケーンズ大阪には今季加入したばかりだが、ボーク コリン雷神とともにチーム内でコーチ的な役割も果たしている。「経験を若手に提供することができるのは、とても光栄なこと。NTTドコモレッドハリケーンズ大阪は、とても良い文化で、本当に良いチームだと感じている。そのチームを代表してピッチに立てることはとても光栄で、誇りに思う」と話す。
対戦する中国電力レッドレグリオンズには、サンウルブズでチームメートだったエドワード・カークも在籍。「彼は本当に良い選手で、自分ももっとレベルアップしなければと思わせてくれる。知っている人と試合をするのは、いつでも楽しみなこと」だと、対戦を心待ちにしている。
そしてもう一人は、杉下よりも2代前にキャプテンを務めていた茂野洸気。リザーブメンバーに名を連ねた。直近の5年間では6度の大きなケガを負いながらも、必ずピッチに戻ってきた不屈の男だ。「経験をマイナスにするかプラスにするかはすべて自分次第」と語る茂野は、シーズンの初めに負傷者が多かったチーム内で、ケガをしたときにどのようにモチベーションを保つかアドバイスするなど、自身の経験を生かしてチームを支えてきている。
ピッチの外から新たに生まれ変わったチームを見ることで、その中で自分がどのようなプレーをし、どう良い影響を与えられるかは、ずっと考えてきた。いよいよ迎える復帰戦では、出場するタイミングはどうであれ、「チームを一つの方向に向かせられるプレー」(茂野)を見せる。
(前田カオリ)