2022.12.27NTTリーグワン2022-23 D1 第2節レポート(東京SG 50-19 GR東葛)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1(リーグ戦) 第2節 カンファレンスB
2022年12月25日(日) 14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス 50-19 NECグリーンロケッツ東葛

再確認の1勝の裏に4人のリーダーあり。東京SGはこれからも「泥臭く走る」

堀越康介 共同キャプテン。フッカーとしてスクラムの中心を担う

開幕節を落とした“優勝候補” 東京サントリーサンゴリアスにとって、真価が問われたNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23第2節・NECグリーンロケッツ東葛戦。結果は50対19の完勝。味の素スタジアムでのホストゲームで、今季の第一歩をあらためて踏み出した。

その歩みをけん引したのは、東京サントリーサンゴリアスの4人のリーダーたちだ。

試合開始早々の前半3分、先制トライを決めたのは齋藤直人 共同キャプテン。5点を返されたあとの前半27分、今度はバイスキャプテンのハリー・ホッキングスがトライを決めて再びリードを広げると、前半最後のプレーではラインアウトモールから堀越康介 共同キャプテンがそのままトライ。この3つのトライで得たコンバージョンキックを、森谷圭介バイスキャプテンが3つともきっちり決めてみせた。

見事に、4人のリーダーで重ねた前半の21得点だった。

振り返れば、開幕前から彼らリーダーたちが口にしていたのは、「言葉よりもプレーで、体でチームを引っ張りたい」ということ。それを如実に証明してみせた前半だったと言える。そして「体を張る」上で徹底されたのは、今週チームに合流したチームアドバイザー、エディー・ジョーンズ元イングランド代表監督から指摘された「ハードワーク」の部分。「泥臭く」自分たちのラグビーを貫くことだった。

「今回の試合は、自分たちの目指す『アグレッシブ・アタッキング・ラグビー』を体現するため、前半から泥臭くタフに走り続けようと決めて挑みました」(堀越)

「前節は、自分たちのやりたいことをやり切れなかった。今日はどういうミスがあっても、うまくいかなくても、やろうとしていることをやり切ろうと。とにかく泥臭く走り切ることを意識しました」(齋藤)

試合後、二人の共同キャプテンが示し合わせたように同じ内容を口にしていたのが印象深い。

8トライを決めての50得点。その派手な結果以上に、東京サントリーサンゴリアスにとって大事なことを再確認できた1勝となったのではないだろうか。

(オグマナオト)

東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアスの田中澄憲監督(右)、堀越康介 共同キャプテン

東京サントリーサンゴリアス
田中澄憲監督

「まずは勝利できてホッとしています。開幕戦でクボタスピアーズ船橋・東京ベイさんに敗れ、普通であれば今日は難しいゲームになると思いますが、ネガティブな要素は一切ありませんでした。敗れたことで自分たちの課題が明確になったからです。
今週はその課題についてシンプルに取り組み、今日の勝利につなげることができました。もちろん、完璧な結果ではないかもしれませんが、一つの自信につながるゲームだったと思います」

──「前節で出た課題」は具体的には何でしょうか? それをどのように修正し、ピッチでどのように表現できましたか?

「前節ではブレイクダウンの場面でターンオーバーされた回数が9回ありました。これは、ただ単にブレイクダウンの弱さではなく、アタックの方向・システムで曖昧な部分があったからです。
今週は、そのアタックのシステムをクリアにすること。そして、一度決めたアタックをやり抜くこと。その上でブレイクダウンでの緊急性に対処しようと取り組んできました。結果として、今日の試合でブレイクダウンからターンオーバーされた場面は記憶になく、しっかり改善できたと思います」

東京サントリーサンゴリアス
堀越康介 共同キャプテン

「今回の試合は、NECグリーンロケッツ東葛さんを意識するよりは、自分たちがどういったラグビーをするか。自分たちの『アグレッシブ・アタッキング・ラグビー』をしっかり体現することにフォーカスをして挑みました。まだまだ改善する点はありますが、ひとまず、結果にホッとしています。それが本心です」

──前節の試合後会見では齋藤直人 共同キャプテンと田中監督から「同じ絵が見えていない」というコメントがありました。フォワードグループで今週、改善した点があれば教えてください。

「前半20分までしっかり順目に回り続けようと意識して、それ以外は考えない。とにかく、順目、順目、順目にアタックをしていくことを決め事としました。その点は迷いなくできました。イージーミスはありましたけど、そこはまだまだ改善できますし、その部分の精度を高めていけば、もっと面白いラグビーにできると思っています」

NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛のロバート・テイラー ヘッドコーチ(右)、レメキ ロマノ ラヴァ キャプテン

NECグリーンロケッツ東葛
ロバート・テイラー ヘッドコーチ

「NECグリーンロケッツ東葛にもアタック、ディフェンスそれぞれで良い場面もありました。ただ、自陣内でディフェンスする機会が多くなってしまい、かなりプレッシャーを受けた試合になりました。最後の22m領域内で、あれだけのプレッシャーの中でのプレーが続くと、必然的にトライを奪われる場面も増えてしまいます。また、ペナルティーを取られる場面も多かったことは、私たちにとって良くないシチュエーションだったと思います」

──ゲームプランとしてはどんな展開に持ち込みたかったのか。一番の誤算はどこだったのかを教えてください。

「攻撃面では、ショートサイドを攻めることで生じるスペースを突いていく。また、ディフェンスを通して相手にプレッシャーを掛け、そこからターンオーバーでボールを奪っていくゲームプランでした。ただ、結果的にはラインアウトからトライを奪われてしまったのは反省点です。
今後に向けての改善点は、ブレイクダウンの攻防です。今日はその部分でペナルティーを取られることが多かったので、あらためてブレイクダウンまわりについては練習から改善していきたいです」

NECグリーンロケッツ東葛
レメキ ロマノ ラヴァ キャプテン

「タフな試合でした。60分までは良い勝負ができましたが、やはりトップレベルのチームとの試合では最後の詰めの部分、とくにディフェンスをしっかり守らないといけないです。良い部分もたくさんあったのですが、今日は東京サントリーサンゴリアスがほぼコンタクトの部分でも勝っていたので、この結果になったと思います」

──東京サントリーサンゴリアスに対して、NECグリーンロケッツ東葛として良いアタックができていた部分はどういうところでしょうか?

「今日はラインブレイクからチャンスを作る場面もありましたが、最後のところでミスがあって終わってしまった。チームとして19点を取りましたが、前半にもっとトライを取れていれば……。それ以降は、完全に東京サントリーサンゴリアスが上でした」

──ご自身のプレー、トライについては?

「昨季は10番(スタンドオフ)での試合が中心でしたが、やはりウイングが一番楽しいですね。久しぶりにウイングの仕事ができました。久しぶりにトライを決めましたが、それを勝利につなげたかったです」

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