浦安D-Rocks(D2)

早稲田大学4年の小西泰聖、アーリーエントリー制度によりデビューへ

ここまで開幕4連勝と、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)の勢いが止まらない。すべての試合で35得点以上を挙げ、ラインアウトからのトライ数も17でNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン2トップと、攻撃力を発揮。金嶺志も「プレシーズンから厳しいトレーニングをしてきて、タフに戦えている結果」と胸を張る。

ただ、すべてが順調というわけではなく、徐々にけが人も増えてきている。試合内容においても「向上の余地はまだまだある」(ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ)という状態でもある。しかし、チームのやるべきことは変わらない。メンバー発表日の9日のトレーニングでは、時間帯やプレーエリアなど、さまざまな状況を想定して綿密なトレーニングが行われていた。

豊富な戦力をローテーションさせ、メンバーを固定しない戦いを続けている。今節も庵奥翔太、坂和樹が新たにメンバー入りを果たした。そして、もう一人、デビューを飾る可能性のある新星がいる。アーリーエントリー制度により加入したばかりの小西泰聖だ。

早稲田大学の卒業を間近に控えた若者は、4日の練習試合でディビジョン1の静岡ブルーレヴズとの対戦を経験。「ディフェンスの時間が長かった中でも、できることはしっかりやり切れたと思います。緊張していたけど、緊張し過ぎてしまっていたのは損だったかも」と振り返っている。

その甲斐もあってか、今節は公式戦にて堂々のメンバー入り。アーリーエントリー制度において最初の出場選手となる可能性が高い。受け答えはいたって真面目で真摯、ほころんだ笑顔はあどけない若者のそれだが、ひとたびグラウンドに入ればスクラムハーフとして年上の選手たちを動かす。

「15分の1として、(ほかの)14人を生かすだけじゃなく、自らアタックできるのも強みだと思っているので、相手が脅威に感じるプレーヤーでいたいと考えています。アタックのところをワクワクして見てもらえたら。おこがましいですけど(苦笑)」

はにかみ、謙遜しながらも、静かな自信が感じられた。「1試合1試合を戦って、まずは昇格。そしてディビジョン1優勝に貢献したい」と目標も高い。浦安DRの首位固めが懸かった一戦。今季初出場となる庵奥、リーグワンデビューとなる坂、小西。新たな力にも要注目だ。

(沖永雄一郎)

アーリーエントリーでリザーブ入り、浦安D-Rocksの小西泰聖選手


釜石シーウェイブスRFC(D2)

「相手が強ければ強いほど、ワクワクする」。全試合先発中の“スシベイブ”は孫悟空のように

釜石シーウェイブスRFC(以下、釜石SW)は、レギュラーシーズン前半戦最後となる第5節で、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)との一戦に臨む。日時は2月11日13時から、駒沢オリンピック公園総合運動陸上競技場が舞台となる。

注目選手の一人が、今季全試合でスタメン出場の村田オスカロイドだ。2016年に釜石SWに加入し、20年までプレー。今季、3シーズンぶりに釜石SWに復帰した。持ち味は力強いタックルをはじめとしたディフェンス力の高さにある。

「相手が強ければ強いほど、自分の力、タックルがどこまで通じるか、楽しみな気持ちが強い。ワクワクします」(村田)

自身も「好きな漫画」だという『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空のように、相手が強いほどに楽しみが増すという村田。能力の高い選手との対戦を待ちきれないといった表情で取材に応じてくれた。

「(第3節の)清水建設江東ブルーシャークス戦は、チーム全員がいいディフェンスを継続できて、スコアも重ねられた。あのような試合ができれば勝機は見えてくると思う。いいディフェンスをして、アタックでも貢献したい」

チームとして、いいイメージは共有できている。その実現のためにも全員でハードワークして、最低でも逆転可能な得点差内で試合を推移させたい。

一方で日本文化も大のお気に入り。漫画も読むし、ポケモンも好き。食では焼肉や寿司が大好物だが、来日したあとはその手軽さとおいしさに驚いたという。母が日本人のハーフということもあり、シドニーにいたときから“Sushi Babe”のニックネームが定着。「いまだに“Sushi”と呼ばれても、自分のことかなって振り返ります」と笑い、インスタグラムの名前もこのワードを採用するなど、村田の一部として密接に関わっている。

「釜石は僕のホーム。友達も応援してくれる人もたくさんいます」と地元愛も強い村田。今節はここまで全勝、リーグ最多の199得点、同最少の86失点という成績を残している浦安DRが相手となるが、持ち前の炎のタックルでチームを勝利に導き、ファンが喜ぶ試合を披露したい。

(髙橋拓磨)

釜石シーウェイブスRFCの村田オスカロイド選手


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