2023.03.06NTTリーグワン2022-23 D2 第7節レポート(江東BS 0-59 浦安DR)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン2) 第7節
2023年3月4日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス 0-59 浦安D-Rocks

「江東BSのディフェンスが良くて…」
全勝中の主将が称賛した“攻撃的なディフェンス”

前半30分までは0-7。“攻撃的なディフェンス”が機能した青いジャージの清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)にとって約1カ月ぶりの試合となった第7節。ホストスタジアムの江東区夢の島競技場には、この日もブルーのものを身に付けた多くのファン・サポーターが詰めかけていた。相手は、ここまで6戦全勝と圧倒的な攻撃力をもつ浦安D-Rocks(以下、浦安DR)だ。

そんな相手に江東BSが立ち上がりから見せたのは、チームのポリシーとなっている、ハードワークと前に出る“攻撃的なディフェンス”だ。試合前までに、浦安DRは6試合で322得点を記録。爆発力のあるオフェンスが持ち味だが、前半30分まで0-7とロースコアで推移しており、ゴールラインまであと少しというチャンスも作っていた。

浦安DRのキャプテンを務める飯沼蓮は試合後、目を輝かせながらこう話していた。

「ここまでの試合は前半の早い時間帯にリードすることが多かったが、江東BSのディフェンスが良くて、スロースターターになった。前半の最後にはタイトな試合になり、それが個人的には楽しかったし、いい経験になった」

江東BSの“攻撃的なディフェンス”の前に、浦安DRも攻めあぐねていた。

だが、ミスやイエローカードが出て数的不利になったこともあって、前半の終盤に失点を重ねてしまう。逆に相手にイエローカードが出た後半には、勢いのあるアタックで何度もチャンスを作り、同10分、15分とトライライン近くまで迫った。しかし、流れをつかみかけたものの、相手の堅い守りの前に得点につなげることができず、0対59でノーサイド。中断期間で修正を行い、チームとして再スタートともなる試合だっただけに、悔しさは大きい。

大隈隆明監督は、「浦安DRさんとの力の差と規律の部分でリズムが出ず、自分たちのラグビーができなかった」とコメントした。

3月12日(日)に行われる次節はビジターゲームとなり、相手は第4節で敗れている三重ホンダヒート。バイスキャプテンを務める臼井礼二朗は、「ブレイクダウンでプレッシャーを掛けられて、ペナルティを取られてしまったところを修正できなかったのが今日の敗因だと思う。でも、これで終わりではない。ここから3試合続く。今日の課題を修正して、次に向けていい準備をしていきたい」と次節への意気込みを話している。

(山村燿)

清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの大隈隆明監督(左)、臼井礼二朗ゲームキャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
大隈隆明監督

「本日は関係者の皆さま、ありがとうございました。試合に関しては、選手はひさしぶりの公式戦で、モチベーション高く、エナジーをもって試合に臨んでくれました。マネジメントのほうでもイベントなどをいろいろしかけて、チームとして準備してきたが、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)さんとの力の差で自分たちのラグビーができませんでした。また、規律の部分でリズムが出ず、80分間でイエローカード2枚、ペナルティ15個以上となってリズムに乗れないまま、浦安DRの力に負けてしまった印象です。これから連戦が続くので、切り替えて、規律の部分を修正すれば、次節以降も勝利のチャンスは出てくると思う。修正して次に臨みたい。本日はありがとうございました」

──前半、チャンスがあったものの得点を取り切れなかった。ハーフタイムの指示は?

「自分たちのアタックをする上で、深さをもってアタックしようなどと修正したが、浦安DRのプレッシャーがあって、思いどおりにできずに試合が終わった印象です。自分たちの細かいミスもあったが、やはり相手のプレッシャーが大きかったと思う」

清水建設江東ブルーシャークス
臼井礼二朗ゲームキャプテン

「関係者の皆さま、ありがとうございました。試合に関しては、監督が言ったことがすべて。アタック、ディフェンスともにブレイクダウンでプレッシャーを掛けられて、ペナルティを取られてしまったところを修正できなかったのが敗因だと思う。でも、これで終わりではない。ここから3試合続く。今日の課題を修正して、次は三重ホンダヒートとの試合があるので、いい準備をしていきたい。ありがとうございます」

──いいディフェンスはしていた中で、イエローカードが痛かったのでしょうか?

「イエローカードが出たこともそうですし、いい守備をしている中で、ペナルティが何個か続いたことで相手に自陣に入られたのが要因かなと。規律を一人ひとりが守ることをもう一回考え直して、そうなったときでも修正できるようにしていこうと思います」

──普段、チーム内での情報共有はどうしているのでしょうか?

「LINEグループがあって、コーチが動画を送ってくれて、それを見ています。それがあるので、グラウンドでも分かっている上でやっています。朝の通勤の移動時間、休憩の時間で見るようにしています」

浦安D-Rocks

左から、浦安D-Rocksのヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ、飯沼蓮キャプテン、ローレンス・エラスマス バイスキャプテン

浦安D-Rocks
ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ

「コンニチワ。本日は立ち上がり、どちらもスロースターターだったが、そこから勢いを生み出してトライを取ることができました。後半はチャンスを作っていた部分もあるが、トライを取り切れなかったところがあった。それでもスコアを重ねていき、勝利することができました。今日、一番狙っていたのはディフェンス面。そのディフェンスで、最後まで相手にチャンスを与えつつも、守り切ったのは素晴らしいことだと思う」

──三浦嶺、セコナイア・ポレの起用について。

「二人とも負傷明けの選手で、(試合までに)ラグビーのプレー時間が少ない選手だった。どれほど長時間使っていけるかというところの調整でもあったし、彼らをベンチに置いておくことは、出ている選手が早めにけがをしてしまった場合、60~70分を使わないといけなくなる。そのリスクを避けるために、ゲーム経験のある選手をベンチに置いた。復帰まで長く掛かったので、ファーストコンタクトを早い時間で行うことで、試合のリズムに入ることにしようとした。ベンチで待っていると緊張感が高まってしまうというのもある」

──ローレンス・エラスマスをフランカーに起用したことについて。

「基本的にローテーションで選手を使っている。その一部。タイラー・ポールをベンチに置いて、リアム・ギルをスタートで起用したい意図があった中で、ローレンス(・エラスマス)に関してはラインアウトでいいオプションになるし、動き回れる選手なので、彼をフランカーに入れた。彼は、機動力が落ちないのが魅力の選手。タイラー(・ポール)と中島進護という、バックローでもロックでも使える選手をベンチに置いておくのは贅沢なこと」

──ディフェンス面で特に良かった点は?

「いろいろあるが、1対1のタックルを決められていたということがあった。ディフェンスコーチから、今週はダブルタックルに入るところを特に伝えていた。一番大きいのは、心から守り切るという気持ちを選手が出してくれたこと。ルーズボールになったり、アタックしている状況で取られたあとも戻り切って、トライラインを守り切るというところが良かった。そして、ターンオーバーからのチャンスも作れた。一番光ったのは、ラインブレイクがあったときに戻る気持ちですね」

浦安D-Rocks
飯沼蓮キャプテン

「今日はありがとうございました。ヨハン(・アッカーマン ヘッドコーチ)も言ったとおり、いつも前半にリードするが、清水建設江東ブルーシャークスのディフェンスがよくて、スロースターターになった。前半の最後にはタイトな試合になって、それが個人的には楽しかったし、いい経験になった。焦って得点を取り急いだ部分があった。相手のいいディフェンスの前に焦らずアタックし続けることを話して、そのとおりスコアを溜めていけたのは自信になるし、一歩成長できたところだと思う。あとは無失点に抑えられたのは今後の自信になる。引き続き、反省を見つけて、成長して、次の試合に臨められたらいい」

浦安D-Rocks
ローレンス・エラスマス バイスキャプテン

「序盤はスロースタートとなったが、ディフェンスが特に良かった。アタックに関しては、簡単に失う部分やラインアウトとラックでアタックのチャンスを生かし切れなかったところがあったので、今後に向けての改善点になる。全体的にディフェンスが光った試合だった」

──フランカーで先発はいつ以来ですか?

「ひさしぶり。現在のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪でプレーしていた18年か19年にフランカーで出たことがあって、あとはスーパーラグビーの準々決勝、準決勝でも出場したことがあった。経験としては少ないが、そういったいつもと違った役割でプレーできる楽しみを感じている」

──いつも心がけていることは?

「いつもタックルでは、自分の目の前の選手を通さないこと、圧倒することを心がけています」

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