2023.03.06NTTリーグワン2022-23 D3 第9節レポート(SA広島 24-72 RH大阪)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3 第9節
2023年3月4日(土)14:00 福山通運ローズスタジアム(広島県)
マツダスカイアクティブ広島 24-72 NTTドコモレッドハリケーンズ大阪

悔しい敗戦にも決して下は向かず。
「仕方ない」では終わらせない

マツダスカイアクティブズ広島の中野光基選手。「1対1でRH大阪さんのプレッシャーにずっと負け続けていた。そこが本当に悔しいです」

前節に今季初勝利を挙げたマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)は、自信をもって今節に臨んでいた。相手がまだ1敗しかしていない強敵だからこそ奮い立ち、中居智昭ヘッドコーチも「僕自身も楽しみですし、選手たちもワクワクしている」と話して福山通運ローズスタジアムに乗り込んだチームは、前半3分に笹岡海斗がトライを決める好スタートを切った。

最高の滑り出しを見せたがゆえに、前半10分にレッドカードを受けて、以降の時間を14人で戦うことになったのが悔やまれる。一人少なくなったSA広島はNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)の個々の強さを止められず、最終的には72失点を喫することになった。

悔しい敗戦がリーグワン3キャップ目になった中野光基は、退場者が出たことをすべての敗因にしなかった。チームと自分自身に不足しているところを見つめて試合を振り返った。

「1対1でRH大阪さんのプレッシャーにずっと負け続けていた。そこが本当に悔しいです。激しさや速さで自分たちのレベルが足りていないとすごく思いましたし、僕自身も1対1で止めることができていないシーンが何個かあった。1対1で勝負できるような選手にならないと上のレベルでは通用しないと、今日の試合で痛感しました」

帝京大学を卒業して昨年4月にマツダに入社し、もうすぐ1年。中野は『仕事100%、ラグビー120%』をモットーに掲げるチームに所属して充実した日々を送ってきた。

「僕はエンジニア的な業務にあたっているんですけど、本当に初めてのことだったのですごく苦戦しました。学ぶことが多くていまも大変ですけど、すごく充実しています」

ラグビーの面でも外国人選手と対峙することも多いフランカーのポジションで妥協せず自分を高めている。

「外国人選手にパワー負けすることもあると思うんですけど、それを仕方ないと思っていたら、そのレベルで終わってしまう。仕方ないで終わらせるんじゃなくてパワーでも勝っていきたいです」

悔しい敗戦を喫しても俯かず。SA広島は、中野は、前を向いて次戦に臨んでいく。

(寺田弘幸)

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島
中居智昭ヘッドコーチ

マツダスカイアクティブ広島の中居智昭ヘッドコーチ

「本日は福山で初めての開催ということで、われわれが福山の地でラグビーの公式戦ができたことを大変ありがたく思いますし、開催していただいた関係者の皆さまに感謝申し上げます。

試合のほうは、入りはすごく良い状態で先制点を取る形だったのですが、序盤のレッドカードによって長い時間を14人で戦うことになり、難しい展開になったと思います。特に前半は風下で耐える時間が長くなる中だったので、一人少ない14人というところがかなり大きなダメージになりました。後半に風上に立ってからは攻めるチャンスも増えたのですが、長い間14人だったというのは、試合を自分たちで壊してしまった面もありました。ファウルプレーに関しても自分たちでコントロールできるプレーでしたので、その点については反省しています。ただ、攻撃面についてはすごく良い面が出てきているので、次戦に向けてその部分の精度を上げて結果を出していきたいなと思います。

本日はありがとうございました」

マツダスカイアクティブズ広島
﨑口銀二朗キャプテン

マツダスカイアクティブ広島の﨑口銀仁朗キャプテン

「本日はありがとうございました。

前半の最初にレッドカードで一人少なくなってしまって、前半は特にそこに対応することが難しくて終始、一方的に受けた展開になりました。前半に試合を決められてしまったところがあったんですけど、自分たちに流れを持っていくためにもう1回ディフェンスのところでどうプレッシャーを掛けるかを話し合いました。後半はディフェンスを立て直してこちらから圧力を掛け直すシーンを作れたところと、自分たちの気持ちも切れることなく戦ったところは、大きな成長だと思っています。アタックに関しては敵陣に入って自分たちがリズムよく攻める形を作れて取り切れたところはすごく自信になりました。最終的なスコアとしては72点も取られてしまい、一方的な試合になってしまったんですけど、その中で自信につながる部分は少なからずあったと思うので、そこをしっかりと自信にして来週の中国電力レッドレグリオンズ戦に勝てるようにやっていきたいと思います」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
マット・コベイン ヘッドコーチ

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪のマット・コベイン ヘッドコーチ

「勝利できて本当にうれしく思います。相手のことを考えますと、前半の早い時間帯でレッドカードが出てゲームしづらかったと思います。14人で60分くらいを戦うのはタフだったと思います。僕らに関しては、やらないといけなかったことをしっかりとできたと思います。そこを誇りに思いますし、やり切ったことによって結果を得られたと思います」

──次節は今季唯一敗れているクリタウォーターガッシュ昭島戦になります。意気込みをお願いします。

「先ほどに杉下暢キャプテンが言ったように、僕らのディフェンスは向上させないといけない。タックルを外すシーンもあったり、ドミナントも欠けていた。パワーが欠けている時間帯がありました。シーズン中は練習の中でコンタクトのレベルを上げるのはなかなか難しいんですけど、具体的にしっかりとレビューをして、しっかりと練習をして合わせていき、ディフェンスを向上させていかないといけないと思います」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
杉下暢キャプテン

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪の杉下暢キャプテン

「まず本当に勝ち点を取れてうれしく思っています。試合の入りのところでレフリーとスクラムが合わず、そこからトライまで結び付けられてしまったんですけど、そこからしっかりとフォワードを中心にゲインを重ねてバックスに展開するアタックを遂行して良い形で前半を終えることができたのは本当に良かったと思います。

後半に関してもクオリティを落とさずにアタックし続けようというマインドを持ってアタックした結果、前半と同様のスコアを重ねることができたので、その点は良かったかなと。ただ、ディフェンスに関しては、しんどい時間帯にゲインを重ねられてしまった。それでスコアまで結び付けられてしまった。それで結果的に先週の九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)戦よりも失点が多かったので、そこに関しては改善していく必要があると思っています」

──次節は今季唯一敗れているクリタウォーターガッシュ昭島戦になります。意気込みをお願いします。

「前回の試合ではセカンドハーフのところでセットピースの乱れがありました。あとはエッジのスペースをえぐられてしまったんですけど、けが人も戻ってきてチームとしてレベルアップできている状況ですので、相手が強みとしているセットピースでもプレッシャーを掛けていって、ドミナントしていきたいと思っていますし、今日は少しディフェンスが乱れてしまったんですけど、九州KV戦のようなディフェンスができればまったく問題ないと思っていますので、勝利できると確信しています」

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