東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

BL東京にはこの男がいる。逆転でのトップ4入りへ。リーチ マイケルはプレッシャーを楽しむ

東芝ブレイブルーパス東京のリーチ マイケル選手。「(調整を)しっかりやってきたので。今週、爆発できるように準備しています」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は4月21日19時から、東京・秩父宮ラグビー場で埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)と対戦する。リーグ戦5位で最終節を迎えるBL東京は、首位の埼玉WKに勝利することで、23日に試合を控える4位の横浜キヤノンイーグルスにプレッシャーを掛けたい。

今季もっとも大切な一戦に向けて闘志を燃やしているのがリーチ マイケル。開幕前のプレスカンファレンスで「全試合に出ながら成長したい」と話したとおり、ここまでの15試合すべてに先発出場を果たし、埼玉WK戦でも先発メンバーに名を連ねた。

今季はフランカーからナンバーエイトにポジションを移し、ボールキャリーでリーグ1位、ゲインメーターでリーグ10位(フォワードでは1位)と素晴らしい成績を残してきた。

埼玉WK戦で気をつけるポイントについて聞くと、「規律。規律です。変なことをしないことです」と穏やかに笑い、「負けたら次のステージに進めないという非常にプレッシャーが掛かる試合です。その中で楽しんでいきたいと思います」と意気込んだ。

昨秋の日本代表の活動を終えてから1カ月もせずにNTTジャパンラグビー リーグワンが開幕。ほぼ毎週試合があるタフな日程だったが、経験豊富な34歳は心と体をコントロールしてきた。

「一週間のバランスをどうやって取るか、ですね。(疲れ切ったり、練習に行くのがイヤになったことは?)ないですね。目標もしっかりあるし、体も元気だし、楽しくやっています」

埼玉WKは前節、静岡ブルーレヴズ戦に25対44で敗れ、不戦敗を除けばリーグワン初黒星を喫した。すでに出場を決めているプレーオフトーナメントに向けて、また王者のプライドに懸けて、BL東京戦では激しく戦ってくるはずだ。

BL東京としても、逆転のプレーオフトーナメント進出に向けてボーナスポイント付きの勝ち点5を獲得したい一戦。リーチは淡々と決意を口にした。

「(調整を)しっかりやってきたので。今週、爆発できるように準備しています」

大一番でリーチはどんなプレーを見せるのか。運命のキックオフが近づいている。

(安実剛士)


埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスA)

連勝ストップは新たなチャレンジの始まり。王者は自分たちのラグビーを追求する

埼玉パナソニックワイルドナイツの坂手淳史キャプテン。「敗戦を全員で受け止めることが必要。あの悔しさをエネルギーに変えて、次へつなげていく」

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1の最終節。埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は4月21日19時から東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)とのビジターゲームに臨む。すでにプレーオフトーナメント進出を決めている埼玉WKはリーグ戦首位通過を懸けて秩父宮ラグビー場のフィールドに立つ。

埼玉WKは前節、静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)に屈してリーグワンでの連勝が30でストップ。それでもなお、首位を守るが、2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが勝ち点1差で迫る状況で、今節はリーグ戦首位通過のためには負けられないゲームとなる。対する5位のBL東京は、4位の横浜キヤノンイーグルスと勝ち点1差で最終節を迎える。BL東京は残り1枠のプレーオフトーナメント進出を目指して戦う。

埼玉WKは前節の敗戦を糧にゲームへ向かう。リーグワンでの連勝は30、公式戦での無敗記録は47でストップ。数字をリセットしてのゲームとなる。松田力也は「負けを経験してさらに強くなる。もう一度、謙虚に自分たちのラグビーを見つめ直して、前を向いていく」と最終節へ向かう。

チームは静岡BR戦で敗れたあと、ピッチ上でキャプテンの坂手淳史を中心にハドルを組んだ。長田智希は「負けはもちろん悔しいが、結果は変えられない。いかに次へつなげていくかが大切。チームはキャプテンを中心にして次へ向かっている」と話す。

埼玉WKは19日にスタメンを発表。坂手キャプテン、クレイグ・ミラー、平野翔平のフロントローでゲームへ挑み、ルード・デヤハー、ジャック・コーネルセン、マリカ・コロインベテ、ディラン・ライリーがスタメンに復帰し、必勝を期す。BL東京とは今季の開幕戦で対戦して22対19で勝ち切ったが、リーチ マイケルにトライを許すなど苦しみながらも逆転勝利。簡単に勝てる相手ではないことは選手全員が理解している。

坂手キャプテンは「静岡BR戦では負けてしまったが、ここからが(埼玉WKの)見せどころ。敗戦は、試合のメンバーだけではなく、出ていない選手も全員が悔しく思っている。敗戦を全員で受け止めることが必要。あの悔しさをエネルギーに変えて、次へつなげていく。最終節からプレーオフトーナメントへ向かうが、埼玉WKのラグビーをさらに追求していく」と最終節の勝利、そして、リーグ戦首位通過を誓う。

今季も、チームは坂手キャプテンを軸に、幾多の困難を乗り越えてきた。連勝ストップは、新たなチャレンジの始まり。埼玉WKは、このBL東京戦から、再び白星を重ねていく。

(伊藤寿学)

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