NECグリーンロケッツ東葛(D1)

成長過程の若手と描く青写真。
その実現のため、果たさなければならない残留

NECグリーンロケッツ東葛のレメキ ロマノ ラヴァ キャプテン。「いつもロケットスタートと言っているように試合の入りが大事」「今度はキックオフからしっかり試合に入る」

5月13日、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、ホストスタジアムの柏の葉公園総合競技場で三重ホンダヒート(以下、三重H)と対戦する。入替戦の第1戦で29対34と敗れたGR東葛にとっては、ディビジョン1残留のためには勝利が必要な一戦だ。

昨季のレギュラーシーズンでは1勝もできず、最下位に甘んじた。その昨季と比べて、キャプテンのレメキ ロマノ ラヴァは「チーム力は間違いなく上がっている」と言う。

「今季は3勝して、負けた試合でも良いラグビーができた試合はたくさんあった。上位チームとは60分までは良い試合ができたけど、最後の20分でチーム力の差が出たと思う。ただ、若い選手がたくさん伸びてきた。(クリスチャン・)ラウイ、(吉村)紘、(新井)望友、若手ではないけど(金井)大雪も昨季より良いプレーをした。今季は3勝だったけど、このグループをキープして、チームが成長していけばもっと強くなると思う」

もっと強くなる。

そのためにも入替戦の第2戦に勝利し、ディビジョン1に残留しなければならない。

第1戦を振り返り、レメキは「三重Hはスピードがあって良いパフォーマンスをした」と相手を称えながらも、前半29分までに20点差を付けられた自分たちの試合の入りを反省材料に挙げた。後半は圧倒したからこそ、悔やまれる前半の試合内容だった。

「いつもロケットスタートと言っているように試合の入りが大事。でも、第1戦で負けて、今週の練習ではみんなの気持ちが引き締まった。『やらなきゃいけない』という気持ちになっている。今度はキックオフからしっかり試合に入る」

そう言って第2戦へ向けて覚悟を示した。

GR東葛は、成長過程の真っ只中にある。レメキも「3年後、4年後が楽しみ」と若いチームに期待を寄せ、「2026年には、トップ4に入るチームになりたい」と笑顔で今後への展望を語った。

そんな思い描く未来を実現させるためにも、入替戦第2戦に勝利し、ディビジョン1残留を果たしたい。

(鈴木潤)


三重ホンダヒート(D2)

1年越しのリベンジへ。
予行練習も万全。準備を重ね、因縁の相手に挑む

三重ホンダヒートの小林亮太選手。セットピースについては「今回の第1戦目でもしっかりとその成長を見せられた」

三重ホンダヒートはホストゲームとして三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場で行われた入替戦第1戦に34対29で先勝し、勝ち点4を手にした。

昨季のNECグリーンロケッツ東葛との入替戦2試合に出場した小林亮太は、「今季、セットピースは『すごく成長した』と自信を持って言える部分。今回の第1戦目でもしっかりとその成長を見せられた」と手応えを口にする。

ディビジョン1のフィジカルの強さについても、「一つひとつの思い切ったコンタクトは、『さすがディビジョン1のチームだな』と思うところはありましたが、僕自身もほかの選手も(ジャパンラグビー)トップリーグ時代に経験していますし、ディビジョン2の順位決定戦からはグッと強度も上がっていたので、正直そこまでの差は感じませんでした」と胸を張る。

その上で、第1戦のあと、「点差は5点しかないし、僕らが何かを成し遂げたような気持ちになるのはやめよう。相手も『次、勝てばいい』とそんなにプレッシャーを感じていないと思うので、もう一度『絶対に勝ち切る』というマインドセットでしっかりと準備しよう」と選手間で話し合い、気持ちを引き締め直したと言う。「正しいことを積み上げる過程で、良くない部分があれば厳しく言わなければならないし、緩みを許さない、いい雰囲気があります」。

その言葉どおり、第2戦に向けた練習は、これまで以上に熱を帯びていた。紅白戦前のレギュラー組の円陣は、約2分にわたって続いた。

「いま、準備がうまくいっているのは、ノンメンバーの選手たちがしっかり僕たちに向かってプレッシャーを掛けてくれるからです。一方で僕たちも、メンバーに選ばれている以上、いいパフォーマンスをして、それを受けて立ち、叩き潰さなければいけないという役割がある。そのマインドセットの確認などを話し合っていました」

第1戦でフロントローに負傷者が出たこともあり、スクラムも入念に調整していた。

「スクラムは変更点の一つではあるので、万全の準備をして臨みたい。第2戦は、セットピースとディフェンス、ペナルティがポイントになる。しっかりと再確認して、試合の入りから相手に向かっていき、いい形のままゲームを終わらせたい。あまり先のことを考えず、目の前のプレーを全力でやり切ります」

この日の練習場には、近隣の鈴鹿サーキットからの大きなエンジン音が鳴り響いていた。

「ここはレースの音でコミュニケーションが取りづらい日があるんですよ。だから、そういうときには早めにコールを掛けるとか、迷ったらボールを持って前に行くことにフォーカスしようと話します。第2戦も歓声が大きいと思うので、いい予行練習になったかもしれないですね」

準備に準備を重ね、いざ敵地・柏の葉公園総合競技場に乗り込む。

(山田智子)

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