2023.12.16NTTリーグワン2023-24 第2節 東京SG vs BL東京-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦) 第2節 カンファレンスA
2023年12月17日(日)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 東芝ブレイブルーパス東京

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

伝統の府中ダービー。好敵手たちの再会がその歴史に新たな1ページを刻み込む

オールブラックスのキャプテン、サム・ケイン選手。「やっぱり、タックルがすごいんですよ。芯に入るタックルというか」と田中監督も期待を寄せる

開幕戦では昨季3連敗を喫したクボタスピアーズ船橋・東京ベイに快勝した東京サントリーサンゴリアス。ホスト開幕戦となる第2節の相手は、同じ府中市をホストエリアとする東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)。いきなりの「府中ダービー」だ。

2003年のトップリーグ開始以降の通算対戦成績は15勝15敗と互角。トップリーグ時代は優勝5度ずつと、まさにしのぎを削ってきた“好敵手”との戦いとなる。

“好敵手”と書いて「ライバル」と読むこともあれば、「とも」と呼びたくなることもあるだろう。今回の府中ダービーで、まさに「とも」との戦いとなるのが今季から新加入のニュージーランド代表“オールブラックス”キャプテン、サム・ケインだ。

ニュージーランド代表オールブラックスのフランカーのシャノン・フリゼルとスタンドオフのリッチー・モウンガが今季からBL東京に加入。ラグビーワールドカップ2023フランス大会でともに決勝戦まで戦った盟友たちと、グラウンドで“好敵手”として再会することになる。

「オールブラックスでは頼もしい仲間でしたし、開幕戦でも良いプレーをしていましたね。まずはリッチー(・モウンガ)をできる限り抑え込むのがベストですし、ボールを持ったときのシャノン(・フリゼル)は危険だなと感じています」

そしてもう一人、再会を果たす“好敵手”=かつての「とも」がいる。スーパーラグビー「チーフス」でチームメートだったBL東京のキャプテン、リーチ マイケルだ。

「リーチはチーフス時代、ディフェンス、アタックともに大きなインパクトを残してくれた選手です。彼のハードワーク、トレーニングや体のケアへの姿勢は、チームにいい影響を与えていました。去年のオールブラックス対日本代表の試合後もジャージー交換をしたんです。またグラウンドで会えるのは楽しみですね」

もちろん、再会を喜ぶだけでなく、倒すべき相手として立ちはだかる好敵手たち。彼らに打ち勝つ上で、サム・ケインの強さに田中澄憲監督も期待を寄せる。

「府中ダービーでは毎回、“フィジカルバトル”は避けてとおれない。その点で、サム・ケインはやっぱり、タックルがすごいんですよ。芯に入るタックルというか。われわれのバックロー陣も、彼のブレイクダウンやディフェンスからどん欲に学ぼうとしていますので、相乗効果を期待したいです」

伝統の府中ダービーで新たな因縁が生まれるのか。味の素スタジアムは激戦必至だ。

(オグマナオト)

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

目指すは選手として究極のゴール。充実の26歳が強烈なライバルにいまの自分をぶつける

開幕戦で活躍の桑山淳生選手は17日も11番で先発。「能力グラフがあればキレイな五角形になる選手になりたい。何でもできる選手になりたいです」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は17日、味の素スタジアムで東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)との「府中ダービー」に臨む。開幕節の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)戦で勝ち点5を獲得したBL東京は、強大なライバルを撃破することでさらに勢いに乗りたい。

静岡BR戦のスタメンに抜擢されたウイングの桑山淳生は前半25分にダイナミックな走りで3人のディフェンダーを抜き去り、素晴らしいトライを決めた。前半30分にはトライを決めたジョネ・ナイカブラにラストパスもとおしている。

「トライに持っていけたのは、自分の中で自信になるプレーでした。ボールキャリーとスピード、ボールを持った際の判断など、自分の強みを出せていると思います」

昨季はあごの骨折もあって4試合の出場に終わったが、今季は大事な開幕戦でインパクト十分の活躍。それでも、桑山は個人の喜びよりもチームメートへの思いを強調した。

「僕らはお互いのことをリスペクトし合っていて、その状態でみんなが競争できる良い環境にいます。全員、誰が出ても同じレベルでやれるような選手がそろっていますから」

今節、対戦する東京SGは開幕節で昨季優勝のクボタスピアーズ船橋・東京ベイに52対26で完勝。中でも松島幸太朗、尾崎晟也、チェスリン・コルビのバックスリーはグラウンドを縦横無尽に走り回り、総合力の高さを見せつけた。

強烈なライバルとの戦いを前に、桑山は「楽しみです。松島さんも(チェスリン・)コルビさんもめちゃくちゃすごいと言われているので、自分がどれぐらいできるのか、楽しみですね」と穏やかに笑った。

練習では尊敬する仲間たちと激しくぶつかり合い、オフの日には、昨年から始めたマシンピラティスで体のバランスを整える。充実のシーズンを迎えている26歳は、高い目標を掲げている。

「選手としてはスキルをずっと高め続けたいと思っています。パスもキックもランもディフェンスも。能力グラフがあればキレイな五角形になる選手になりたい。何でもできる選手になりたいです」

ラグビー選手としての究極のゴールに向かって、桑山は走り続ける。

(安実剛士)


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