2023.12.22NTTリーグワン2023-24 第2節 中国RR vs 江東BS-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第2節
2023年12月23日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ vs 清水建設江東ブルーシャークス

中国電力レッドレグリオンズ(D3)

エドワード・カークが初めて子どもたちに見せる試合
「最高の瞬間になる」

中国電力レッドレグリオンズのエドワード・カーク選手。今月から奥様が子ども3人を連れて来日中で「家族がいてくれるのは僕にとって最高の瞬間になる」

中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)は12月23日に今季の開幕を迎える。エドワード・カークは、加入3シーズン目に向けて「チームは最大限の準備をしているし、みんなが奮い立っている」とキックオフを心待ちにしている。

今季も中国RR唯一のプロ選手であるエドワード・カークは、熱いプレーで仲間を引っ張るだけではなく、社員選手中心のチームに経験を還元し、プロ意識を植え付けてきた。「選手たちは昨季より熱心にラグビーに取り組んでいて、よりプロフェッショナルになってきた。若い選手たちもチームに新たなエナジーをもたらしてくれている」とチームの成長を実感している。

そんなカークの新シーズンは特別な試合とともに幕を開ける。今月から奥様が子ども3人を連れて来日中で、この開幕戦がエドワード・カークにとって初めて自身の子どもたちの前でプレーする試合になるのだ。

「子どもたちは今まで僕のプレーを映像でしか見たことがなかったから、試合を観戦することに興奮している。僕も楽しみだし、家族がいてくれるのは僕にとって最高の瞬間になる」

第1子の長女はサンウルブズでプレーしていた2019年1月に東京で生まれたが、すぐにオーストラリアへ帰国。第2子の長男は2020年10月に生まれ、第3子の次男は今年10月に誕生したばかりだ。その間、自身の負傷離脱や新型コロナウイルスの影響もあり、プレー姿を家族に見せられる機会がないまま、ひとり異国の地で戦ってきた。

この冬、親子5人そろっての家族団らんが日本で実現した。エドワード・カークは練習場から近くの自宅を眺めつつ、「年上の子ども二人は今も家で取っ組み合いをしているだろうね。いつも二人がケンカしないように止めなきゃいけない。そういう意味では、彼らは僕に似ているね」と笑う。そんな父親ゆずりの闘志を持つ“カークジュニア”たちは、ラグビーの試合を見てフィジカルバトルを楽しんでいるという。

「子どもたちは試合前に『頑張って、みんなをやっつけてきて!』と言うんだ。たまに僕に切り傷やアザがあると、子どもたちは『誰にやられたの? 私たちがやっつけてあげようか?』と言ってくるから、僕は『落ち着いて、大丈夫だよ』って言わないといけない(笑)」

今季の初戦は清水建設江東ブルーシャークスとのホストゲーム。昨季ディビジョン2で戦った強敵が相手だが、エドワード・カークは家族の応援を受けながら闘志溢れるフィジカルバトルで立ち向かう。「僕がグラウンドで走り回って、タックルして、そしてラグビーを楽しんでいる姿を子どもたちに見せたい」。

愛する家族が見守るシーズン開幕戦。負けられない“父親カーク”がいつも以上に熱いプレーで相手をやっつける。

(湊昂大)

清水建設江東ブルーシャークス(D3)

毎試合、見に来てくれる父のためにも。「D2、D1に上がっていく姿を見せたい」

清水建設江東ブルーシャークスの尾﨑達洋選手。「お父さんには、ディビジョン2、ディビジョン1に上がっていく姿を見せたい」

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24開幕戦をブルーに染まった江東区夢の島競技場で迎えた清水建設江東ブルーシャークス。昨季はともにディビジョン2で戦った日野レッドドルフィンズを迎えての一戦は最後まで粘りを見せたものの、16-30で敗戦。今節、中国電力レッドレグリオンズとのビジターゲームで今季初勝利を目指す。

ディビジョン2から1シーズンで降格した悔しさを責任感に変えて、人一倍今季への思いを強く持つ選手がいる。開幕戦で今季のチーム初トライを決めた尾﨑達洋だ。

「初戦は難しい試合で、やりたいことがなかなか出せなかった中、トライできたことは良かった。チームで取ったトライで、自分は置くだけだった」と、チームメートへの感謝を口にした。

仁木啓裕監督新体制の下、今季からバイスキャプテンを務める尾﨑。常に強気なプレーを心掛け、周囲には前向きな声を投げ掛け続ける。今季はウエイトトレーニングの時間を増やし、昨季から4kg増に成功。当たり負けしない体を作って、プレーでも背中で引っ張る。

入社して6年目となる尾﨑は、「いまだラグビーと仕事を両立することの大変さがある中で、それ以上のやりがいを感じている。練習時間が限られているから、と言い訳はしたくない。どれだけ上にいけるかを見てほしい」と話している。

ハードな毎日の中、頑張り続けられるのは、周りの支えが大きいという。力になっているのは、会社の同僚、家族、両親の応援だ。中でも、毎試合応援に駆け付けてくれる父の存在が大きい。元ラグビー選手で、現在は少年チームのコーチをするなどラグビー愛にあふれる父の背中をずっと見てきた。幼稚園の年長のころにラグビー教室に連れて行ってもらったことがきっかけで始まったラグビー人生。そのスタートから23年が経つ。

「お父さんには、ディビジョン2、ディビジョン1に上がっていく姿を見せたい」。そんな熱い思いを抱き、一戦一戦勝ちへのこだわりを示す。ラグビーの情熱を教えてくれた父に勝利を届けられるか。尾﨑の親孝行は始まったばかりだ。

(山村耀)

ニュースの一覧へ