2024.01.12NTTリーグワン2023-24 第5節 BL東京 vs 三重H-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第5節 カンファレンスA
2024年1月14日(日)14:35 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 三重ホンダヒート

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

ついに出番到来!
勝利に向けて気合いを入れる小鍜治悠太

今シーズンは初出場となる東芝ブレイブルーパス東京の小鍜治悠太選手(右プロップ、写真中央手前)「魂のこもったプレーを見ていただきたい」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は1月14日、秩父宮ラグビー場で三重ホンダヒート(以下、三重H)と対戦する。開幕から4戦全勝のBL東京はリーグ戦で2位につけているが、トッド・ブラックアダー ヘッドコーチは「1日1日にフォーカスしています。今日を良くして、明日もさらに良くしていく」と先を見ずに、目の前に集中している。

BL東京ではプロップの小鍜治悠太が先発メンバーに名を連ね、今季5試合目にして初出場となる。昨季は14試合に先発出場し、チームの主力として活躍した25歳は、ハキハキとした口調で現状を語った。

「自分のコンディショニングが悪かったこともありますが、テル(眞壁照男)さん、山川力優さん、タウファ・ラトゥと3番の選手全員が良かったので。良いライバル関係でやれています」

チームはここまで4連勝と好調を維持。第2節では「府中ダービー」のライバル、東京サントリーサンゴリアスに26対19で勝利し、前節は昨季王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを相手に24対20で競り勝った。小鍜治はプレシーズンからチームの変化を感じていたという。

「練習の雰囲気が例年とは違うと感じていて、(松永)拓朗とも話したんですけど、何か……、感じるものがありました」

今節で対戦する三重Hは4連敗と苦しんでいるが、キアラン・クローリー新ヘッドコーチの下、南アフリカ代表でワールドカップ連覇に貢献したフランコ・モスタートを筆頭に、タフなメンバーがそろっている。

小鍜治も「どのチームにもスーパースターがいますし、いまは全チームが強いので」と笑顔を見せつつ、「フィジカルで圧倒できるように。勝ちたいです」と気合いを入れた。

低く、激しいプレーと、人懐っこい笑顔のギャップが人気の小鍜治。出場を待っていたファンへ力強いメッセージを送った。

「僕のフィジカルであったり、スクラムであったり、魂のこもったプレーを見ていただきたいと思います」

(安実剛士)

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスA)

チャンスに結果で応えた末の初先発。
植村陽彦の成長を促した二つの要因

三重ホンダヒートの植村陽彦選手は前節で初トライなどの活躍があり、今回は初の先発メンバー入り。期待のルーキーだ

ディビジョン1の壁を崩せず、いまだに勝ち点がない三重ホンダヒート(以下、三重H)。今節は秩父宮ラグビー場に乗り込んで、4戦全勝中の東芝ブレイブルーパス東京と対戦する。

けが人が多い三重Hだが、その中でも“功名”はあった。前節の静岡ブルーレヴズ戦で、筑波大学から2023年春に加入した植村陽彦がデビュー2戦目にして初トライを挙げたことだ。

7人制日本代表経験を持つ植村は、後半23分、キャプテンの古田凌からパスを受けると、華麗なステップで相手をかわし、俊足を生かして約40mを独走。「前日練習で(古田)凌さんと『僕これくらいのタイミングでいきますから』と合わせの練習をしたのがよかったです。大学以来のトライで、本当に気持ちよかった。最後はゴールポストのほうから相手の15番が来て捕まるかと思ったのですが、(トライまで)勝負し切れてよかったです」と声をはずませた。

初キャップは前々節の東京サントリーサンゴリアス戦。後半15分から入ったが、「ファーストプレーで自分のミスから相手にトライを取られてしまった。自分にとってこれ以上ない最悪のミスをしたことで緊張が解けて、その後は落ち着いてプレーできた」という。

「正直こんなに早く出られるとは思っていませんでした。1年目はチームにアクシデントがあったときに交代で出るくらいだろうと考えていたので。そのときにどれだけ良い準備をして、いいプレーを見せられるかが勝負だと思っていました。そういう意味では狙いどおりです」

巡ってきたチャンスに結果で応えた植村は、今節は初めて先発に名を連ねた。予想より早いペースで成長できたのには二つの要因があると話す。

一つは、キアラン・クローリー ヘッドコーチが自信を与えてくれたことだ。「ヘッドコーチとの1on1ミーティングで、『強みを持っているから、それをもっと出していけるように頑張ってほしい』と前向きなアドバイスをいただいたことが自信になりました。個人的にハイボールキャッチやディフェンスの練習に付き合っていただいたりもしていますし、一人ひとりに気を配っていただいています」。

そしてもう一つは、自分の役割に集中し、のびのびとプレーできていること。「大学4年生のときはチーム全体のことを見ようとし過ぎて、自分の仕事をやり切れていないところがありました。いまは先輩やゲームを組み立てるスタンドオフがチームのことを考えて、自分がプレーしやすいようにしてくれるので、気持ち的にラクにプレーできています」。

植村は茨城県出身。「三重Hの選手として初めて出場する関東での試合で応援に来てくれる人も多いので、いいプレーを見せられるように頑張りたい。気負いすぎず、若手からエナジーを出して、三重Hがチームとして成長できるように貢献したい」とさらなる活躍を誓った。

(山田智子)


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