2024.03.23NTTリーグワン2023-24 第10節 日野RD vs 江東BS-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第10節
2024年3月24日(日)13:00 太田市運動公園陸上競技場 (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs 清水建設江東ブルーシャークス

日野レッドドルフィンズ(D3)

日野RDの期待の若武者が初のフランカー起用。
期待される、“ハードなキャリー”

日野レッドドルフィンズのエイジェイ・ウルフ選手。「江東BS戦はディフェンスリーダーとしてしっかり守備を統率していきたい」

日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は3月24日(日)、群馬県・太田市運動公園陸上競技場で開催されるホストゲームで清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)と対戦する。太田市での日野RDのホストゲームは今季2試合目。江東BSとは昨年12月9日の開幕戦で対戦して以来の激突となる。

フィジカルが強く突破力のある選手を多く擁する江東BSとの再戦に向けて、日野RDは期待の若手を戦列に加えて対抗する。6番、フランカーのポジションに22歳のエイジェイ・ウルフをスタメンで起用した。

苑田右二ヘッドコーチは「前半にハードにキャリーできるランナーが仕事をして、中鹿駿や井島彰英といったさらにハードにプレーできる選手を後半に起用してゲームを支配できるようにと考えた」と、エイジェイ・ウルフをフランカーで先発起用する意図について説明する。これまでの2キャップはロックとして出場したエイジェイ・ウルフ。フランカーというポジションで日野RDの新しい攻守の形を披露することができるのか。期待は高まる。

スケールの大きなプレーが特徴のエイジェイ・ウルフだが、一方で2キャップ目となった第6節のマツダスカイアクティブズ広島戦では、先発しながら前半29分にけがによって早めの交代を余儀なくされた。

しかし、「けがをした直後から、良い状態でプレーできるようにリカバリーをしっかりすることを意識して取り組んできました」とエイジェイ・ウルフ。負傷も癒えて、万全の状態で江東BS戦に臨む。試合を2日後に控えた練習の最後には、エイジェイ・ウルフは自ら苑田ヘッドコーチに声を掛けての居残り練習。パスやセットピースの細かい動きを苑田ヘッドコーチに積極的に質問して確認するなど、江東BS戦に向けて準備に余念がない様子だった。

「江東BS戦はディフェンスリーダーとしてしっかり守備を統率していきたい。間違いなくタフなゲームになると思いますが、メンタルの準備が大事で、プレー内容、それから自分がどんな役割でプレーをするのかをしっかり理解して試合に臨みたいと思います。フランカーとしてワークレート(作業量)を上げてチームに貢献したいです」とエイジェイ・ウルフは意気込む。江東BS戦では成長した姿をグラウンドで披露してくれるはずだ。

(関谷智紀)

清水建設江東ブルーシャークス(D3)

細部にこだわってきたことで示す成長の証。
見せたい、開幕戦とは違う姿

フォワード陣を軸に清水建設江東ブルーシャークスは好調。今節もラインアウトのモールからのトライがひとつのカギになりそうだ(ボールキャリアは立川直道選手)

現在4連勝中の清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)。2週間前の前節・中国電力レッドレグリオンズ戦は前半を7対7で折り返し拮抗した展開の中、後半の立ち上がりにラインアウトからモールで押し込みトライ。その後、相手の追い上げで一時19対21とリードを許すが、試合終盤にコンラッド・バンワイクのペナルティゴールを成功させ、22対21と逆転。そのまま逃げ切った。今節は開幕戦で顔を合わせた日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)との今季二度目の試合に挑む。

第4節のマツダスカイアクティブズ広島戦ではフォワード戦で屈したことに起因する悔しい敗戦を味わった。しかし、これがチームにとって大きなターニングポイントになった。この試合から、フォワード陣のベテラン、立川直道や菅原崇聖を筆頭に、セットピースを立て直そうとチームの形を再確認。フォワードの8人が同じ方向を向いて組むこと、セカンドロー、バックロー5人の力をいかにフロントローの3人にぶつけられるか。その部分について練習や試合で、選手たちが肌で感じたことを共有しながら修正してきた。

「とにかくフロントローの3人が気持ちの面でも物理的にも当たり負けせずに引かないことを意識すること。一歩下がってしまうことで、バックスのラインが下がり、それがチームとして大きな後退になってしまう」と、今節はメンバー外になってしまったがスクラムの要人でもある菅原は“たかが一歩、されど一歩”と細部にこだわりを見せてチームにも伝えてきた。

フォワードは良くも悪くも流れを変えられるポジションだ。そのフォワード陣が修正してきた成果が4連勝という結果にも表れており、チームは好調だ。ラインアウトのモールからのトライも試合ごとに良くなり、前節の後半立ち上がりには敵陣22mのラインアウトからモールで押し込みトライに成功。今季の江東BSの戦い方を考えても、セットピースからいかにトライを取れるかどうかが今節もカギとなる。

開幕戦で敗戦を喫した日野RDを相手に、以前とは違った姿を見せられるかに注目したい。

(山村耀)


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