NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第11節
2024年3月31日(日)13:00 小田原市城山陸上競技場 (神奈川県)
清水建設江東ブルーシャークス vs マツダスカイアクティブズ広島
清水建設江東ブルーシャークス(D3)
若手選手たちのお手本となる背中の持ち主が
見せる、勝利へのゲームメーク
4連勝と好調を維持して臨んだ前節は、日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)に18対45で敗れた。その結果、日野RDのディビジョン2昇格が決まった。ただ、清水建設江東ブルーシャークスに下を向いている時間はない。D2昇格に向けて残り試合を戦うのみ。思いを一つにして、3月31日、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)との一戦に臨む。
今季3度目の顔合わせとなる両チームだが、前回対戦時、スクラムハーフとしてゲームメークを任され、トライも獲得しチームを引っ張ったケイン・ハミントンが今節も同ポジションで先発する。2022年に江東BSに加入後、自身にとって唯一のトライがこのSA広島戦だった。そんな良いイメージのある相手に今節も彼がどのようなゲームメークを見せるのか、期待が懸かる。
ケイン・ハミントンはU20ニュージーランド代表にも選ばれ、チーフスやハイランダーズなどスーパーラグビーで通算50試合以上の出場経験を持つなど、経験値の高いプレーヤーだ。
昨季、期待のルーキーとして加入した坂原春光が参考にしているのが、そのケイン・ハミントン。「パスやキックのスキルだけでなく、頭を使ったボールのさばき方、ラグビーへの関わり方も背中を見て学んでいます」とベテラン選手からルーキーも吸収するものは多い。
「メンバー争いも激しく、本当に選手たちが練習から姿勢で見せてくれているので、いろいろな選手にチャンスを与えたい」と仁木啓裕監督は毎試合、メンバーを決めることに苦労しているほどだ。
「常にエキサイティングなラグビーを目指し、ファンのみなさんに誇りに思っていただけるように頑張ります」とケイン・ハミントンは決意を示している。
4試合ぶりにホストスタジアムに戻っての一戦となるSA広島との一戦。ベテラン選手のゲームメークで再び勝利をつかめるのか。注目したい。
(山村耀)
マツダスカイアクティブズ広島(D3)
昇格のために落とせない一戦。エネルギッシュな
二人がチームに勝利へのエナジーをもたらす
今季はここまで1勝1敗。拮抗した試合を繰り広げているマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)と清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)は、2022年シーズンにD2/D3入替戦で対戦して好勝負を展開した過去がある。
5月21日にパロマ瑞穂ラグビー場で行われた入替戦第1戦。江東BSがペナルティゴールを決めて先制するも、その後はSA広島がペースを握って前半を19対8とリードして折り返した。そして後半もSA広島が先にトライを決めたが、ここから猛反撃を見せた江東BSが逆転し、先勝。勢いをつかんで臨んだ第2戦でも勝利し、ディビジョン2昇格を成し遂げた。
2022年からSA広島に在籍するテヴィン・フェリスは、あの試合をよく覚えていると言う。
「すごくタフなゲームだったよ。江東BSは日本人選手も外国人選手もすごくいい選手がそろっていて、ディフェンスがとてもよくてフィールドの中をよく動くチームだ。あの試合もお互いに得点を取り合ういいゲームだった」
あれから2年。今節もまたD2に昇格するために落とせない江東BS戦に臨むことになったテヴィン・フェリスは、「今回も間違いなくすごくタフな試合になる。彼らのアタックをどう止めるか。ディフェンスが課題になってくるが、そこに全力でチャレンジして勝ちたい」と力強く話した。
ナンバーエイトとしてチームを支えるテヴィン・フェリスは、精神的にもチームを支える熱きプレーヤーだ。「みんなにベストを尽くしてほしい。だからいつもみんなにエナジーを与えている」と言うとおりにいつもエネルギッシュなテヴィン・フェリスとともに、今節に大きなパワーをもたらしてくれそうなのが北林佑介だ。
昨年にひざを手術して今季はここまで出番がなかったが、コーチ陣はしっかりと練習に取り組む北林を見ていた。「今季はもう出番はないかもしれないと思っていたんですけど、日ごろから真面目に取り組んでいてよかった」と話すフッカーは、「特にこの試合はセットピースが大切になってくると思いますし、フォワードの8人がしっかりとまとまってプレーすることが個人的にも良いプレーにつながると思います。まずは8人でしっかり戦っていくことを意識していきたい」と意気込みを語った。
(寺田弘幸)