2024.04.11NTTリーグワン2023-24 第13節 東京SG vs 三重H-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第13節 カンファレンスA
2024年4月13日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 三重ホンダヒート

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

3年連続のゴールデンショルダーへ―。
東京SGの魂のタックラーが勝利を呼び込む

東京サントリーサンゴリアスの山本凱選手。2季連続ゴールデンショルダー受賞のディフェンスにぜひ注目を

現在、3位の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。4月13日のディビジョン1第13節は、秩父宮ラグビー場に三重ホンダヒート(以下、三重H)を迎えてのホストゲームとなる。

昨年12月の第3節で対戦した際は、東京SGが34対16で勝利。その際、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのがフランカーで出場していた山本凱だ。試合開始早々に華麗なランで先制トライを奪うとともに、得意のタックルで何度もチームを奮い立たせた。

山本凱といえば、慶應義塾大学を卒業した2022年のルーキーイヤーから、選手が選ぶベストタックラー『ゴールデンショルダー』を2季連続受賞。今季は第4節の試合中に負傷交代し、以降2カ月ほど戦列を離脱していたが、第10節で復帰し、再び勝利を呼ぶタックルを積み重ねている。

そんな若きバックローはさらなる飛躍を目指し、昨季から今季にかけて“世界最高峰”を肌で感じる刺激的な経験をいくつも重ねてきた。

一つは昨年5月、現日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが率いたドリームチーム『バーバリアンズ』の一員に選ばれ、世界選抜チームと対戦したこと。ラグビーの母国・イングランドでのプレーを尋ねると「これ以上ない経験をさせてもらいました」と感慨にふける。

もう一つは、今季から東京SGに加入した世界最高峰のバックロー、ニュージーランド代表サム・ケインとの邂逅だ。

「個人練習でジャッカルも教わりましたし、何を聞いてもフランクに接してくれます。頼もしい先生のような存在で、すごく自分の学びになっています」

今節対戦する三重Hには、現在タックル成功数でD1の1位につけるフランコ・モスタートがいる。南アフリカ代表のラグビーワールドカップ連覇に貢献したフランコ・モスタートとのタックル合戦は大きな見どころの一つだ。

今季は離脱期間があったため、タックル成功“数”でいまからフランコ・モスタートに追いつくのは至難の業。だが、選手間投票である『ゴールデンショルダー』は目指すことができる。

ジャパンラグビー リーグワン創設以降、まだ山本凱しか手にしていないこの賞を今季もつかむためにも、秩父宮で山本凱の“魂のタックル”が見たい!

(オグマナオト)

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスA)

「善戦」を「勝ち点」に変えるために。
ニューリーダーがチームに伝えていること

三重ホンダヒートの小林亮太選手。「前回対戦がどうだったかというよりも、一戦一戦新しい気持ちで臨みたい」

三重ホンダヒート(以下、三重H)のクラブハウスに到着すると、小林亮太は打ち合わせスペースでA4のコピー用紙を3枚広げ、何かを書きながら待っていた。

「お絵描きしていました」と茶化したが、今節の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)戦に向けて自分なりにスカウティングをしているところだったという。こういう真摯な姿勢が、前節の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)戦でのトライを生んだのだろう。

「静岡BR戦の前半は相手にやられ過ぎてしまったので、後半は最初から思い切り良くアタックしようと臨みました。スピードは自分の持ち味の一つなので、スピードに乗ったままボールをもらおうと走ったら、タイミングが合ってラッキーでした。個人的にもお気に入りのプレーです」とそのトライの場面を振り返り、笑顔を見せた。

今節、三重Hは第3節に16対34で敗れた東京SGとのビジターゲームに挑む。小林は前回対戦を振り返り、「ディフェンスで簡単にトライを取られてしまったところは課題ですが、大敗した開幕からの2試合と比べて、アタックの部分では一番収穫がありました。チームとして自信になった試合でした」と語る。

「前回対戦がどうだったかというよりも、一戦一戦新しい気持ちで臨みたい。我慢強くディフェンスをして、アタックでは自分たちの気持ちを前面に出して、自分たちが自信を持っている形で戦えば、どのチームにも通用するし、勝てる可能性は大いにあると思っています。新しいメンバーも入ってきているので、彼らにフレッシュな勢いをもらいながら前に進んでいきたいです」

三重Hはディビジョン1の壁に苦戦しながらも一戦一戦、着実に成長を遂げてきた。だからこそ、ここから先は、「善戦」を「勝ち点」という結果に落とし込みたい。

そのためには、「静岡BR戦のように、流れが悪い時間を致命的にしないことが重要だ」と小林。「一番改善しないといけないのは最初のプレー。『ファーストプレーで自分の一番いいプレーをしよう』と、ここ4試合はチームに伝えてきました」と話した。その4試合というのは、小林はけがで戦線離脱していた古田凌に代わりゲームキャプテンを務めた試合である。

前節のトライ、そして今季ディビジョン1で7位の成功数を誇るタックルと攻守両面で奮闘するだけでなく、リーダーシップでもチームに貢献してきたフランカーは、残り4試合、さらに大きな仕事を成し遂げる覚悟に満ちている。

(山田智子)

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