2024.04.26NTTリーグワン2023-24 第15節 トヨタV vs 横浜E-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第15節 カンファレンスB
2024年4月27日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 横浜キヤノンイーグルス

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

二つのリベンジを期して。今季初先発の
試合で自身の力を証明してみせる

トヨタヴェルブリッツの清水岳選手にとって今節は二つの意味でリベンジマッチに。その理由とは──

プレーオフトーナメント進出の可能性が消滅したトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)だが、特に若手にとっては消化試合などあろうはずがない。今季のホストラストゲームで迎えるのは横浜キヤノンイーグルス。プレーオフトーナメント出場を決めている相手を打ち負かそうと、ボルテージは高まっている。

今季初先発となる21年加入の清水岳は、「自分に与えられた役割を全力で尽くすという気持ちでいっぱい。練習でやるべきことはやってきたので、あとは自信を持ってプレーするだけですね」と実に晴れやかな表情をしていた。清水にとってこの試合は二つの意味でリベンジマッチになる。

昨季のディビジョン1第3節・リコーブラックラムズ東京戦。清水はそのシーズンで初めて先発のピッチに立った。しかし前半20分に相手との接触で右足首を脱臼骨折。全治およそ1年と診断される大けがだった。

「けがをする前よりも強くなろう」とリハビリに懸命に取り組んだ清水。元日本代表がそろうトヨタVのフロントローの競争は激しいが、今季は開幕戦からベンチ入りを続け、今回ようやく先発リストに名前が載った。「先発は試合のリズムを作らないといけないので、より気持ちが入りますね」と、まずは無念さだけで終わった前回のリベンジを果たしたい。

そしてもう一つは、今季のトヨタVのターニングポイントになった試合である。第10節・東京サントリーサンゴリアス戦、トヨタVは残り1分で逆転トライを決めて、あとは相手のキックオフをマイボールにするだけだった。しかし、それができずに相手にボールをキープされると、激しいバトルの中で清水がタックルの際にヘッドコンタクトがあったとして退場に。結果として一人少なくなったチームは大逆転負けを喫してしまった。

「さすがに落ち込みましたけど、彦坂(圭克)選手に『よっ、レッドカード』と言われたり、みんながうまくイジってくれたりしたので、心がほぐれて前を向けました」

メンタルが相当に傷ついた中で、先輩たちの優しい気遣いが心に染みた。それ以来の出場となる今節、その先輩たちに恩返しするためにも、自分の力を証明するためにも、最前線で体を張ってチームの勝利に貢献したい。

(斎藤孝一)

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

目の前の勝利だけを目指して。
「自分の仕事、役割に徹する」仕事人

今シーズン、ほとんどの試合に出場している横浜キヤノンイーグルスのロック、マシュー・フィリップ選手

現在4連勝中の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)とのビジターゲームに臨む。キックオフは4月27日(土)14:30。試合会場はパロマ瑞穂ラグビー場だ。

三菱重工相模原ダイナボアーズとの激闘から一夜明けた4月21日、プレーオフトーナメント進出を争う5位のコベルコ神戸スティーラーズがクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)に敗れたため、横浜Eの2年連続4位以上が確定した。「緊迫感を持ちながら」S東京ベイ戦をリアルタイムで視聴していたマシュー・フィリップは「2年連続のプレーオフトーナメント進出はチームの偉業」と喜びを隠さなかった。

プレーオフトーナメント進出決定から2日後、トヨタV戦に向けて準備を進めるチームは、2年連続トップ4入りの喜びに浸ることなく、集中した練習に取り組んでいた。充実した練習内容に、指揮官も手ごたえを感じていたのだろう。全体練習後の沢木敬介監督は「誰一人として人任せにしなかった。今後もこういう練習を続けていこう」と選手たちに語りかけている。

チームはまだプレーオフトーナメント進出を決めただけに過ぎず、レギュラーシーズンの順位もまだ確定していない。一つでも上の順位を、そしてその先のチャンピオンを目指して、横浜Eのチャレンジはまだ終わらない。

「いまはトヨタV戦のことしか考えていない」と話すのはマシュー・フィリップ。「4位以上に入るに値するチーム」として、リーグ戦の残り2試合を決して無駄にするつもりはない。まずは5連勝達成に向けて、マシュー・フィリップは「自分の仕事、役割に徹する」と語気を強め、こう言葉を続けた。

「ロックというポジション柄、目立つプレーは少ないかもしれませんが、スクラムやモールで泥臭いコンタクトプレーができれば、ファンのみなさんに勝利をプレゼントできると思います」

横浜E加入1年目。「フィットネスが毎週高まっている」マシュー・フィリップが、トヨタV撃破の先頭に立つ。

(郡司聡)


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