2024.05.17NTTリーグワン2023-24 プレーオフトーナメント準決勝 BL東京 vs 東京SG-見どころ

NTT ジャパンラグビー リーグワン 2023-24 プレーオフトーナメント準決勝
2024年5月19日(日)14:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 東京サントリーサンゴリアス

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

BL東京が誇る“9人目のフォワード”。
異色のSHは、大一番にも悠然と挑む

身長167cmながら予想を裏切るフィジカルの強さが武器、東芝ブレイブルーパス東京の髙橋昴平選手

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は5月19日、プレーオフトーナメント準決勝で東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)と、秩父宮ラグビー場で対戦する。同じ東京都府中市をホストエリアとするライバルとの“府中ダービー”は今季2試合が行われ、第2節は26対19、第15節は36対27でいずれもBL東京が勝利を収めている。

第15節終了後にリーチ マイケルキャプテンは3度目の対戦に向けて、「自信はもっています。ただ、東京SGさんは絶対に変えてくるので、そこは準備しないといけません。“やられたあとのサントリー”が一番怖いので」と警戒。特別なライバルとの一戦は、一瞬も見逃せないような緊張感に包まれたものになりそうだ。

強力フォワードが伝統のBL東京において、“9人目のフォワード”と評されるのがスクラムハーフの髙橋昴平だ。身長167cm、体重79kg。筋肉の鎧をまとったその体躯は力強いタックルに果敢なジャッカル、密集戦でも輝きを放つ。

フィジカル強化のために綿密な計画で鍛え上げてきたかと思いきや、髙橋は穏やかに笑う。

「ウェイトトレーニングを個人練習でやるほど意識はしていなかったのですが、なんとなく筋肉が付きやすかったのかもしれないです。いつの間にかこの体ができてしまった、という感じです」

国内屈指のフィジカル軍団の中でも、ナチュラルな強さで一目置かれる存在となった髙橋。自身の強みについては「ディフェンスとボールを持ったときの強さ」と言い切る。パスワークに重きを置く選手が多いスクラムハーフの中では、異色の存在と言えるだろう。

悲願の優勝のために負けられない準決勝となるが、21番でベンチスタートとなった髙橋の表情に気負いは感じられない。

「気持ちも体もリラックスした状態です。今週も良い練習ができて、感覚的にすごく良い。(準決勝が)楽しみです」

自然体で強くなってきた“9人目のフォワード”は、大一番にも悠然と臨む。

(安実剛士)

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

下馬評を覆すのはリーグ屈指のバックスリー。
暑い秩父宮をアタッキングラグビーで熱くさせる

東京サントリーサンゴリアスが誇るバックスリー。左から14番・右ウイングの尾﨑晟也選手、11番・左ウイングのチェスリン・コルビ選手、15番・フルバックの松島幸太朗選手

夏日の予報も出ている5月19日(日)、秩父宮ラグビー場で行われるプレーオフトーナメント準決勝。レギュラーシーズン3位の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)が2位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)に挑む構図となる。

今季は第2節と第15節で対戦し、2戦2敗と分が悪い東京SG。そんな状況だからこそ、キャプテンの堀越康介も「大方の(勝利)予想はBL東京さんだと思うので、全部ひっくり返す気持ちでやるだけ。もうワクワクしかないですね」と吹っ切れた表情で語る。

「(大方の予想を)全部ひっくり返す気持ちでやるだけ。もうワクワクしかないですね」と堀越康介キャプテン

では、「ひっくり返す」ための方策は何か。どの選手も「相手の土俵ではなく、自分たちの強みを出せる展開にもっていきたい」と口をそろえる。その強みの一つは、ランとキックを組み合わせながらボールを動かすアタッキングラグビー。カギを握るのは、リーグ屈指の破壊力を持つバックスリーだ。

11番・左ウイングには、第12節以降けがで欠場していたラグビーワールドカップ2023フランス大会で南アフリカ代表として出場したチェスリン・コルビが満を持して復帰。14番・右ウイングには、リーグ2位タイの14トライに加え、今季の『ベストラインブレイカー賞』に輝いた尾﨑晟也が陣取り、最後方で目を光らせるのは15番・フルバックの松島幸太朗だ。このバックスリーのランとキックスキルがハマれば、どんな相手にも脅威となる。

また、彼らの役目は攻撃のみにあらず。尾﨑晟也はBL東京のキーマン、リッチー・モウンガのキックパスを警戒し、「パスが来そうなところをどれだけケアできるか。イヤなポジショニングをしてプレッシャーを掛けていきたい」と攻守で走り続けることを誓う。

東京SGが最後に優勝したのはトップリーグ時代の2017-2018シーズン。当時、MVPを受賞して優勝に貢献した松島は、最後に勝つための心構えをこう語る。

「強いサンゴリアスを見せるためにも、『サンゴリアス・プライド』をもう1回打ち出していきたい。自分たちがやることがクリアになれば、強いラグビーができることを証明できるはず」

試合当日は暑くなる予報だが、「僕たちの走るラグビーは暑いほうが相手はイヤなはず。“サンゴリアス日和”になって欲しい」と堀越キャプテン。激戦必至の準決勝、秩父宮ラグビー場は暑く熱く盛り上がるはずだ。

(オグマナオト)

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