2025.03.27[釜石SW]「ペットボトルを楕円球に持ち替えて」。コリジョンにこだわるセンターがリベンジに燃える

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第10節
2025年3月29日(土)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

日本製鉄釜石シーウェイブスのトンガ モセセ選手。「この試合ではコリジョン(接点)のところで強く行く姿を見せたい」

3月29日(土)、日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)は柏の葉公園総合競技場で行われるNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)とのビジターゲームに臨む。

2連敗で迎える4週連続の試合の最後の一戦に向けて、静かな闘志を燃やすのがトンガ モセセだ。

「どちらかと言うと負けた試合のほうが長く心に残ります。どの試合も悔しいことに変わりはないけど、(ディビジョン2第2節の)GR東葛とのホストゲーム開幕戦に負けたときのことはいまでも忘れていません」

勝っても負けても気持ちを切り替えて、次戦の準備、自分たちがすべきことに集中するのは言うまでもない。それでもなお、胸に残るものがある。チームとしてもシーズン開幕戦とホストゲーム開幕戦にフォーカスしてきた。だからこそトンガは「ファンのみなさんを喜ばせることができなかった」と唇をかむ。

彼はその名が示すとおり、トンガの出身。7歳のころ、祖父に連れられて行った試合がラグビーとの最初の接点だった。体をぶつけて相手をはね飛ばす。その迫力に魅了された少年はすぐに同年代の子供らとラグビーを始めた。

「当時はラグビーボールなんてなかったので、ペットボトルに半分だけ水を入れて、それをボールの代わりにしてラグビーを楽しんでいました」

中学に入ってからクラブチームで本格的に学び始め、16歳で来日。日本航空高校石川に入学した当初はやはり言葉の壁にぶつかったが、日々の勉強と仲間とのコミュニケーションで上達し、いまでは流暢に日本語を話す。高校卒業後は天理大学に進み、日野自動車レッドドルフィンズ(当時)に入団。2023年に釜石SWに加入した。

今季は4試合に出場。唯一の先発出場となったのがGR東葛戦だったが、今回スタメンを手にしたのも同じ相手となった。

「タックルのところはチームとしてもっとやっていかなきゃいけない。僕はそこを強みにしているので、この試合ではコリジョン(接点)のところで強く行く姿を見せたい」

特長でもあるコリジョンの強さに加えて、「今季は何試合も接戦を落としている。フィニッシュのところでトライを奪い切ることができていない」と勝ち切るため、アタックの最終局面での重要性も強調した。

決して大きいとは言えない173cmの体に、ラグビー、そして勝利への強い情熱を宿すトンガ。必ずや「ホストゲームで敗れたリベンジ」を果たし、あの愛らしいスマイルで1週間後に迎える33歳の誕生日を祝うことだろう。

(髙橋拓磨)

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