NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2026年2月14日(土)14:30 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)
先週からようやくチームの練習に合流したというクボタスピアーズ船橋・東京ベイの江良颯選手。(写真は2025年2月1日 vs 相模原DB戦より)もしかすると、それは初めて覚えた感覚だったのかもしれない。
ポジションを奪われるかもしれないという焦り。自分が戻る場所が、もうそこにはないかもしれないという不安。学生時代、フッカーとして頭一つ抜けた存在であった江良颯にとって、それは未知の感覚だった。
昨シーズンは世界最高峰のフッカー、マルコム・マークスを前にして、自分の現在地を突き付けられた。そして日本代表活動で世界を経験し、自信をつかみかけた矢先。10月25日のオーストラリア代表戦で足首を痛め、今シーズン開幕直前にはハムストリングを肉離れ。ようやく「いける」と思えた瞬間に、またグラウンドから引き離された。
「やっぱりラグビーから離れるのが一番イヤでした。いいイメージでプレーできていたタイミングだったので、そこから離れてしまうことが正直つらかったです。『うわ……』という感じでした。いまのパフォーマンスを、戻ってきたときにもう一度出せるのか。その不安はありました」
代わって出場したのは福田陸人。開幕戦は試合終了直前の3分ほどしか出番がなかったものの、福田は試合を重ねるごとにプレータイムを伸ばし、チームからの信頼を勝ち取っていった。その活躍は、江良に静かな危機感を突き付けていた。
「普通に戻っただけでは試合に出られないと思っていました。陸人さんがいいパフォーマンスを続けていましたし、マルコムもいる。その中に簡単に入れるとは思っていなかったので、もう一度セレクションでアピールし直さないといけない。その思いがあったからこそ、少し焦りもありました」
傷も癒え、先週からフィールド練習に合流。「いいパフォーマンスが出せる状態にはもってこられている」と語る表情には、開幕前に感じていた“いいイメージ”が戻りつつあるという手ごたえがにじんでいた。
今節開催されるヤマハスタジアムでの静岡ブルーレヴズ戦。江良は16番でベンチに入る。復帰は、ただの帰還ではない。福田が信頼を積み重ね、マークスが君臨するその場所へ、もう一度挑み直すことを意味する。その現実を、江良は正面から受け止めている。
「正直、この試合は自分が試されていると思っています。だからこそ、しっかり信頼を勝ち取りにいかないといけない。結果で示さないといけないと思っています」
ただ、気負い過ぎることはない。悲壮感もない。抱負を問われると、彼は「ラグビーできるのが楽しみ」と表情を緩ませた。試される立場を、むしろ楽しめるところに江良の強さがある。
(藤本かずまさ)



























