NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第11節
2026年4月12日(日)12:00 駅前不動産スタジアム (佐賀県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs 日本製鉄釜石シーウェイブス
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)
戦列を離れていた時間は、決して長くはなかった。それでも、グラウンドに立てない日々は、チームと自分自身を見つめ直す時間となった。3月22日に行われたNECグリーンロケッツ東葛との第5節。その直前のトレーニング中にハムストリングスを痛めたミッチェル・ハント。大事には至らなかったが、慎重を期して欠場を選択した。
彼はその間、外からチームを見続けていた。
「結果は残念だったけど、シーズン全体でやってきたことが間違っていたとは思っていません」
積み上げてきたものがあるからこそ、わずかなズレが結果に直結する。そのもどかしさを痛感した時間でもあった。
迎える今節、九州電力キューデンヴォルテクスとの一戦は、順位争いの行方を大きく左右する。これまで勝ち切れなかった試合の積み重ねが、現在の順位(7位)につながっているからこそ、落とせないゲームだ。
それでもハントの視線は一貫している。
「特別なことをする必要はない。まずは自分の役割にフォーカスすること」
この数週間、チームが見つめ直してきたのは、ペナルティやエラー、タックルの質といった細部だった。試合を分けるのは、劇的なプレーではなく、小さな精度の差。その認識はチーム内で共有されている。
小さな精度の積み重ね。その一つひとつに向き合いフォーカスしてきたことで、今季前半戦は収穫の多い試合を続けられた。そして、その向き合い方こそが、“経験”の質を変える。
「経験とは、良いことも悪いことも、すべてから学べる力のこと」
その原点にあるのが、クルセイダーズで過ごした時間だ。オールブラックス(ニュージーランド代表)のメンバーが10人以上在籍するチーム。世界最高峰の選手たちと日常をともにする中で学んだのは、プレーの巧拙以上に、向き合い方だった。トレーニングの一つひとつ、細部へのこだわり、自らに課す基準の高さ。すべてが、成長へと直結していた。
「良いプレーも悪いプレーも、次にどうつなげるかを常に考えていました」
ただ試合を重ねるだけでは、経験にはならない。振り返り、問い直し、改善する。そのサイクルを回し続けてこそ、初めて自分の力に変わる。
だからこそ、ハントは自らに厳しくあり続ける。
「あの場面で何ができたか。次はどうすべきか。ハードにレビューする。常に自分に問い続けることが大事です」
その姿勢は、チームにも波及していく。言葉だけではなく、日々の振る舞いと準備で示す。基準を引き上げる存在として、チームに安定をもたらす役割を担う。
復帰戦は、単なる一選手の帰還ではない。チームに再び軸をもたらす機会でもある。
九州電力キューデンヴォルテクスとの今節の試合は大事な一戦となる経験とは、時間ではない。どう向き合い、どう学び、どう次へとつなげるか。その積み重ねの先にこそ、成長はある。
ミッチェル・ハントは、その答えを体現し続ける。
(髙橋拓磨)



























