NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第14節
2026年5月9日(土)13:00 サンディスクスタジアムきたかみ (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 清水建設江東ブルーシャークス
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)
日本製鉄釜石シーウェイブスの南篤志選手。「見てくれた人たちに、誇らしい気持ちになってもらえる試合をしたい」一つのクラブで10年。前節でリーグワン通算50キャップを達成し、クラブ通算100キャップも目前に迫っているのが南篤志だ。
「ここまで長く現役を続けているとは、正直思っていなかったです」
かつては、自分も30歳前後でスパイクを脱ぐのだろうと思っていた。だが、そのキャリアは決して平坦な道のりではなかった。
大きな転機となったのが、3年前の疲労骨折だった。
「もとの自分に戻れるのかな、という不安がありました。もし戻れなかったら、辞めるしかないのかなって」
思うように回復しない日々。焦りともどかしさ。その時間は、自身のラグビー人生を見つめ直す時間でもあった。
「20代のころは、とにかく量をやれば強くなれると思っていました。でも、その考え方だけじゃダメだった」
その経験を経て、南が大切にするようになった言葉がある。
“雲外蒼天”。
厚い雲の先には、青空が待っていることを意味する四字熟語は、いつしか自身のキャリアそのものを表す言葉になっていた。
そして今季、チームは再び苦しい状況に立たされている。7連敗を喫し、D2/D3入替戦へ回ることも決まった。その中でも、前節・日野レッドドルフィンズ戦の敗戦は、南の胸に強く残っている。
「正直、自分たちらしくない試合だったと思います。相手のほうが気持ちが入っていたし、それが結果にも出ていた。ファンのみなさんに見せるには、情けない内容だったと思っています」
だからこそ、レギュラーシーズン最後のホストゲームに懸ける思いは強い。
今季、チームが最も熱を放った試合の一つが、東日本大震災復興祈念試合となった第7節・花園近鉄ライナーズ戦だった。当時、首位を走る強豪を相手に、魂をぶつけるように戦い抜き、勝利。試合後、南は思わず涙を流した。
「社会人になってから、勝って泣いたことってほとんどなかったんです。でも、あの試合は自然と涙が出ました」
かつて大敗を喫してきた相手を倒した歓喜。復興祈念試合という特別な舞台。そして、どんな状況でも戦い続けてきた時間。そのすべてが重なった涙だった。
心を一つにできたとき、このチームはどんな相手にも立ち向かえる。そんな自負がある。だからこそ、最終節でも求めるのは結果だけではない。
「見てくれた人たちに、誇らしい気持ちになってもらえる試合をしたい」
厚い雲の先に、青空は必ず広がっている。最終節は、その青空へ踏み出すための80分になる。
(髙橋拓磨)



























