NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第1戦
2026年5月23日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ
三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)
第18節・浦安D-Rocks戦、後半4分。セル ホゼのラインブレイクを起点にボールが外へ展開されると、ブラッド・ウェバーからのパスを受けたマット・ヴァエガが一瞬の判断で内へ切り込んだ。
「ああいう動きは事前に予測しているわけではなく、本当に一瞬の判断です」
外に味方を残しながらも、ディフェンスの重なりを見て鋭く内を選択。ステップで一人をかわすと、さらに二人のタックルを受けながら前進する。コンタクトの勢いさえ利用するように数mをねじ込み、トライラインにボールを置いた。攻撃センスと技術、そしてフィジカルがかみ合った象徴的な一撃だった。
今季のヴァエガは、チーム内での役割を明確に変えた。従来のセンター主体からウイングへと主戦場を移し、フィニッシャーに特化。ラインブレイクの最終局面に顔を出し続けるサポート力と、限られたスペースを攻略するフットワークを武器にトライを量産した。タッチライン際のプレーでも反復練習を重ね、細部の精度を向上。単なるスピード型の外側プレーヤーではなく、状況判断と準備によって得点を最大化する“戦術型ウイング”へと進化を遂げたシーズンだった。
その結果として積み上げた15トライは、ディビジョン1で2位。とりわけ、チームが12位と苦しむ中でこの成績を残した点は見逃せない。ヴァエガは限られたチャンスを確実に得点へと結びつけ、リーグ屈指の決定力を証明した。「チームがチャンスをくれているだけ」と語る姿勢は謙虚だが、その背景には卓越した遂行力がある。
D1/D2入替戦を前に、キーワードに挙げるのは「規律と遂行」だ。
「チームのゲームプランに対して規律を守り続けることです。遂行すべきフォーカスポイントをやり切り、相手にしっかりプレッシャーを掛けることができれば、ポジティブな結果につながるはずです」
豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とは2023-24シーズンのD1/D2入替戦でも対戦。同じ相手と連続して戦う状況については、こう語る。
「まずは、自分たちが1年をとおして高いレベルでプレーしてきたという自信をもつことです。ディビジョン1での戦いは、以前の私たちよりもレベルを引き上げてくれました。その自覚をもち、今週末の試合にぶつけることができれば、相手を圧倒できるはずです」
チームの中での役割を理解し、規律を重んじながらも、決定的な瞬間には直感と技術で勝負を決める。その存在は、まさに『勝利を引き寄せる装置』だ。S愛知との入替戦でも、彼の一瞬の判断が試合の流れを大きく左右する可能性は高い。
(宮本隆介)




























