NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 11位 vs D2 2位]第1戦
2026年5月23日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 浦安D-Rocks
清水建設江東ブルーシャークス(D2)
リザーブメンバーに選ばれた清水建設江東ブルーシャークスの河村ノエル選手。出場すれば初キャップとなる「言葉を選ばずに表現すると、“一発屋”みたいな感じで起用されたのかなって」
帝京大学からアーリーエントリーで加入した河村ノエル。D1/D2入替戦という大一番の1戦目で、ファーストキャップを飾る可能性が高まった。
メンバー発表で名前を呼ばれたときのことを、「まったく想像していなかったです。驚きました」と素直に振り返る一方で、起用を喜び切れない実直な彼らしい思いもある。
「入替戦だから、メンバーに入ったのかなって。自分が一つ秀でているタックルに期待されて選ばれたのかと」
言葉を選ばずに言えば、若手としての勢いや特定のスキルに期待した“一発屋”的な起用なのかもしれない。河村はそう受け止めていた。
「でも、それって“本当の信頼”ではないじゃないですか」
意図はどうあれ、巡ってきたチャンスには全力で応えなければならない。河村は、謙虚にその重みを感じている。
「同じポジションに、松土(治樹)さんとか、銀さん(長谷銀次朗)とか、バックローなら(髙橋)広大さんとか、このチームでずっとグラウンドに立って努力してきたメンバーがいます。その人たちが着ていたジャージーを着るということで、『ちゃんとやらなあかん』という責任も感じています」
先輩たちの背中をとおしてルーキーが見ているのは、ラグビーだけではない。日中は仕事に向き合い、そのあとにグラウンドで体を張る社会人ラガーマンとしての姿だ。フルタイム勤務とラグビーを両立し続ける先輩たちの姿。自身も4月から社会に飛び込み、そのすごみを理解しているからこそ、このジャージーの重みを“責任”として受け取ることができるのだ。
仁木啓裕監督兼チームディレクターは、そんな河村を評価している。「前回の練習試合で非常に良いパフォーマンスを見せ、自らチャンスをつかみ取って今回の起用につなげた選手です」。河村の日々の姿勢から地道に積み上げてきたことや「仕事とラグビーの両立」に向き合う覚悟を感じてきた。D1/D2入替戦という大舞台だからこそ、若手を起用する意味、そして彼らがチームの未来をつかんでいく価値は大きい。
確かな努力でつかんだチャンス。「やらなあかん」ことはシンプルだ。「たぶん、チームがしんどい時間帯に出場することになると思うんですけど、そこで誰よりも動いてタックルする。それだけは絶対にやろうと思っています」。華やかな言葉はない。だが、そんな一言にすらも河村らしさがにじみ出ている。
今後のプレーヤー像も実に彼らしいものだった。「チームのスタッフや、メンバー全員から信頼される人間になる。それが自分のなりたい姿。そこを目指して頑張ります」。そして、それを実現するための方法もわきまえている。「グラウンドで体を張ることと日々のトレーニング。本当に小さなことなんですけど、グラウンドに出てからのウォーミングアップの一つひとつに丁寧に向き合うところからです」。小さなことを繰り返した先にしか本当の信頼がないと知っている。
今回のD1/D2入替戦では、大阪に住む両親も初めて江東区夢の島競技場に訪れるという。これまでの感謝と、これからの自分の姿を示したい。
若きフランカーはいま、“本当の信頼”を証明する舞台へ立とうとしている。
(奥田明日美)




























