2026.05.22[記録が紡ぐ ジャパンラグビーリーグワン #9]プレーオフ得点トライランク

(文:大友信彦)

「プレーオフは一発勝負。その日に強ければいい」
5月14日に行われたプレーオフトーナメントカンファレンスでそう言ったのは、3連覇の偉業に挑むBL東京のリーチ マイケル主将だった。年間タイトルをかけたプレーオフトーナメント。現在のリーグワンのトーナメントルールでは、たとえば引き分け時にレギュラーシーズンの勝点が適用される等の規定はない。プレーオフトーナメントカンファレンスでリーチをはじめ、出場6チームのキャプテンたちが「プレーオフは一発勝負」と口を揃えた所以だ。

いよいよ始まるNTTジャパンラグビー リーグワン2025-26プレーオフトーナメント。
野球など他のスポーツでもよく言われることだが、プレーオフなど一発勝負で活躍する選手がいる。「お祭り男」とか、メジャーリーグではワールドシリーズの季節に合わせて「ミスターオクトーバー」と呼んだりする。ジャパンラグビー トップリーグ時代はプレーオフMVPを2度にわたって受賞した東芝(当時)の立川剛士(マイクロソフトカップのMVPを含む)、3度にわたって受賞した三洋電機/パナソニックの山田章仁(今季九州KV)が代表的存在だ。

ではリーグワンになって以降、プレーオフトーナメントで活躍している選手はだれだろう?
リーグワンでは「プレーオフトーナメントMVP」を選出していない。準決勝、決勝でも各試合でレギュラーシーズンと同様にPOTM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)を表彰している。そこでプレーオフのPOTM一覧を作ってみた。

昨季までのプレーオフ18試合でPOTM最多受賞は松田力也とリッチー・モウンガの各2回。モウンガは昨年の準決勝・決勝でともにPOTMを受賞した。

東芝ブレイブルーパス東京のリッチー・モウンガ選手。日本でのプレーをしめくくるプレーオフで、どんなパフォーマンスを見せてくれるか

ひとつの目安として、プレーオフに限った得点ランキングを作ってみた。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのバーナード・フォーリー選手

ここまでの4シーズン、プレーオフの通算得点王となったのはバーナード・フォーリー(S東京ベイ)だった。2023-24シーズンを除く3シーズンにわたってプレーオフ7試合を戦い、1T10G12PGの61得点をあげてきた。キックの安定感もさることながら、狙えるチャンスにはしっかりショットして3点を稼いでいく、プレーオフらしい戦い方が身についているのが大きい。

19点差の42点で2位につけるのは松田力也。埼玉WK時代、22シーズンはレギュラーシーズン最終戦で負傷しプレーオフは欠場したが、翌2022-23、2023-24の2シーズンで6G9PG1Dの計42点をあげた。

その松田を1点差で追うのは41点のリッチー・モウンガだ。松田の所属するトヨタVは今季、プレーオフを逃しており、モウンガが1点差を逆転するのは濃厚だが、フォーリーとの差は20点。準々決勝ではトイメン10番で直接対決が実現しそうだが、20点差の逆転はさすがに難しいか? とはいえ、BL東京がリーグ戦6位から逆転Vを達成するとしたらモウンガの大爆発が不可欠だ(その場合はフォーリーは初戦で消えている…)。いずれにせよ、今季で退団を発表したフォーリーとモウンガ、リーグワンを盛り上げた2人の名司令塔の直接対決。PK時のチョイスなどの判断、チームを鼓舞するリーダーぶりも含めて、世界屈指の司令塔の競演を楽しみたい。

得点4位には東京SGで2022の1シーズンのみ在籍したダミアン・マッケンジーが食い込んでいる。1年のみの出場ながら3G7PGの27得点。これは翌年の松田力也と並び、これまでの単一年度のプレーオフ個人最多得点記録となっている。

なおプレーオフの1試合最多得点は埼玉WK松田力也が2022-23シーズン準決勝の横浜E戦で記録した24点(3G5PG1D)。決勝に限るとリッチー・モウンガが昨季(2024-25シーズン)決勝のS東京ベイ戦であげた13点(1T1G2PG)が最多。なおトップリーグ時代のプレーオフ1試合最多得点は、2013-2014シーズン、パナソニックSOべリック・バーンズがサントリーとの決勝であげた30点(3G8PG)だ。

埼玉パナソニックワイルドナイツのマリカ・コロインベテ選手

リーグワンプレーオフの通算記録に戻ると、最多トライは埼玉WKのマリカ・コロインベテと横浜Eの松井千士が5Tで並んだ。

コロインベテは4シーズンのうち3シーズンのプレーオフでトライを決めている。埼玉WKは東京SGとともにプレーオフに4年連続で出場しているリーグワンの顔だが、その中でもコロインベテはミスタープレーオフの一番手と言えそうだ。松井はプレーオフ進出が2度ながらしっかりトライを取りきっているのは流石。コロインベテは2022-23の準決勝・横浜戦で、松井は2023-24の3位決定戦・東京SG戦で、それぞれ3Tのハットトリックを決めている。今季は松井の横浜Eがプレーオフ進出を逃しており、コロインベテは単独トップに立つチャンスだ。

一発勝負だけに手堅い戦い方に傾きがちなプレーオフでは、普段のリーグ戦とは違うチョイスも生まれがち。それだけに、個人の記録・スタッツもリーグ戦とは違う傾向が出るかもしれないが、一方で「同じ気持ちで自チームのスタイルを貫く」という抱負もよく聞かれる。もちろん選手は個人記録のことなど何も考えずに戦うだろう。そして激闘を終えたとき、各チーム・各選手がどんな記録を残しているか――ファンにとってはそれもプレーオフの隠れた見どころだ。

見どころ・試合レポート一覧

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