2022.04.29NTTリーグワン 2022 D1 第14節レポート(静岡BR 15-18 トヨタV)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第14節 カンファレンスB
2022年4月23日(土) 17:00 エコパスタジアム (静岡県)
 静岡ブルーレヴズ 15-18 トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツのサイモン・クロン ヘッドコーチ(左)、姫野和樹 共同キャプテン

トヨタヴェルブリッツ
サイモン・クロン ヘッドコーチ

「前半は全体的に非常にスローで緩慢な動きでした。チームとしてもセットのスピードが遅く、ボールを持っていないときのワークがかなり遅かったと思います。ポジションにあまりうまく入っていなかったり、ラックに到達するまでに遅く、アタックに関しても深さを活かして進めることができませんでした。ハーフタイムに修正点を全員にクリアに伝えることができ、それが後半に反映されたと思います。テンポをコントロールでき、アタックのテンポを上げ、この結果につながりました。修正プロセスについてはまだ研鑽されるが、最後まで戦い続けたことが非常に良かったです。試合全体については、非常にスローな試合であり、長く感じました。そういったところは全員のメンタリティーが表れたと思っています」

──いつもの試合よりサインを使ったオプションが多かったと思うが、チームとして話し合ったのか。

「シーズンの中で、これまでに積み上げてきたプレーを披露する段階であったと思います。静岡戦に向けてプレーしたものもいくつかありました。中にはタイミングが合わなかったものもあったので次節に向けて修正していきたいです」

トヨタヴェルブリッツ
姫野和樹 共同キャプテン

「勝てたことにすごく満足しており、自分たちにとって良い財産になりました。先日Bチームが静岡に対して素晴らしい試合をしてくれ、これがトヨタのラグビーだということのメッセージを受け取り、その気持ちをもらって勝つことができ、すごく大きな財産になると思っています。また、この勝利は自分たちの自信になる勝利になりました。もちろんゲーム内容はパーフェクトではなく、静岡のペースに合わせてしまい改善の余地はありますが、今回の勝利はチームにとって良い財産になりました」

──セットで劣勢で追いかける展開だったが、勝利の要因は何か。気持ち以外の部分で、スキルの部分でどういうところが勝てたのか。

「後半の明確なアドバイスでやらないといけないことを伝えてもらったところが大きかったです。前半は静岡のペースにのまれてしまい、スローなテンポに合わせてしまいましたが、後半は自分たちの速いラグビーをするということを意識したことが一番のポイントでした」

──今日はタフなゲームだったと思うが、勝ち抜けた意味はどんなところか。

「後半に自分たちのラグビーができ、勝ち切れたことが自信につながりましたし、自分たちが成長できるということを示すことができたことがチームとして大きいと思います」

──落ち着いていこうというような声掛けが見られたが。

「常にメッセージを伝えようとしていましたが、多くて2つのメッセージを伝えました。あまり多いとチームに浸透しないので、自分がやってほしいことを意識して、相手に伝わるように声掛けました」

トヨタヴェルブリッツの木津悠輔選手(左)、福田健太選手

トヨタヴェルブリッツ
木津悠輔選手

「勝利できたことをうれしく思います。フォワード戦が激しくなると思い準備してきました。FW戦にこだわって静岡と戦うことができ、また一歩トヨタのFWの引き出しが増え、これからにつながる勝利だったと思います」

──静岡はスクラムにこだわっているチームだが、実際に組んでみて感触はどうだったか。

「静岡はスクラムに強みがあるチームであり、実際組んでみてその強みを感じたが、そこでやられないように80分間メンバーが変わってもプッシュし続け、勝ちにつなげられたことがよかったです」

トヨタヴェルブリッツ
福田健太選手(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)

「素晴らしいグラウンドで試合ができた事を嬉しく思います。静岡のプレッシャーがあり、前半は攻撃しにくそうな試合であったので、自分が後半に入ったらテンポアップしようとイメージしていて、それが勝ちにつながってよかったです」

──勝利を決めたトライはオフサイドにならないように意識していたのか。

「前半にずっと、静岡のラインアウトからのデリバリーのところでチャンスがあればいけると思っていました。70分過ぎで流れが欲しかったので勝負をしようと思いつつ、オフサイドしないように心掛けていたのでよい結果につながりました。前半にイメージを持っていたので後半のあの場面で出せたと思います」

静岡ブルーレヴズの堀川隆延監督(左)、大戸裕矢キャプテン

静岡ブルーレヴズ
堀川隆延監督

「我々は『人に感動を与える』ということをミッションに掲げていますが、今日のゲーム内容に関しては、もちろん選手は一生懸命頑張っていますが、応援してくれている方たちに本当に申し訳ない結果だったと思います。
前半はFWが自分たちの強みを生かして、セットプレーでプレッシャーをかけ、いい前半を過ごしましたが、後半はプレーの選択の問題もあり、この点はリーダー、コーチたちとしっかり話をして、後悔のない選択ができるようもう一度しっかりと詰めたいと思います。ただ、チャンスで取り切れないというより、チャンスを活かさないプレー、チームのためにプレーできない場面もいくつかありましたので、しっかり追及して、勝つために必要なことを選手たちと準備していきたいと思います」

──後半は選手の交代なども含め、隙ができてしまったのか。

「リザーブのメンバーのインパクトの面で、今週は選手同士で先週の課題をどうやってインパクトメンバーで出すのか話をさせました。短い時間でしたが、彼らなりに一生懸命考えてこのゲームに臨みました。隙があったわけではないと思います。実際にあの時間帯で、詰め寄られて、隙を作るというよりは彼らはフィールドの中で一生懸命だったと思いますし、彼らに対しては、我々はどういうサポートができるかを考えないといけないと思っています。
70分過ぎていましたので、元気な選手を投入するということが、我々の考えでありましたし、80分通してのゲームだと思いますので、このような会話にならない展開にしたいと思います。落ち込んでいる選手もいると思いますが、これも次へのステップとして、どう成長していくかが大事だと思います」

──次節以降の戦い方について。

「確かなチームの成長の手応えは間違いなくあります。我々はセットピースのディフェンスから流れを掴んでいくというように、前半の捉え方は非常に本当に素晴らしい展開が続いていると思います。後半、逆転される試合が数試合続いており、そこに対していろいろな工夫を入れたりしていますが、やはり80分通したゲームコントロールというところが、我々の今のこのチームの足らない部分だと思いますし、しっかり選手たちと詰め、もう少し上手にラグビーができるように、リーダーたちと話していきたいです。選手たちは一生懸命取り組んでくれていますし、あとはナレッジの部分や、ゲームコントロールというところをもっと深く選手と話していきたいと思います」

静岡ブルーレヴズ
大戸裕矢キャプテン

「本日は、試合開催にあたって、尽力してくださった関係者の皆様、本当にありがとうございます。
試合内容は、取り切れるところで取れなかったと言ってしまえば終わってしまいますが、自分たちのスタイル、特にFWのところではかなり勝っていたという感触はあり、そこでもっとスコアしておきたかったというところもありましたが、スコア一歩手前のところで惜しくも取り切れなかった場面が何回かあり、自分たちの軸となるFWでスコアするというところはまだまだ伸びしろがあると思います。そこを伸ばして、しっかり改善しながら、あと2試合、下を向いている暇もないと思いますので、しっかりみんなでチーム一丸となって、次節に向けて頑張っていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました」

──後半20分過ぎ、ペナルティを獲得した後のプレーの選択について。

「どちらも手応えは良かったですが、ペナルティが重なっていたので、モールで取り切りたかったですが、判断が難しかったです。どちらでも取れるという感じはありました。結果取れなかったので、判断ミスかもしれません。組めばいけるという感触はありました。
相手は大きいので上からくるのですが、そのような選手にも負けずにトライラインを越えていく力というのはまだ伸びるかなと思います」

──次節以降の戦い方について。

「試合をしている中でも自分たちは成長していると明らかに感じるところはあります。とはいえ、80分それができているかと言われたら、まだまだ足りないところがたくさんあり、前半いい形で折り返しても、もちろん相手もいろいろ変えてくるので、そのようなところがまだ足りないところかと感じています。
ナレッジという点では、相手1人のプレーの特徴だったり、そのチーム自体の特徴であったり、その部分で上回っていかないと、チームとして相手より一つ上に立てないと感じています。今シーズン通して、いろいろ勉強させてもらっていますが、上位チームと戦っていく中で、まだまだ僕たちが足りないところは伸びしろかと思っています」

静岡ブルーレヴズの日野剛志選手(右)、矢富洋則選手

静岡ブルーレヴズ
日野剛志選手

「ホストゲーム、今シーズン最後のエコパスタジアムということでチームとして何としても勝ちたい試合であり、東海ダービーということで、先週の負けから成長して、どうにか勝てるようにとチーム一丸となって準備してきましたが、プラン通りに進められたところと、勝負所で、各々が心の中でやってしまったなと、80分間を通して遂行できなかったなというところが、何人も心当たりがある試合なのかなと思います。少し後味の悪い試合にはなってしまいました。僕自身も思い当たる節もありますし、先週もそうですが、前半リードしても後半逆転されてしまう、そこがチームの総合力が試されているところかと思います。よくはなってきていますが、勝ち切れないというチームの現状を表わした試合だったと思いますので、残り2試合、どう自分たちが成長できるのかというのが試されており、また来週に向けて頑張っていきたいと思っています」

──後半はどのように臨んだのか。

「先週も同じような形だったので、特に後半の入りのところで失点しないよう、受け身にならないよう、チームとして意思統一して、0-0のように気持ちをリセットして、40分チャレンジし続けようというマインドセットでチームとして臨みました。
相手はどんどん速くプレーしたいという感じでしたが、あくまでも自分たちのペースで進めようと、逆転されるまでは基本的に自分たちのペースで進められたかなと思います。ただ、要所でミスが出て、相手に流れを渡してしまった、相手に点を挙げられてしまったという、取られ方があまりよくなかったです。どれだけ終盤まで自分たちのいいペースで我慢しても、自分たちはディフェンスのチームだと思いますので、一つのミスや、一つの流れが変わった時に我慢しないと、力のあるチームとやる時には今回のような展開になると思いました」

静岡ブルーレヴズ
矢富洋則選手

「勝負所でしっかり取り切れなかったというところと、チャンスをものにできなかったというところが今回の試合の分かれ目かなと思いました。チームとして負けが続いて、勝てた試合をこのように落としてしまったというのは今のチームの現状として捉えるべきだと思います。
その反面、自分たちで自信を持てるところはしっかり現れていると思うので、残り2試合ですが、しっかり全部勝ちにいって、応援してくれる人や自分たちにとっても実りのある試合にしていきたいと思います」

──後半はどのように臨んだのか。

「相手にシンビンも出ていたので、回せるところはチャレンジしていこうと話はしていて、その中でエリアをしっかりとっていこうという点は前半と同じゲームプランでやっていました。その時間帯にチャンスで取り切れなかったというところが後半のスタートが悪かったなと思いました」

──トライシーンを振り返って。

「アドバンテージが出ていたので、ボールに触りたくて、グリーン選手に右に蹴ってくれとアピールしました。キックキャッチは堀川監督にも指導していただき、練習してきたので、チャレンジしたら、いい形で相手と競り合い、こぼれたボールがたまたま自分のところに来たので、いい形でチャレンジできたなと思います」

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