リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスA)

『黒羊の祭典』で見せるのは、ラムズらしさ

いよいよ幕を開けるNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23。リコーブラックラムズ東京は、12月17日12時キックオフのオープニングゲームに臨む。相手は今季からディビジョン1に昇格した三菱重工相模原ダイナボアーズ。聖地・秩父宮ラグビー場で迎え撃つ。

二季連続でチームの大黒柱を託された武井日向キャプテンは「ワクワクしています」と高揚感をにじませる。今週最初のチームミーティングでは、あらためて「相手ではない。自分たちにフォーカスを当てて、自分たちがやるべきことをやろう。そのために1週間、正しい準備をしよう」と仲間に心構えを問うた。

今季、チームが突き詰めていることがある。

それは『ブラックラムズらしさ』。

クラブハウスの至るところにチームのDNAをかたどるキーワードが散りばめられており、日常的に目に触れる仕掛けがなされている。その言葉一つひとつについて、チームメートと深く話し込んだのがこの秋に行われた沖縄合宿だった。「あそこまで腹を割って話したことがなかった。本当に思っていることを共有した場になった」と、チームとして“セイムページ”を開くことができたターニングポイントを武井キャプテンは振り返る。

いよいよ『ブラックラムズらしさ』のお披露目となるオープニングゲーム、掲げたテーマは『DNAバトル』だ。自分たちが突き詰めてきたことを表現し、相手よりも泥臭いプレーができるかどうか。シーズン初戦、やはり矢印は自分たちに向いており、武井は「ブラックラムズを率いるキャプテンとして、泥臭さを体現し続けることが僕の今シーズンのテーマ」と、自らの行動でチームのスタンダードレベルを上げる闘志を燃やす。

今季のホストゲーム、リコーブラックラムズ東京はクラブとしても毎試合異なるコンセプトを設ける。

開幕戦のテーマは『黒羊の祭典』だ。

“ラグビーへの敷居を低くし、誰でも気軽に入りやすいように”との願いが込められた。黒いアイテムを身に着けた来場者には、開幕戦限定デザインの応援フラッグがプレゼントされる。ぜひ『真黒(シンクロ)』して、開幕戦の勝利を見届けてほしい。

(原田友莉子)

開幕に向けて「ワクワクしています」(武井日向キャプテン)
新しい歴史をつくることができるか


三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

D1初戦。スタメンに入った4人の新戦力に注目

ディビジョン1初挑戦の三菱重工相模原ダイナボアーズは「私たちの新たな歴史をつくる」(グレン・ディレーニーヘッドコーチ)ための第一歩を踏み出す。

9月には、開幕戦と同カードとなるリコーブラックラムズ東京との練習試合を行った。12対24で敗れたものの、フィジカルの部分では互角に戦い、高強度トレーニングの成果が垣間見えた。それから3カ月、プレシーズン最後の練習試合でグレン・ディレーニーヘッドコーチは「チームはディフェンス力に磨きを掛け、ハードワークとプレーの正確さを身に付けた」と自信を見せ、「どんなチームで戦うのか、自分たちのルーツを知ることによって、試合で100%の力を出せる。そのことを新しい選手を含めて一人ひとりに教えることができた」と精神面での成長も口にした。

開幕戦を2日後に控えた取材時に、チームの雰囲気に手ごたえを感じていたのは鶴谷昌隆バイスキャプテン。「素晴らしいプレシーズンを通して、チームに一体感が生まれた。雰囲気はとてもいい。対戦相手の対策をディテールに落とし込む練習をしているが、分からないことはコーチに確認したり、選手で共有したりしている」。その上で、このように意気込みを語った。

「フィジカルが強いブラックラムズに対し、逆にこちらがフィジカルで圧倒できればいい結果が得られる。自信を持ってアタックしていく。チームにとって、リーグワンディビジョン1最初の試合。しっかり準備し、自分たちのラグビーを見せることでファンを楽しませたい」

岩村昂太キャプテンも「フォワードとバックスが一体となってアタックする」と語るラグビーが、どのように具現化されるか。岩村とヘンリー ブラッキンのハーフ団で臨む開幕戦。登録メンバーにオーストラリア代表59キャップのマット・トゥームアは入らなかったが、元オーストラリア代表のカーティス・ロナに加え、ともにコベルコ神戸スティーラーズから加入した韓尊文と落合知之、東京オリンピックに出場した7人制日本代表のヘンリーら新加入選手が顔をそろえた。彼らがチームに融合してもたらすパワーにも注目したい。

(宮本隆介)

鶴谷昌隆バイスキャプテン
岩村昂太キャプテン

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