コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスB)
山中亮平が迎える記念の“100”。節目でつかみたい宿敵撃破と今季初勝利
コベルコ神戸スティーラーズのホストゲーム開幕戦は、花園近鉄ライナーズとの“関西ダービー”。キックオフは12月24日13時。神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で宿敵撃破に挑む。
コベルコ神戸スティーラーズが誇る日本代表フルバックが、チームの今季初勝利に燃えている。
今秋実施されたJAPAN XV、日本代表のいずれの試合にも先発出場し、世界を相手にハードワークを続けてきた山中亮平。今季のジャパンラグビー リーグワン開幕戦となった18日の横浜キヤノンイーグルス戦にも疲れを見せることなくフル出場し、惜敗したものの最後までチームを最後尾から盛り立てていた。
「大事なところでのミスが多かった。ディフェンスのところもそうだし、課題はすごく明確。やりたいことができているところもあれば、やらないといけないこともたくさんある」
そう試合を振り返った山中。コベルコ神戸スティーラーズでキャリアを積み、日本代表キャップは27を数える。多くの経験値を積み上げてきた男からは、目先の結果に一喜一憂せず、冷静に物事を捉える勝負師のメンタリティーが漂う。
今節出場すれば、リーグ戦やカップ戦などを含めたコベルコ神戸スティーラーズでの通算100キャップに到達するが、「節目でうれしいことですけど、そんなに気にせずやっていこうかな」と泰然自若。その上で、「ホームでできるのは良い。クリスマスやし、みんなが僕のために頑張ってくれるでしょう(笑)」とも語り、楽しそうな笑みにチームメートとの信頼関係をのぞかせた。
出場記録、クリスマスイブ、ホストゲーム開幕戦、そして、“関西ダービー”とさまざまなシチュエーションが重なる注目度の高い一戦。勝利に照準を合わせる山中は矢印を自分たちに向ける。
「準備したことをやっていくだけですね。開幕戦に負けてしまっているので、しっかり次の試合は結果を残したい。迎え撃つというよりも自分たちのやるべきことをしっかり出さないといけない。やりたいことをやって勝ちたい」
コベルコ神戸スティーラーズの信条はアタッキングラグビーだ。百戦錬磨のフルバックは、最後尾からチームを前へ押し出していく。
(小野慶太)
花園近鉄ライナーズ(D1 カンファレンスB)
元スコットランド代表ベン・トゥーリス、関西ダービーでリーグワンデビューへ
開幕戦でNECグリーンロケッツ東葛に競り負けた花園近鉄ライナーズが、コベルコ神戸スティーラーズとの“関西ダービー”に挑む。
「神戸が日本では一番歴史があって、うちが2番目。関西の伝統と歴史のあるチーム同士の対戦で、楽しいラグビーをお見せしたい」と水間良武ヘッドコーチが話したように、日本ラグビー界の草分け的存在でもある両雄は、5年ぶりにトップディビジョンで火花を散らすことになる。
ディビジョン1昇格後初勝利を手にしたい花園近鉄ライナーズで、デビューを待ちわびている世界的プレーヤーがいる。
負傷で開幕戦を欠場したロックのベン・トゥーリスだ。水間HCは「出ますよ、スタートで。80分行かせます」と期待感を込めた言葉を口にした。
今季に向けてチームに加入したベン・トゥーリスは元スコットランド代表で、2019年のラグビーワールドカップにも出場。201cm・119kgの巨躯は練習中からも際立った存在感を見せており、試合で世界レベルのプレーを見せてくれるはずだ。
プレシーズンマッチでもその実力の一端は見せたベン・トゥーリスだが、ディビジョン1デビューはやはり、特別な試合になる。「ここ数年はケガで苦しんでいましたけど、コンディションもいい。チームメートとやっと一緒に戦える。正式な公式戦のデビューになるし、歴史のあるクラブの一員として試合に出られることも楽しみです」。
11月19日に行われた練習試合では前半終了時点で21対19とリードしながらも、後半はコベルコ神戸スティーラーズに逆転を許し、38対52で苦杯をなめている。
この試合でも約20分プレーしたベン・トゥーリスは「相手がどのように戦って来るかは分かっています。前回の試合では修正できなかった部分に関しては、ディフェンスをもう少し頑張って、簡単なトライを与えないようにしたい」と気合十分だ。
いよいよ本格的にベールを脱ぐ期待の新戦力。「ビッグタックルをして皆のモチベーションを上げられるようなプレーをしたい」という言葉が実に頼もしい。
(下薗昌記)