東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)
アーロン・クルーデン、いよいよ出陣。
世界レベルのハーフバックス対決を見逃すな
東京サントリーサンゴリアスの新年初戦となる1月7日、味の素スタジアムに横浜キヤノンイーグルスを迎えてのNTT ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン1第3節は、待ちに待った「世界を知る男」の初陣だ。コベルコ神戸スティーラーズから移籍加入したアーロン・クルーデンが東京サントリーサンゴリアスの一員としてついにデビューを迎える。
ニュージーランド代表「オールブラックス」で50キャップを誇る、まさに世界レベルのスタンドオフであるアーロン・クルーデン。その華やかな経歴がありながら、自らの信念を「ハードワーク以外に達成感を感じない」とする点は、東京サントリーサンゴリアスのチームマインドと見事に合致する。
「経験が豊富で、チームをいい状況に導いてくれるのが彼のストロングポイント。若い選手をサポートしていく気概もありますし、よく練習しますし、やっぱり一流の選手ですね」
こう誉め立てるのは田中澄憲監督。また、「簡単に見えるプレー一つひとつの質が高い」と言及するのはハーフバックスでコンビを組むスクラムハーフの齋藤直人だ。
「あのサイズ(178cm84kg)で、オールブラックスで50ものキャップを重ねてきたというのは、スピードやパワーといった目に見えて分かる部分以外のところでも秀でているから。ボールのもらい方からしてうまいですよね。初めて練習で組んだときにも余裕を感じたというか、僕のパスに対していくつもの選択ができるような受け方をしていたのが印象的です」
奇しくも第3節の翌日、1月8日に34歳の誕生日を迎えるアーロン・クルーデン。ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かってきたことも本人は意に介さない。
「フィジカル的にはすごくいい状態で、20代前半のような感覚ですよ。それに、年齢を重ねることで経験が増え、以前よりも賢いプレーができています。若い選手たちのプレーからトレンドを感じて、それがいい刺激にもなっていますね」
対する横浜キヤノンイーグルスのハーフバックスにも、スクラムハーフには南アフリカ代表を世界一にけん引したファフ・デクラークが君臨し、スタンドオフの田村優も健在。世界レベルのハーフバックス対決が楽しめる一戦となりそうだ。
(オグマナオト)
横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)
昨季準優勝チーム撃破へ。
カギを握るスピードスター
2023年最初の試合となる1月7日の東京サントリーサンゴリアス戦は、横浜キヤノンイーグルスにとって、今季初となるビジターゲーム。会場は味の素スタジアム。キックオフは14:30だ。
対戦相手の東京サントリーサンゴリアスは昨季の準優勝チーム。悲願のトップ4入りを目指す横浜キヤノンイーグルスにとっては、乗り越えなければならない相手だ。今節が古巣戦となる松井千士は言った。
「昨季の準優勝チームに勝たないと、僕たちが目標に掲げるトップ4に入ることはできないと思っている。自分たちのアタッキングラグビーをやり切って、とにかく勝ちたい」
開幕2試合を1勝1分で終えている横浜キヤノンイーグルスは、プレシーズンにおいて、沢木敬介監督が選手層の拡充を狙い、選手起用に幅を持たせながらチームを強化してきた。今節に向けては、メンバーのテコ入れが実行され、一つの変化としてウイングのポジションに松井が今季初のメンバー入りを果たした。
今節に向けて、指揮官はトライを取り切るためのスピードの部分を評価して松井を先発に抜擢。もちろん本人は「トライを取り切ること」を第一優先として試合に臨むが、プレシーズンにタックルのスキルを磨いてきたその成果を発揮する所存だ。また松井にとって、東京サントリーサンゴリアスはかつて在籍した古巣。しかし、過度に意識するとプレーに力が入り過ぎるため、指揮官は「120%の力を出そうとせずに、いま持っている力をすべて出すように」松井へ働き掛けてきたという。
なお、試合会場の味の素スタジアムは、松井がラグビーの7人制男子日本代表として、東京オリンピックを戦った試合会場でもある。チームの成績は決して芳しくなかったが、本人は「良いトライを決めたスタジアムなので、相性は良い」とゲンを担ぐ。
昨季の準優勝チーム撃破へ――。ウイングのポジションから炎のトライを虎視眈々と狙う“スピードスター”に注目だ。
(郡司聡)