2024.03.21NTTリーグワン2023-24 第11節 東京SG vs 横浜E-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(交流戦)第11節
2024年3月23日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 横浜キヤノンイーグルス

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

“前監督”のスペシャルサインを封じ込む。
適任者は、最前線のコーンロウ

今季はここまで全試合に出場、東京サントリーサンゴリアスの森川由起乙選手

現在、勝ち点「38」で3位につける東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。前節は最大21点差をひっくり返し、80分経過を告げるホーンが鳴ったあとからの逆転勝利。この劇的過ぎる一戦を経て、チームの士気は高まるばかりだ。

プレーオフトーナメント進出が懸かるトップ4死守へ。今節と次節は現在、勝ち点「29」で並んでいる5位の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)、そして4位のコベルコ神戸スティーラーズとの連戦… まさに正念場の戦いを迎える。まずは3月23日、秩父宮ラグビー場でのホストゲーム、横浜E戦だ。

「前節、このチームの底力は証明できました。でも、あそこまで追い込まれない準備が必要です。ここからの相手はどこもフォワードが強いですし、一つの負けも許されない状況だからこそ、しっかりチャレンジしないといけない」

こう語るのは、日本代表キャップを保持するプロップの森川由起乙。昨季のレギュラーシーズンは7試合出場にとどまった森川だが、今季はここまで全試合に出場して最前線で体を張り続けている。

「実は2021年の日本代表活動でひざを痛め、そこから1年半ほどずっとひざが痛い状態でした。でも、今季は周りのサポートのおかげもあって開幕から痛みがなく、いいコンディションサイクルで試合に臨めています」

身体面の不安が解消できたからこそ、今季は「毎試合チャレンジする楽しさがある」と語る森川。そしてそのチャレンジ精神はいま、チーム全体で共有ができている。

「リーグ戦序盤に比べ、出場メンバー23人が同じ絵を見ている試合がどんどん増えています。試合に出るメンバーは固定されつつありますが、ノンメンバーの選手たちも、普段の練習では出場メンバーが混乱するぐらいのプレッシャーを掛けてくれる。誰か一人だけが頑張るのではなく、みんなで問題解決をして、どんどん良くなるサイクルができていますね」

今節戦うのは、東京SGを誰よりも知る沢木敬介“前監督”が率いる横浜E。昨季プレーオフトーナメントでは3位決定戦で敗れた因縁の相手でもある。

「沢木さんは、強い軸がありつつも常に新しいこと、型にハマらないことをやりたい人。きっと、まだ出していないスペシャルなサインプレーも用意しているはず。そのスペシャルサインを決めさせないために、前半から集中力を高めて、こっちが先制パンチを打つ! そのためにもいい準備をするだけです」

グラウンドで一際目立つコーンロウの髪型を旗印に、今節も森川がチームをけん引する。

森川選手の髪形は見た目がとうもろこし(コーン)に似ていることからコーンロウと呼ばれる

(オグマナオト)

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

タフなチームであることの証明を。
ショッキングな敗戦から横浜Eは立ち上がる

>横浜キヤノンイーグルスの祝原涼介選手。「目の前の相手にしっかりとプレッシャーを掛けていきたい」

現在5位の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、3試合ぶりのビジターゲームに臨む。対戦相手は昨季のプレーオフトーナメント3位決定戦で激闘を演じた東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。キックオフは3月23日(土)14:30。会場は秩父宮ラグビー場だ。

終了間際のトライで「ショッキングな敗戦」(祝原涼介)を喫した前節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)戦。試合後のロッカールームはさすがに選手たちも気落ちした様子を見せたが、次なる挽回のチャンスに向けて、すぐに気持ちを奮い立たせた。“リバウンドメンタリティー”が試される今節の東京SG戦。横浜Eは立て直しの勝利に向けて、一致団結している。

「今週の練習は“ライザーズ”(ノンメンバーの総称)がいいプレッシャーを掛けてくれています。ラインアウトのプレッシャーは前節のS東京ベイ戦と似たようなシチュエーションを作れましたし、試合に近い強度で練習ができました」(祝原)

前年度王者との一戦で実感した「学びをつなげられている」(祝原)と自負する横浜Eは、決して転んでもタダでは起きない。「横浜Eはタフなチーム」(祝原)であることを、今節の東京SG戦で証明するつもりだ。

ましてや祝原にとって、東京SGは昨季まで在籍した“古巣”。「大学のレベルから社会人のレベルまで引き上げてくれた恩のあるチーム」(祝原)だとしても、勝負となれば話は別だ。祝原が言う。

「東京SGはボールを動かしてくる横浜Eと似たようなチーム。確かに強敵かもしれませんが、自分が相手の特長を知っているぶんも、チームメートと共有しながら、僕にできることを100%表現したいです」

祝原のストロングポイントはワークレート(仕事量)とフィールドプレー。古巣からの“恩返し勝利”に闘志を燃やす祝原は「目の前の相手にしっかりとプレッシャーを掛けていきたい」と言葉に力を込めた。

(郡司聡)

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