リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスA)

ハードワークで狙う再びの大金星。スーパーサブのアイザック・ルーカスがその原動力となる

トヨタヴェルブリッツ戦、そして静岡ブルーレヴズ戦と2連勝中のリコーブラックラムズ東京の第5節は、開幕戦以来となるホストゲーム。地元・世田谷区にある駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で、現在首位を走る埼玉パナソニックワイルドナイツを迎え撃つ。

勝利した2戦ともにリザーブから登場し、試合を決める役割を担ったのがスタンドオフのアイザック・ルーカスである。今節もスーパーサブとして、インパクトを与える仕事が最重要課題となる。

「僕に求められている役割は、そのときにチームが必要としているモノを見極め体現することです」

例えば1勝目を挙げたトヨタヴェルブリッツ戦、ピッチに立った時には11点のビハインドだった。攻撃面での活躍を求められた一方で、2勝目を挙げた静岡ブルーレヴズ戦では、何かを急激に変える必要のないゲーム展開の中。プランどおりに試合が進んでいるときにはゲームをコントロールし、良い形で試合を終わらせること、チームに元気がないときには、エナジーを与えることと、自身の役割を理解。それを忠実にプレーに落とし込めるからこそ、重要な『フィニッシャー』として試合に登場している。

そんなアイザック・ルーカスにとって、頼りになる声がある。12番ハドレー・パークスが伝えてくれる、グラウンド上で生まれているスペースについての情報だ。“ゲームドライバー”であるスタンドオフにとっては貴重な情報である。

ハドレー・パークスは言う。「僕の最大の役目は、9番と10番を助けること。どこにスペースがあるかを判断して、彼らの仕事をなるべく簡単にしてあげることが僕の仕事です」。

もう一人、アイザック・ルーカスにとって大事な存在がいる。7歳離れた兄、マット・ルーカス氏。昨季まで同チームでプレーしたスクラムハーフで、引退後はアシスタントコーチを務めている。

「コーチになったことで、より正直なフィードバックをくれるようになったんです。僕に責任をもたせてくれます」

今週末は間違いなく大一番。だが、2018年には当時のパナソニックワイルドナイツが持っていた不敗神話を崩したこともある。

「僕たちはハードワークすることにプライドをもっています」(アイザック・ルーカス)

ハードワークで、再びの大金星を狙う。

(原田友莉子)

アイザック・ルーカス選手。21日の試合は22番で登録。ハードワークで、再びの大金星を狙う


埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスA)

満身創痍だからこそ見られる“新・埼玉WK”。SO・松田力也とFB・山沢拓也が共演する

埼玉パナソニックワイルドナイツが1月21日13時キックオフのビジターゲームでリコーブラックラムズ東京と対戦する。開幕から無傷の4連勝で首位を走る埼玉パナソニックワイルドナイツと、2連勝中のリコーブラックラムズ東京。埼玉パナソニックワイルドナイツは、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場に乗り込み5連勝を狙う。

埼玉パナソニックワイルドナイツは前節、トヨタヴェルブリッツ戦に34対19で勝利した。4連勝を果たしたチームだが、その一方で負傷者が続出。復帰戦となったベン・ガンター、好調大西樹が負傷交代。今節の先発メンバーからは二人が外れたほか、前節からスタメン8選手を入れ替えるフィフティーンでゲームへ臨む。クレイグ・ミラー、ヴァル アサエリ愛、長谷川峻太、長田智希が今季初先発となる。

ロビー・ディーンズ監督は前節の試合後会見で「これまでプレータイムが与えられなかった選手にもチャンスが巡ってくる。私自身がとても楽しみにしている」と笑みを浮かべた。それは選手層の厚さから来る絶対的な自信か。今節では試合出場に飢えた戦士が結果をつかみにいく。

両雄が同時にフィールドに立つ。智将の脳裏には、この起用法が浮かんでいたのだろう。松田力也が背番号10でスタンドオフのポジションに入り、山沢拓也が背番号15をつけてフルバックの位置につく。日本代表ゲームメーカーの共演だ。

山沢拓也は前々節、前節でスタンドオフとして先発し、ゲーム終盤はフルバックに移行した。前々節・三菱重工相模原ダイナボアーズ戦では終了間際にライン際を駆け抜けてトライを決めている。ロビー・ディーンズ監督は二人の同時起用について「山沢(拓也)がフルバックに移動して力也がスタンドオフに入ることでピッチにプレーメーカーが増える。山沢(拓也)がライン参加することでアタックの幅が広がる」と説明している。

第2節までは、松田が背番号10で先発し、第3・第4節では山沢拓也がスタンドオフとしてピッチに立った。山沢は「背番号10でもそのほかでもチームのためにプレーすることは同じ。自分と(松田)力也の良さは違うので、お互いに良さを生かしながら、それぞれの役割を果たしていきたい」と話す。スタンドオフ・松田とフルバック・山沢のイマジネーションがどんな化学反応を起こすか。フレッシュなメンバー、布陣が、新たな埼玉パナソニックワイルドナイツの戦いをみせていく。

(伊藤寿学)

山沢拓也選手、今節はフルバックに。「自分と(松田)力也の良さは違うので、お互いに良さを生かしながら、それぞれの役割を果たしていきたい」

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