2023.02.28NTTリーグワン2022-23 D2 第6節レポート(S愛知 12-59 浦安DR)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン2 第6節
2023年2月26日(日)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 12-59 浦安D-Rocks

多くのファンを惹きつけるチームになるために。S愛知の挑戦は続く

豊田自動織機シャトルズ愛知の松岡大和選手
豊田自動織機シャトルズ愛知の渡邊友哉選手
豊田自動織機シャトルズ愛知の岡本泰斉選手

後半戦に入っても浦安D-Rocks(以下、浦安DR)の勢いは止まらない。豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)を59対12で下し、全勝をキープ。S愛知はこれで成績を3勝3敗とした。

前回対戦時よりチームとして成長した姿を見せることに重きを置いていたS愛知からすれば、スコアこそ大きく差が開いてしまったが、ディフェンス面など要所で浦安DRに対抗できた部分があった。巨大戦力を持つ浦安DRと対戦して出た収穫・課題のすべてを糧とし、残りのリーグ戦、順位決定戦に臨みたい。

今節は松岡大和、渡邊友哉、アーリーエントリーで加入している岡本泰斉が今季初出場。松岡は昨年に負った肋骨の骨折から復帰し、練習試合などをとおしてアピールを続けてきた。渡邊と岡本はともに愛知県出身。渡邊は公式戦約2年ぶり、岡本はNTTジャパンラグビー リーグワン初出場を地元ファンの前で飾った。3選手とも試合の反省を口にしながらも、ファンの前でプレーができたことへの感謝と率直なうれしさを語った。こうした選手がプレーする機会を得たのも、収穫の一つだろう。

また、今節は声出し応援が解禁されてから初のホストゲーム。今季最多の1765人がパロマ瑞穂ラグビー場へ駆け付けた。ファンは大差がついても、一つひとつのプレーに声援を送り、ノーサイドまで選手を後押しし続けた。在籍11年目を迎え、誰よりもS愛知の歴史を知る渡邊は、「ファンの方が声を出して、スタジアムに一体感を作ろうとしてくれるのを感じて、ありがたかった」とコメントした。

また、彼は選手でありながら、S愛知の事業運営をサポートしている。「ホームゲームの運営などが事業運営の主な仕事。グラウンド内外でチームを大きくしていく役割が求められるので、選手側の意見をまとめながら、いろいろな人にフィードバックしていきたい」(渡邊)。二足の草鞋を履く渡邊だけができる貢献にも期待したい。

今季の残りホストゲームは1試合。観客数も右肩上がりで増加している。より多くのファンを惹きつけるチームになるために、S愛知の挑戦は続く。

(斎藤弦)

豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知の徳野洋一ヘッドコーチ(右)、山口知貴キャプテン

豊田自動織機シャトルズ愛知
徳野洋一ヘッドコーチ

「本日は風も強く、非常に寒い中、たくさんの観客の方々に来ていただいたという点について、まずこの場をお借りして御礼申し上げます。ゲームの内容につきましては、点差が物語っているとおり、結果としては完敗したというのが率直な感想です。ただ、前回戦ったときより、点差自体はそんなに変わらないですが、われわれが前回の負けから学んで成長してきた部分というものを、要所で見ることができたと思います。本当に選手が前回の敗戦を生かして、努力して前に進んだ結果だと思っているので、そういう選手の努力に、感謝したいなというふうに思っております。本日はありがとうございました」

──成長できた部分を勝利という結果に変えるために必要なことはなんでしょうか?

「要因はたくさんあるとは思いますが、まず、ディフェンスに関して言うと、自分たちがきちんと整備できたディフェンスラインが整っている状況においては、前回のような崩され方というのはあまりなかったのかなと思います。ただ、ターンオーバーが起こったり、少しアンストラクチャーなシチュエーションにおいて、相手の強力なランナーに走られて、得点につなげられたりしているところは、一つ改善しなければいけないポイントかなと思います。もう一点は、ラインアウトがなかなかマイボールにできなかったという点についても、やはりゲームをコントロールしていく上で非常に大事なポイントだと思っています」

豊田自動織機シャトルズ愛知
山口知貴キャプテン

「本日はたくさんの観客の方に来ていただき、また試合をするにあたって、ご尽力くださった大会関係者の皆さま、ありがとうございました。ただただ、完敗したということで、まだこれから残りのリーグ戦、そして順位決定戦に向けて時間はあるので、しっかり修正していきたいと思います」

──浦安D-Rocks(以下、浦安DR)に勝つために改善すべきポイントはどこだと感じていますか?

「ピッチ上で話したり、感じたりしたのは、フィジカルバトルのところで前の試合に比べて対抗できた部分はありましたが、それでもこの点差が開いたということで、小さいところの穴を浦安DRさんは突いて、それを大きな穴に変えられる力がありました。ディフェンスは、横とのつながりやチームとしてのまとまりをもっと強化していく必要があるのかなと思います。1対1の場面ですごく食い込まれた部分もありましたが、前の試合に比べて少なくなっていると思うので、そこはまた強化していくとともに、横とのつながり、チームとしてのディフェンスというところがキーになってくるのかなと思います」

──ひさびさの声出し応援の中でプレーしてみての感想を教えてください。

「ピッチにいる中で、やっぱりお客さんの声が聞こえてきました。前の試合までは拍手やハリセンを叩いて応援していただきましたが、みなさんが大きな声で声援をくださって、勇気づけられました」

浦安D-Rocks

浦安D-Rocksのヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ(右)、飯沼蓮キャプテン

浦安D-Rocks
ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ

「まずはお越しいただいた皆さまとファンの皆さまに感謝の言葉を申し上げたいと思います。前半はいいスタートを切ることができて、チャンスをたくさん作って、それをトライにつなげることができました。ミスでトライにつながらなかったチャンスのところもありましたが、確実に点を重ねることができた前半でした。後半に関しては、自分たちのスタンダードを守り抜こうというところで、チームに話をして、そこが大部分できていた後半だったと思います。ですが、改善を続けることが大事だと思いますので、チームとして引き続き、課題の部分は改善していきたいです。今日の勝利はゲームに出た全員、あとはスタッフ、チーム全体としての勝利だったと思います」

──前半リードした状況でもプレーを切らず、得点を狙った意図を教えてください。

「そういったマインドはすごく好きです。アタッキングのマインドセット、ハーフタイムの笛が鳴ったあとでも、ペナルティをもらえたら、キックで敵陣に蹴り込んでプレーをする。タップゴーでどんどん狙っていく。そういう姿勢は素晴らしいと思います。そういったものは、前半をいい形で終えて、後半に向けての自信につなげていくというところでも重要になってきますし、ラグビーは得点というのが、結果においてものすごく重要になってくるので、得点を重ねるという意味でも重要だと思います。ですので、選手たちのほうがそういった試合の流れだとか、自分たちの感触というのはすごくわかっていると思います。自分たちの直感を信じてプレーをしてくれるところは、自分は選手たちをすごく信じています」

浦安D-Rocks
飯沼蓮キャプテン

「今日はありがとうございました。ヨハン(・アッカーマン ヘッドコーチ)も言ったとおり、前半いいスタートが切れましたが、練習の中で自分たちの課題である後半の失速や、うまくいっているときに少し気が抜けて、相手にペースを握られるというところを、練習から本当に厳しく言っていました。今日の試合の中でもチームがトライしたあと、スコアしたあとにハードワークして、しっかり自分たちのスタンダードを下げないようにと話しました。後半の課題である失速する部分で、風の影響もあり前半よりはスコアはできなかったですが、練習から口うるさく言っていたこともあって、いつもよりはいいスタンダードでできたのではないかなと思います。ただ、まだ自分たちの追い求めている完璧なところには至っていないので、出た課題をしっかり修正して、次の試合に向けて頑張っていきたいと思います」

──前半終了の笛が鳴ってもプレーを続けた意図を教えてください。

「自分たちは結果ももちろんですが、内容に本当にこだわっていたので、ディビジョン1で優勝するためのスタンダードで、今日はしっかり80分間試合しようと言っていました。どんな状況でも、どんな場所からでも、どんな時間からでも、アタックマインドが自分たちはあるチームだし、そういう文化なので、たぶん、誰も疑問に思わずに攻め続けたと思います」

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