2023.03.30第12節 RH大阪 vs WG昭島-見どころ

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(D3)

積み重ねてきた過去よりも視線は常に前へ。
仲間のため、チームのために前へと運ぶ

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪の吉澤太一選手。トライは11本、ゲインメーターは1087m。D3の個人ランキングでトップに立つ

4月1日(土)、ヤンマースタジアム長居で12時キックオフのホストゲームを行うNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)。リーグ戦も残り3試合となった現在、首位をキープし、リーグ戦を折り返したころよりも多くの得点を重ねている。

その得点力をけん引するのは、吉澤太一。ここまで9試合に出場し、トライは11本、ゲインメーターは1087m。D3の個人ランキングでトップに立つ。ボールキャリー、ラインブレイク、ディフェンス突破、いずれのランキングでも上位につけ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチもすでに3度獲得している。

中学2年生のとき、「姉の幼なじみで、RH大阪にも2013年から2年間在籍していた茂木大輔さんが勧めてくれた」ことをきっかけに、引っ越しで転校した先にあったラグビー部に入った。正智深谷高校、立正大学卒業後は、コカ・コーラレッドスパークスでプレーしたが、同チームが活動終了後の2021年、RH大阪に加入した。

前節は、50キャップ目の試合だった。7人制日本代表での14キャップも含め、実際はキャップ数よりも多く試合に出場しているからか、50キャップは「あまり意識はしていない」と話していた。それでも、「みんなに『おめでとう』と言ってもらったことで、これまでのことを振り返った。このチームで50キャップを迎えられ、うれしい。たくさんの人に支えられて迎えられた」と、かみしめたようだ。

「ラグビーが大好きで、やめたくない」と話している吉澤は、「ほかの競技に比べて、仲間がいないと本当にプレーできない。でも、走るのが速くなくてもできるし、自分のように大きくない体でもできる」ことに魅力を感じている。多く重ねているトライについても、「自分の力というわけではなく、スクラムやラインアウトで誰かが体を張って持ったボールを渡してくれてこそ、結果に結びつけることができるもの。チームの仲間が自分を信じてパスを出してくれるから、それをチャンスにつなげたいと思える」。

50キャップを迎える前、吉澤はこのように話していた。

「50キャップよりも、1試合1試合で自分を選んでもらってチームのために戦えることが、本当にうれしい」。

その喜びは、チームをさらに勢いづかせるランとなる。今節も、自分を信じ、支えてくれる仲間からのパスを前へと運ぶ。

(前田カオリ)

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

「僕らはマリオとキノコ」。最高の“ハマエモコンビ”がチームを次のステージへと導く

クリタウォーターガッシュ昭島の「ハマ」こと濱副慧悟選手(右)、「エモ」こと江本洸志選手。手にしているのは4月1日(土)JR青梅線昭島駅近くのモリタウン ガーデンステージで行われるパブリック・ビューイングのチラシ

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23ディビジョン3第12節。クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、首位をひた走るNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)とのリーグ戦最後のビジターゲームに臨む。このままビジターで勝利なしでシーズンを終えるわけにはいかない。WG昭島にとっては負けられない戦いとなる。

勝利のカギとなりそうなのは、今季のWG昭島で輝きを放っている「ハマ」と「エモ」の二人だ。ハマは、「こんなすごい選手はいない」とチームメートの誰もが認める濱副慧悟。エモは新人ながらスタメンを勝ち取り続けている江本洸志。互いに最高の相棒を見つけた二人がチームにエナジーを与えられるか。

「ここ数年は個人技を磨くことだけに集中して、自分のスタイルを崩さなかった。今年、スペースの一歩手前を見られる江本が加入したことで、僕のパワーが生きるようになった」と、今季の活躍を濱副はうれしそうに振り返る。「ぼくがマリオで、えもっちゃん(江本)がキノコ(笑)。キノコがいいパスをくれて、スピードアップさせてくれる。おかげで僕が自由にゲインできている」と、ユニークな表現で話す。

一方の江本も、「自分がトライを取るよりも、ハマさんにいいボールを渡して、ハマさんがトライを取ったり、ラインブレークしてくれたりすることがうれしい。試合後には毎回ハマさんのスタッツをチェックしています(笑)」と、相思相愛のようだ。「流れがいいときは自分もハマさんも活躍できているが、流れが悪いときは、何もできないまま負けてしまうことが多いのが課題。RH大阪戦は流れを変えられるようなプレーを二人でしたい。『やったろう』という気持ちです」と、地元・大阪での試合に気合い十分だ。

「ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)を目指す」と宣言する濱副と、「自分は(天理大学の先輩でもある、花園近鉄ライナーズの)シオサイア・フィフィタより強い」と、10回唱えてからグランドに入るというほど、シオサイア・フィフィタをリスペクトしている江本。独特で最高の“ハマエモコンビ”がチームを次のステージに導いてくれるはずだ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

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