横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

今季を左右するビッグマッチを前に横浜Eのボルテージは最高潮!

横浜キヤノンイーグルスのコリー・ヒル選手(写真中央)。「相手もいいチームだが、われわれだっていいチームだ」「思い切って、自分たちの仕事をして、勝利を勝ち取ろう!」

4位の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)にとって、今節は今季最後のホストゲームとなる。日産スタジアムでの東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)戦は、4月15日(土)14時キックオフだ。

今季のプレーオフ出場権争いを左右するビッグマッチ――。残り2試合の段階で相まみえる横浜Eと東京SGの一戦は横浜Eにとって、勝てば3位に浮上するチャンスが目の前にある。また5位の東芝ブレイブルーパス東京を突き放すためにも、是が非でも勝利が欲しい。東京SG戦の重要度が高いことは、通常の15分を超え、30分以上にも及んだ準備期間始動日における長時間ミーティングが物語る。

全体練習も初日から熱を帯び、激しく体のぶつかり合う音がキヤノンスポーツパークに鳴り響いた。初日の全体練習を終える際のハドルでは、前節のNECグリーンロケッツ東葛戦でゲームキャプテンを務めたコリー・ヒルが、チームメートにこう呼び掛けた。

「相手もいいチームだが、われわれだっていいチームだ。相手のことを必要以上にリスペクトする必要はないし、思い切って、自分たちの仕事をして、勝利を勝ち取ろう!」

チーム内のボルテージは最高潮。そんなチームメートの熱気に背中を押されるように、イノケ・ブルアも精力的なトレーニングに取り組んだ。そのイノケ・ブルアがビッグマッチを控えた心境を語った。

「ビッグマッチでもプレッシャーを感じていないですし、いいゲームをできる自信はあります。自信の源?それだけのことを練習でやっている自負がありますから」

“3位争奪戦”の舞台装置は、ラグビーワールドカップ2019の決勝の舞台でもあった日産スタジアム。「ビッグスタジアムの大観衆の前でプレーするのは夢の一つ」と語るイノケ・ブルアにとっては、最高の環境だ。

「普段からのチームの努力を結集させて、トップ4というターゲットを達成したい」

トライ数ランキングはリーグ3位(現在12トライ)。チームNo.1の稼ぎ頭であるイノケ・ブルアが、東京SG撃破のキーマンを担う。

(郡司聡)


東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

大一番が続くラスト2試合。齋藤直人と堀越康介、問われる二人のキャプテンシー

東京サントリーサンゴリアスの堀越康介 共同キャプテン
東京サントリーサンゴリアスの齋藤直人 共同キャプテン

4枠しかないプレーオフトーナメント進出を懸けたレギュラーシーズンの戦いも、いよいよ残り2節。現在、NTTジャパンラグビー リーグワン 2022-23ディビジョン1で3位の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)は、残り2節がどちらも大一番、という正念場を迎えている。

今節はプレーオフ圏内で争う4位の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と、次節は2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイと、どちらも相手のホームで戦うからだ。

まさに、チームの真価が試される2連戦。あらためて問われるのはリーダーのキャプテンシーだ。今季から東京SGの共同キャプテンとなった齋藤直人、堀越康介の二人にとっても、長かったシーズンで手にしたもの、再構築したものを発揮する舞台となる。

齋藤は語る。

「『チームがいま、どういう状況か』、『芯の部分はズラしちゃいけない』、ということは二人でもよく話しています。最後までチームを、仲間を信じ切っていこう、と」

堀越は言う。

「(齋藤)直人とはバランスを取り合いながらやっています。僕はフィジカル的な部分を中心に、甘くなったら常に厳しく言葉にします。直人は、アタックのポジショニングの細かさや、相手がこう来たらこうしようといった戦術的なところ。お互いの役割分担を話し合いながらやっています」

では、横浜E戦での戦術的な課題は何か?齋藤にぶつけてみた。

「毎週新しいサインプレーをしかけてきたり、何をやってくるかわからないのが横浜E。僕たちも常にONの状態で。OFFの状態を作らないことが大事になってきます」

二人を見守ってきた田中澄憲監督は、「ここ2、3週間でも、すごく変わってきましたよ」と、彼らの成長ぶりに目を細める。

「自分のリーダーシップのスタイルをちゃんと理解して表現できるようになってきました。ホリ(堀越)はタフなところを大事にしている人間ですから、自分自身のプレーで引っ張らなきゃ、という気持ちが強い。一方、直人は『うまく発信しよう』と気負っていたのが、いまはその場その場で、自分の言葉で発信しようとしています。リーダーとして成長しているなと思います」

苦悩しながらチームを、そして自分自身を成長させてきた男たちのプレーとリーダーシップから目が離せない。

(オグマナオト)

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