2023.12.15NTTリーグワン2023-24 第2節 S愛知 vs GR東葛-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン2(リーグ戦) 第2節
2023年12月16日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs NECグリーンロケッツ東葛

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

好スタートのS愛知。注目はパリ五輪出場権をつかんだCTBと、リーチ マイケルに憧れるフィジー出身のFL

前節の開幕戦でハットトリックを達成し、プレイヤー・オブ・ザ・マッチも獲得したカヴァイア・タギヴェタウア選手。16日も6番で先発予定だ

開幕戦で8トライを奪う快勝を演じた豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)。パロマ瑞穂ラグビー場で行われるホストゲーム開幕節は、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と対戦する。

快調なスタートを切っただけに、昨季ディビジョン1を戦ったGR東葛に対して、どれだけの戦いぶりを見せられるかは楽しみな要素の一つ。集まった多くのS愛知のファンに楽しんでもらえるようなラグビーができれば、自ずと勝利は近づいてくるはずだ。

熱戦が繰り広げられたラグビーワールドカップ2023フランス大会は記憶に新しいが、来年にはパリ五輪がやってくる。パリ五輪の正式種目である7人制ラグビーの男子日本代表に、S愛知のケレビ ジョシュアがスコッド入りを続けている。11月に行われた男女7人制ラグビーアジア予選にも出場し、パリ五輪の出場権獲得に貢献した。

「いろいろな体格の選手がいるところが15人制のいいところ。7人制はスペースがあって、スピードがある選手が多い。どっちにも面白さがある」とケレビ ジョシュア。7人制ラグビーの活動で十分なオフは得られなかったが、フィットネスを維持したままシーズンに臨めるとポジティブに捉えた。7人制で鍛えたスピードとボールキャリーでファンを魅了する。

開幕戦でハットトリックを達成し、プレイヤー・オブ・ザ・マッチも獲得したカヴァイア・タギヴェタウアも7人制日本代表の経験を持つ。「7人制はトレーニングが超キツイ」と苦笑いで答えてくれたフィジー出身の26歳は、今節が古巣戦となる。「プレシーズンから頑張ってきたのも、この試合を楽しむため」(カヴァイア・タギヴェタウア)と、元チームメイトとの再会が待ち切れない様子。15人制でも日本代表を目指したいと語る彼の目標は同郷フィジー出身で、同じフランカーを主戦場とするリーチ マイケルだ。

ラグビーが日本との縁をつなぎ、遠い異国の地で日本のために戦おうとする二人の雄姿にも注目してご覧いただきたい。

(齋藤弦)

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

後藤輝也が見据えるのは、10年目の最多トライゲッター

NECグリーンロケッツ東葛の後藤輝也選手。10年目のシーズンを迎え前節に続き今節も14番で出場する

ホストゲーム開幕戦で31-28と浦安D-Rocksを下したNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)が、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とのビジターゲームに臨む。リーグ戦での連勝となれば、ジャパンラグビー トップリーグ時代の2018-2019シーズン以来となる。

つまり、それだけ結果の出ない時期をGR東葛は長く過ごしてきたことになる。

「本当に勝負どころだった」

初戦をそう表現し、振り返ったのは後藤輝也。山梨学院大学を卒業した2014年に加入して、今季で10年目を迎える。リオ五輪に7人制日本代表としても参加し、GR東葛の歴史もよく知る経験豊富な31歳。彼は、トップリーグ開設の2003年からGR東葛が過ごし続けたトップディビジョンに返り咲くために、開幕戦の勝利が大きい意味をもつことを深く理解していた。

「元々みんなの仲が良く、一体感はありました。自分はずっとここにいるからほかのチームとは比べられないんですが、加入する選手たちは『居心地がいいよね、環境もいいし』と言ってくれますね」

後藤自身、後輩のクリスチャン・ラウイが「めちゃくちゃ優しくて、お兄さんみたい」と慕うように面倒見が良く、GR東葛らしいアットホームな雰囲気作りに寄与している。そんな後藤が実感しているのは、チームに起きている変化だ。

「以前に比べてプロ契約の選手が増え、日本人のプロ選手も加わりました。食事面や、コンディションの自己管理、オフの日の過ごし方など、彼らのプロ意識をマネする選手が増えて皆の意識が高まっていると感じます」

上昇志向が高まったチームに、ウェールズ代表を率いて欧州制覇を達成したこともあるウェイン・ピヴァック ヘッドコーチが勝つための戦術を伝える。後藤も「カテゴリBからAに変わった選手もいて、よりパワフルになったし、全体のレベルが上がった」と目を細めている。

ヘッドコーチは「バックスがスピードを出してゲインすること」(後藤)を目指しており、レメキ ロマノ ラヴァや、ウイングを務める後藤にもチャンスが巡ってきそうだ。「毎年、狙っているのはトライ王(最多トライゲッター)」という後藤本人も、その目標に近づけるだろう。

「テルさん(後藤)のいいところは、自分がいいと思うことを思い切りやり切っているところ」とクリスチャン・ラウイ。自らが信じる道を突き進み、鋭い感覚でトライを奪う後藤のもう一つの特徴は、ディフェンス面にある。「守備もアタックだと思っている」と言い、「周囲とコネクションしながら、いかにギリギリまで前に出て止めるか」を意識する。前節で8トライを挙げたS愛知の突破を止めた上で、後藤が得点の匂いを嗅ぎつけてゴールエリアに楕円球を置くとき。GR東葛にとって5年ぶりのリーグ戦連勝が見えてくる。

(田中直希)

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