2024.01.07NTTリーグワン2023-24 D3 第3節レポート(SA広島 17-61 日野RD)

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第3節
2024年1月6日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 17-61 日野レッドドルフィンズ

13分間で4トライ。開幕3連勝の日野RD、その強さの要因は?

唯一の3戦全勝でDIVISION 3の首位に立つ日野レッドドルフィンズ

マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)は「ドライブ」をテーマに掲げて日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)を迎え撃とうとしたが、日野RDが上回って開幕連勝を3に伸ばした。

中居智昭ヘッドコーチが「日野さんのドライブ力に圧倒された部分がありまして、なかなか自分たちのリズムが出なかったのかなと思います。あと、プレッシャーがある中で、後ろ後ろでプレーしてしまった」と振り返ったように、SA広島の力負けだった。

13分にゼファニア・トゥイノナに先制トライを許したあと、SA広島は反発して22分にボーディン・ワッカがペナルティゴールを決めて点差を詰めたが、3分後にエイジェイ・ウルフにトライを決められリードを広げられると、チームの足並みがそろわなくなる。

芦田朋輝は「一人ひとりの前に出ようという気持ちが強く出た結果、そこで食い違いや、コミュニケーションのミスもありました。あとは、セットピースのミスも続いてしまってトライを重ねられてしまった」と悔やんだ。SA広島は苦しい流れの時間帯を踏ん張れず、13分間で4トライを奪われた。

一気呵成に攻めた日野RDの推進力も素晴らしかった。苑田右二ヘッドコーチが「この1週間、笠原(雄太)キャプテン、橋本(法史)バイスキャプテンを中心に、いい準備ができたと思っています」と納得の表情を浮かべたように、そのパフォーマンスからはチーム全体の充実感が溢れ出ていた。

昨季までSA広島に在籍していた大内空も、「マツダさんの選手、スタッフ、ファンの皆さんに成長した姿を見せられた」と笑みを広げ、日野RDの強さをこう語った。

「僕たちの強さの要因は一つで、それは一体感だと思います。ほかのチームに比べたらメンバーは少ないと思いますけど、その中でも練習からチームが一つになって取り組むことを意識してやっています。練習から意識している一体感が試合でもしっかり出せているところが一番の強みかなと思います」

ディビジョン3でリスタートを切り、充実の3連勝を飾った日野RD。進撃はどこまで続くのか。はたして打ち破るチームは現れるのか。注目していきたい。

(寺田弘幸)


マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島の中居智昭ヘッドコーチ(左)、芦田朋輝ゲームキャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
中居智昭ヘッドコーチ

「本日はたくさんのお客さまに新年早々来ていただき、ありがとうございました。

今日のゲームは、われわれとしてはドライブというテーマを持ってやりました。その中で日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)さんのドライブ力に圧倒された部分がありまして、なかなか自分たちのリズムが出なかったのかなと思います。

あと、プレッシャーがある中で、後ろでプレーしてしまったことが、やはり最大の原因かなと。後半の最後のほうはドライブして2人目3人目のサポートから、さらにゲインしてチャンスを作ったんですけど、そういったところを前半から作り出せなかったというところが今日のゲームの結果になったのかなと思います。

連戦で来週は清水建設江東ブルーシャークスさんとの試合がありますので、しっかりと修正して、もっと前に出ながらプレーできるようなチームを作っていきたいと思います。本日はありがとうございました」

マツダスカイアクティブズ広島
芦田朋輝ゲームキャプテン

「本日は多くのファンのみなさまに来ていただき、ありがとうございました。前半から前に出るというドライブをテーマに掲げて戦ったんですけれど、日野RDさんのプレッシャーにやられて、前半でかなりの点差となり、なかなか立て直すことができず、このような結果になってしまいました。

後半は自分たちの形を少なからず出すことができましたが、やっぱりそれをスタートから出すことができなかったのが今回の敗因になるかなと思います。
来週も試合は続きますので、今回出た反省を生かして、1週間と短い時間ですが、自分たちの形を取り戻していきたいと考えています。本日はありがとうございました」

──前半の中盤あたりから終盤にかけて、相手に一気に試合を持っていかれたような印象です。あの時間帯はどういうことが起こっていましたか?

「一人ひとりの前に出ようという気持ちが強く出た結果、そこで食い違いや、コミュニケーションのミスもありました。あとは、セットピースのミスも続いてしまって、トライを重ねられてしまったと考えています」

──グラウンドの上ですぐに立て直すのは難しかったですか?

「そうですね。日野RDさんの力強いアタックを、自分たちが後ろで止めるような形が続いてしまって、前に出られなかった。それで取り戻すことができなかったのかなと思います」

日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズの苑田右二ヘッドコーチ(右)、橋本法史バイスキャプテン

日野レッドドルフィンズ
苑田右二ヘッドコーチ

「まず始めに、今日はマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)さんのホームゲームでしたけど、素晴らしい環境を準備していただき感謝しております。ありがとうございます。

今日の試合に関しては、新年初めのゲームで、われわれにとって良いスタートを切るために非常に重要でした。SA広島さんも開幕戦で快勝していて全員が真面目にハードワークするチームだったので、われわれはそれ以上にハードワークし、攻撃ではしっかりボールを持って、ディフェンスでは我慢してプレーすることでチャンスが広がると思っていましたが、この1週間、笠原(雄太)キャプテン、橋本(法史)バイスキャプテンを中心に、いい準備ができたと思っています。

来週はショートウィークになりますが、よりいい準備をして、いいゲームをしたいと思います。ありがとうございました」

日野レッドドルフィンズ
橋本法史バイスキャプテン

「まず初めに、地震もあって大変な中でこうやってリーグワンの試合ができたことにすごく感謝しています。

試合に関しては、自分たちがいま笠原キャプテンの下で大事にしているのが試合に向けた準備で、普段の練習でやってきたことを試合で出そうとプレーしている中で、今日はしっかりと準備してきたことを出せたのが良かったと思います」

──チームの雰囲気もすごく良さそうに感じました。

「そうですね。雰囲気はすごく良いです。昨季まで60人から70人ぐらい所属選手がいて、今季は40人弱のメンバーになりましたが、その中で笠原キャプテンが一番大事にしているのが横とのつながりです。コネクションをすごく大事にしている中で、試合が始まっても、そのコネクションを大事にして戦っていますし、試合に出るメンバー、出ないメンバー関係なく、みんなで良い雰囲気が作れていると思います」

日野レッドドルフィンズ
大内空選手

──今日は大内選手にとって昨季まで所属したチームとの対戦という特別な試合だったと思いますが、試合を終えた感想を聞かせてください。

「まず勝利できたことをうれしく思います。チームとしてもやるべきことができましたし、個人としてはもう少しできたかなというところはありますが、いいプレーができました。SA広島さんの選手、スタッフ、ファンの皆さんに成長した姿を見せられたので、そのこともうれしく思っています」

──昨季まではホームスタジアムだった場所での試合。どんな気持ちで臨みましたか?

「かなり緊張しました(苦笑)。もうえずくくらいだったんですけど、やることはチームとしても個人としても変えずにいつもどおりのプレーをしようと。これまでやってきたことを前面に出していこうと思って今日は臨みました」

──トライのシーンについて。

「今回スタートで入った土肥(恵太)がいいキャリーをしてくれて、必ず裏に来ると信じていたので、そこにしっかりと顔を出しました。トライのところは、うれしさもあってダイビングトライさせていただきました(笑)」

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