NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン2 第4節
2024年1月13日(土)12:00 ヨドコウ桜スタジアム (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 vs NECグリーンロケッツ東葛
レッドハリケーンズ大阪(D2)
「スコアの話をする前に」。ファンに見せるべきは、最後までたくましく戦う姿勢
1月13日(土)、ラグビー観戦を通じてサステナビリティについて考える機会となるよう、SDGsをテーマにしてホストゲームを行うレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)。ヨドコウ桜スタジアムで、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と相まみえる。
今季のRH大阪は新たに二人のフッカーを迎えている。そのうちの一人、開幕戦からリザーブメンバーとして試合に出場している佐藤耀はGR東葛から加入した選手。今節は古巣対戦となる。
とはいえ、古巣だからと気負う様子は本人にはなく、「GR東葛は良いチームだし、今でも好きなチーム。そういうチームとお互いに全力で戦えることが楽しみ。『RH大阪でも頑張っているよ』という姿を見せられれば」と、笑顔で話す。“古巣”ではなく、「同じラグビーをする仲間」との再会を心待ちにしているようだ。
12対71で敗れた前節の豊田自動織機シャトルズ愛知とのビジターゲームは、D3からD2にディビジョンを上げた洗礼を受ける苦い経験となった。マット・コベイン ヘッドコーチは前節の内容を踏まえ、「応援してくれるファンのみなさんに対して、自分たちがどのようなメッセージを発信するかは大切なこと。スコアの話をするより前に、まずは自分たちがチームのために最後までしっかり戦っているという姿勢を見せなければいけない」と語っている。
その前節、試合が終了するシーンで佐藤耀は、レフリーが完全に笛を吹き終えるまでプレーを続けようとしていた。大差で敗れてしまうこと自体はもう覆せない状況ではあったが、1トライでも返したいという強い意志があることは、見ている者にも十分に汲み取れる姿だった。
リザーブメンバーだからこそ、“最後まで”見せられることもあるだろう。試合途中でグラウンドに立てば、「フォワードなので、激しく、低く、泥臭く。チームにエナジーを与え、一つでも前に進められるようなプレーや声掛け、姿勢を見せたい」(佐藤耀)。
前節の経験がチームにとって良いターニングポイントになったと言えるよう、今節も自分たちの積み重ねてきたことを信じ、勝利に向かって激しくたくましく戦う姿を大阪の人たちに見せたい。
(前田カオリ)
NECグリーンロケッツ東葛(D2)
いやが上にも高まるモチベーション。苦難を乗り越えた新鋭はリーグワンデビューなるか
1月13日、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、ヨドコウ桜スタジアムで行われるレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)とのビジターゲームに臨む。
兵庫県出身、大阪桐蔭高校から近畿大学を経て、2022年にGR東葛に加入した宮宗翔にとって、念願のリーグワン初キャップが目前に迫っている。
しかし、ここまでの道のりは平坦ではなかった。いまから約1年前には、左ひざ前十字靭帯損傷、全治約3〜4カ月のけがを負い、離脱を余儀なくされた。グラウンドを離れて別メニューに打ち込む日々を過ごしながら、試合では同期入団の選手たちが次々とリーグワンデビューを飾る姿をスタンドから見つめていた。
ただ、いかなる状況でも物事をポジティブに変換して捉えられる能力は、宮宗の強みなのかもしれない。
「前十字靭帯損傷といっても切れたわけではなかったので、それは不幸中の幸いでした。けがをしたときも、そんなにネガティブにならずにやろうと思っていました」
戦列を離れている間には、積極的にフィジカル面の強化にも励んだ。そうやってコツコツと地道に積み上げてきた努力は、けがの癒えた加入2年目の今季に成果となって表れた。今節のRH大阪戦では、ついにリザーブメンバーに初選出されたのだった。GR東葛にとってはビジターゲームだが、宮宗にしてみれば自分が生まれ育った関西の地である。きっと家族や友人も応援に駆けつけることだろう。いやが上にも高まるモチベーション。宮宗はその思いを言葉にする。
「思い切ったプレーを見せたいですね。今季からヘッドコーチが代わって、ボールを動かすラグビーになったので、外にボールが回ってくることも多いし、ウイングが自分からもらいに行くプレーも増えてきました。試合に出たらトライを決めたいですね」
ラグビーを始めた小学2年生のころからウイングを務めてきたとあって、スピードには自信を持つ。さらにGR東葛加入後も、レメキ ロマノ ラヴァという最高のお手本から多くを学び、成長の糧としてきた。
苦難を乗り越えて、ようやく辿り着いたリーグワンの舞台で、宮宗は秘められたパワーを解放する。
(鈴木潤)