NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3
第5節
2024年1月20日(土)13:00 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs クリタウォーターガッシュ昭島

清水建設江東ブルーシャークス(D3)

高い成功率は練習の賜物。
“夢の島最終戦”で魅せる高精度キック

清水建設江東ブルーシャークスのコンラッド・バンワイク選手。ゴールキックの精度の高さでチームに貢献

連勝が懸かった前節は、シーソーゲームの末、後半33分に逆転を許し、28対31で悔しい敗戦となった。その悔しさを晴らすべく挑む今節は、ホストスタジアムの江東区夢の島競技場でクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)との一戦に臨む。

キープレーヤーとして注目されるのは、ランでチームに貢献するコンラッド・バンワイク。前節、今季初の2トライを奪い、コンバージョンもすべて成功。ここまで3試合での成功率はコンバージョンが77.8%、ペナルティゴールは100%を誇る。この数値について本人は、「決して満足はしていない。どちらも100%を目指したい」と高い志を持つ。

高い精度をたたき出す理由には、日頃からチームメートと高め合うトレーニングがあった。練習中、キッカー同士で集まり、緊張感のある雰囲気を作って勝負を行う。前節の試合前の練習でも、キッカー4人で競い合い、コンラッド・バンワイクは3本中3本を決めて勝利していた。「練習で勝負に勝っていたので、試合でも自信を持ってできました」と笑みを見せ、さらに「キックは若いときから長けていたほうですが、まだまだここから伸ばしていきたいです」と向上心を語る。

スキルとフィジカルに長けた攻撃的バックスであるコンラッド・バンワイクは、高校・大学時代にはスタンドオフでプレーしていた。大学卒業後にチームのコーチからコンバートされたことが、フルバックを始めたきっかけだ。

「フルバックでプレーする際の時間とスペースが好きです。どこからでもラインに加われるので、このポジションにやりがいを感じています」

そう笑顔で語るコンラッド・バンワイク。WG昭島戦では、今季初めてスタンドオフとしての先発出場が決まった。学生時代に務めたポジションでも、ランプレーで貢献するとともに、高精度のキックでチームをけん引する。

今節の試合終了後には、ホストスタジアムである夢の島競技場の改修工事が行われる。“夢の島最終戦”は、元プロサッカー選手の鈴木啓太氏が創業し、腸ケア商品を販売するフードテック企業AuB株式会社の協賛による『aub コンディショニングマッチ~夢の島最終戦~』として開催され、抽選で腸活スペシャルグッズの贈呈などのイベントも行われる。

今季最後の夢の島でのホストゲームを勝利の歓喜で包むべく、WG昭島を迎え撃つ。

(山村耀)

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

廃部の悲しみを乗り越え、より深まるラグビー愛。
プレーできる喜びを力に

今シーズンはこれが初出場となる、クリタウォーターガッシュ昭島の中村翔選手

前節のホストゲームでようやく今季の初勝利を飾ったクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、今週末、江東区夢の島競技場で清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)とのビジターゲームに臨む。ビジターとはいえ、東京都内での試合となるだけに、多くのファンとともにビジターでの初勝利を目指す。

注目は今季初先発の中村翔だ。開幕からの3試合はコンディション不良のため試合登録メンバーから外れていたが、ようやく出場機会が巡ってきた。

草ヶ江ヤングラガーズ、東福岡高校、法政大学、そして、コカ・コーラレッドスパークス(当時)。幼稚園のときに始めてからずっと、一途にラグビー人生を歩んできた。そしてこれからさらに大きく羽ばたこうとしていた矢先に、思いもよらない事態が待っていた。2021年4月、所属クラブの廃部が発表された。

「あのときは……、しんどかったです。ほかのチームに行けるかも分からない状況でした。ただ、ある意味ではプラスにとらえて、自分のやりたい練習だけにフォーカスできたのは良かったと思います」

その年の9月、中村はWG昭島に入部。新天地でのシーズンは3年目を迎えた。

加入から3年でチームにも自身にも変化を感じている。「最初に来たときはチームがバラバラの印象でしたが、この3年で勝てるチームになったと思います」と中村。チームとしての成長を実感している一方、自分自身も成長の手ごたえを感じている。

「昨季のレッドハリケーンズ大阪戦(AGFフィールドでのホストゲーム)は、プロになって初めて80分間プレーできて、自分のパスからトライも生まれて、勝利することができました。スクラムハーフとして成長できたかな」

中村がWG昭島に加入して最初の公式戦の対戦相手が、江東BSだった。そのときは敗れたが、「今回は負けられないですね。マジで勝ちますよ」と、リベンジを誓う。「趣味はラグビー」と公言する中村が、プレーできる喜びを胸に、誰よりも声を張ってチームを鼓舞する。その姿はチームを前に進める力になるはずだ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)



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