2024.02.25NTTリーグワン2023-24 D3 第7節レポート(江東BS 41-19 WG昭島)

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第7節
2024年2月24日(土)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス 41-19 クリタウォーターガッシュ昭島

ベテランが見せた“勝ち点5”への執念。
100キャップ達成も視線は次の100キャップへ

ボーナスポイントにこだわり、その獲得に貢献した清水建設江東ブルーシャークスの日高駿選手

前節、改修工事前の“夢の島最終戦”では、2シーズンぶり(※2022年3月5日以来)にホストスタジアムでの勝利をつかんだ清水建設江東ブルーシャークス。その勝利をはずみに臨んだ第7節。舞台を駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場に移し、クリタウォーターガッシュ昭島を迎えた。

今季、仁木啓裕監督が掲げているテーマは、“先手必勝”。そのテーマを体現するかのように開始6分、高橋広大のトライで先制に成功すると、バックス陣の流れるようなパスワークから連続トライを獲得し、29対5で前半を折り返す。なかなかチャンスが生まれない中でも後半開始から相手にプレッシャーを与え続け、その後モールからのトライに成功。相手の反撃で連続トライを許すが、最後まで攻め続け、ホーンが鳴ったあとの試合最終盤のトライも生まれて41対19でノーサイドを迎えた。試合の終わり方と勝ち点にこだわった勝利だ。ブルーに染まったスタジアムは、大きな拍手と歓声に包まれていた。

今季、チームとして戦い方のカギになるのは、セットピース。これまでの試合でラインアウトの要となっていた身長2mのトム・ロウが不在の中、この試合のラインアウトリーダーに任命されたのは、日高駿だった。前節、ジャパンラグビートップリーグ時代を含む公式戦通算100キャップを達成し、「若いころから先輩方が達成している姿を見ていて憧れがあり、ラグビーを続ける中で目標であり夢だったので本当にうれしかった」と話した。そんな大きな節目を迎え、新たなスタートとして臨んだ今節。ラインアウトに関しては、「相手のラインアウトのボールを一度も奪えずミスも誘うことができなかったので、決して満足していません。相手に研究、対応される中で、モールから1トライを取れたことは前向きですが、もっとモールからのトライを取れるようにしていきたいです」と振り返り、課題を口にしていた。

今節の戦いの舞台となった駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場は日高にとって“相性の良い”グラウンドだった。この試合を含めた公式戦101試合に出場したうち、自身は合計4トライ。その内2トライがここ駒沢オリンピック総合運動公園陸上競技場だった。今節も試合最終盤にトライを取り、ボーナスポイント“勝ち点5”の獲得に貢献した。

試合中、誰よりもこのボーナスポイントにこだわり、声を出し続けていたのは日高だった。その声掛けによって、ホーンが鳴ったあとも、プレーを切らずに最後まで攻め続ける選手たちの姿があった。目先の勝利ではなく、ディビジョン3優勝、ディビジョン2昇格の目標が選手たち全員の心の中にあることを表わしているようだった。ラストワンプレーでトライを取った日高は、「声を出し続けたからこそ、最後にチャンスが回ってきたんだと思います」と笑顔を見せた。

ホーンが鳴ったあと、すぐに試合を終わらせるのか、ポイントを取りにいくのか、どちらを選ぶこともできたが、選手たちが選んだのは後者だった。

“勝ち点5”、この勝利は、チームにとって大きな意味を持つとともに、粘り強いチームに進化していることの表れでもある。

勝利の立役者となった日高は、公式戦100キャップを達成した先の目標について、「リーグワン(の出場試合数)でも100キャップをとること、そして同期の中で一番長くラグビーを続けること」と語った。今後もリーグワンの舞台でどんな姿を見せ、チームを引っ張ってくれるのか注目したい。

(山村耀)

清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(左)、白子雄太郎キャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督

「まず試合の開催に関わって下さったみなさま、本当にありがとうございました。

何度も言い続けている“先手必勝”を選手たちがしっかりと体現してくれたと思います。ただ一つでも油断をすると、やられてしまうんじゃないかという雰囲気もありました。もともとライバルチームでなかなか勝てない時期もあり、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)さんとの試合は思い入れもあります。リーグ戦の中で残り1試合WG昭島さんと戦うので、しっかりと3連勝できるようにまた準備していきたいです」

──チームとしてやりたいことができた試合のように見えましたが、その大事な一戦を前に中断期間もあった中で、それが体現できた要因というのはどのあたりにあると感じられていますか?

「まずはけがからリマ・ソポアンガ選手が復帰し、出ている選手に緊張感を作ってくれたのは大きいと思います。チーム内での競争も生まれています。また、約1カ月間空いた期間の中で、横浜キヤノンイーグルス、浦安D-Rocksさんと練習試合を行う機会をいただけたことも良かったと思っています」

──ひさしぶりの連勝についてどのように感じられていますか?

「単純に一戦一戦必勝していくことが大事だと思っています。第4節でマツダスカイアクティブズ広島さんに負けたときに『目の前の試合を一戦一戦集中していこう』という声を選手たちに掛けました。今後もそこに尽きるのかなと思っています」

清水建設江東ブルーシャークス
白子雄太郎キャプテン

「自分たちの役割をそれぞれが全うしようという話をしていて、エリアごとにそれぞれの役割を徹底できたのが良かったと思います。ただゲームの中盤で少し中だるみしたシーンがあり、チームでやろうとしていないことが出てしまったときはやはり失点につながってしまったので、次節に向けての修正ポイントだと思います」

──チームとしてやりたいことができた試合のように見えましたが、その大事な一戦を前に中断期間もあった中で、それが体現できた要因というのはどのあたりにあると感じられていますか?

「5週間しっかり準備期間があり、その中で強敵とやることで課題が明確化され、その部分をしっかりと自分たちでどのように体現していくかをチーム内で共有できたことで、試合をとおして自信を持ってできるようになってきたと感じています」

──ひさしぶりの連勝についてどのように感じられていますか?

「積み重ねてきたところがしっかり出せるようになってきていることと、自分たちがこのようにすれば点を取れるという感覚がだんだん芽生えてきているので、その自信をしっかりと相手にぶつけられるようにまた準備していきたいなと思います」

クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島のワイクリフ・パールー ヘッドコーチ(左)、石井洋介キャプテン

クリタウォーターガッシュ昭島
ワイクリフ・パールー ヘッドコーチ

「残念な結果になりました。試合の入りもうまくいかなかったです。ペナルティが多く規律のところで自分たちで首を絞めてしまったのが大きいと思います」

──普段よりも選手交代が早かったと思いますが、交代の意図を教えてください。

「ゲームの流れを変えるために交代しました。前半に点差をつけられたのでプランよりも早く交代しました。普段であればラスト15分ごろまで交代しないことがありますが、流れを変える意味では残り30分という時間を与えたかったので判断しました」

クリタウォーターガッシュ昭島
石井洋介キャプテン

「この2週間はフィジカリティーを掲げて試合に挑みましたが、試合を通じてフィジカルの部分は、うまくいっていましたが、フィジカリティーをやる上でのその精度の部分でペナルティが起き、自分たちで苦しんでいってしまった印象です。点差が開いても取り返すことができなかった試合でした」

──前半9分、リードされている場面でラインアウトからショットを狙ったと思いますが、どのような意図がありましたか?

「まず得点を重ねることが大事だと判断して、ショットを選択しました」

──ペナルティが多いのは今季の課題かと思いますが、具体的にはどのようなところにフォーカスして取り組む必要があると考えていらっしゃいますか?

「いまは、タックルしたらタックルだけなど、一つのプレーで終わってしまっている選手が多いと感じています。それぞれがそのプレーをつなげていく必要があると思います。基本的なところがまだ徹底してできてないのかなと感じています」

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