2024.01.28NTTリーグワン2023-24 D3 第5節レポート(中国RR 22-21 SA広島)

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第5節
2024年1月27日(土)14:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ 22-21 マツダスカイアクティブズ広島

これが広島ダービーだ。声援に後押しされた
“広島”の選手たちが生み出した熱戦

『HIROSHIMA UN1000ON(ヒロシマユニオン)』として盛り上がる広島ダービー。次は2月25日にBalcom BMW Stadiumで開催される

試合終盤、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)が1点を追って果敢に攻め続ける。中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)は1点を死守すべく立ちはだかる。まさに意地と意地のぶつかり合い。これが、広島ダービーだ。

広島を拠点とする両チームは地元のラグビーを盛り上げるために団結し、今季のダービー3試合で合計1万人の観客動員を目指すプロジェクト『HIROSHIMA UN1000ON(ヒロシマユニオン)』を立ち上げ、試合の周知に力を入れてきた。

今節は広島ダービー第1戦。さまざまなグルメやイベントで彩られた試合会場は、中国RRのホストゲームとして過去最多の2435人の観客でにぎわった。3試合合計で1万人達成のための1試合あたりの目安となる3400人には届かなかったが、昨季のダービー1試合平均よりも約1000人以上多い数字だった。

プロジェクトの発案者の一人、中国RRの竹田英生運営統括ディレクターは、「ほかのラグビーチームが盛り上がっている中で、シーズン後に『今季も何もやっていないな』で終わるのがイヤだったし、『地方でもできるんだぞ』というのを見せかった」と力を込める。

広島は野球やサッカーなどスポーツに熱い県だが、ラグビーの人気や認知度はまだまだ低い。そんな中で竹田さんが意識したのは、「声を大きく上げる」こと。地元のメディアや企業も巻き込んで、大々的にプロジェクトを立ち上げた。

「一回、『こんなことをやります』と声を大きく上げて動いていくと、誰かが共感してくれて、一緒に盛り上げてくれた。本当にありがたかったです」

試合はSA広島が21点を挙げて前半を圧倒。だが、中国RRは後半に怒涛の巻き返しで後半31分に22対21の逆転に成功した。残りの約10分間は1点をめぐる激しい攻防。SA広島が前進の意思を貫き、中国RRが必死に喰らいつく。熱いバトルに観客の声援も加速し、スタジアムが盛り上がった。

竹田さんは、「スポーツの素晴らしさを再確認できた試合だった。観客の力や声援があったからこそ、最後にギリギリの勝負で勝てたと思う。選手たちがいい試合をしてくれたし、力をもらえました」と感慨深そうに話した。

激闘の末に1点を守り切った中国RRが逆転勝利を収め、広島ダービー第1戦は好ゲームで幕を閉じた。中国RRの西川太郎共同キャプテンは、「たくさんのお客さんが来てくれて、選手としてすごく幸せでした。記憶に残るような試合ができたし、これを機にラグビーを好きになってもらえたらうれしい」と話し、惜しくも敗れたSA広島の中野光基バイスキャプテンは、「肉弾戦の体と体がぶつかる鈍い音や迫力という部分ではすごくいい試合ができたので、ラグビーの魅力をお客さんに届けられたと思う」と胸を張った。

今季の広島ダービーはあと2試合。観客数の目標はまだまだ高いが、白熱した第1戦が次につながるはずだ。竹田さんは「本当にいい試合で観客の満足度も高かったと思うし、ラグビーの面白さを感じてもらえたと思う。この熱がここからもっと広がっていくのではないかという手ごたえは感じています」と期待を込めた笑みをこぼした。

中国RRとSA広島が地元のラグビーを盛り上げる。そんな思いを叫ぶような白熱の一戦。これが、広島ダービーだ。

(湊昂大)

中国電力レッドレグリオンズ

中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和ヘッドコーチ(右)、西川太郎 共同キャプテン

中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和ヘッドコーチ

「マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)のみなさん、リーグ関係者のみなさん、本日はありがとうございました。『HIROSHIMA UN1000ON!(ヒロシマユニオン)』という企画を立ち上げて、たくさんのお客さんが入り、たくさんの関係者のみなさまに応援しに来ていただいて、非常に感謝しています。『HIROSHIMA UN1000ON!』によって、広島ダービーという試合の価値がさらに高まったと思います。試合に関して、前半はSA広島さんの粘り強いディフェンスからターンオーバーで一気に形勢逆転されて、われわれが我慢し切れないところがありました。後半はしっかりボールを動かしていくというゲームプランを選手が遂行してくれましたし、何よりずっとこのゲームまでに言い続けていた規律の部分は、選手たちがこの試合で体現してくれて、僕自身も非常に誇りに思いますし、それが勝ちに直結したと感じています。非常に意味のある1勝だったと思います」

──広島ダービーでの勝利、きん差での逆転勝利、今季初勝利。いろいろな意味がある勝利の感想を教えてください。

「選手たちもたくさんのお客さんの中で試合ができることでかなりモチベーションが上がっていたと思います。こういったステージで勝ちをつかめたのは、さらにチームが成長するきっかけになる1勝だと感じています。いろんな局面で小さいバトルがあった中で、ちょっとでも上回れたのは非常に成果のある1勝ですし、非常にうれしいです」

──後半に逆転できた要因を教えてください。

「前半はアタックのところでテンポが出せなかったので、後半は『とにかくボールを動かしていこう』と言っていました。そこがうまくハマりましたし、敵陣に入ったところで(得点を)取り切れたのがすごく重要でした。今までだと敵陣の深いところまで行っても取れずに返されることが多かったが、今日は少ないチャンスをしっかりモノにしてくれたので非常に成果のあるゲームでした」

──前半終了前に中野将宏選手がゴールライン際で相手のトライチャンスを阻止するビッグプレーがありました。

「その前のイージーなプレーを取り返してくれるプレーでした。あんなシーンはなかなか見たことなかったので、僕はびっくりしました。あれ以上点差を離されるときつかったので起死回生のプレーでしたし、チームを救ってくれたと思います」

──広島のラグビーが盛り上がるきっかけになるような試合でした。

「広島にはSA広島と中国レッドレグリオンズ(以下、中国RR)があるからこそ実現した試合ですし、お互いに刺激し合いながら強くなっていけているとわれわれは認識しているので、相手をリスペクトしながら、次の試合も必ず勝利したいと思います。SA広島さんと切磋琢磨しながら、広島のラグビー人気やレベルを上げていきたいです」

中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎 共同キャプテン

「SA広島のみなさん、リーグ関係者のみなさん、応援に来ていただいた、たくさんのファンのみなさま、本日はありがとうございました。率直に、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。前半はSA広島さんの縦に来る強いランを受けてしまい、いいラグビーができませんでした。でも、後半にしっかり修正でき、逆転勝利に結びつけることができて、チームとしても一つ成長できた試合だと思います。まだまだ試合は続くので、今日をきっかけに勝ちを伸ばしていけるように日々精進していきたいです」

──逆転後は1点差で約10分間を戦い抜きましたが、そのときの心境を教えてください。

「まずは規律の部分。1点差なのでペナルティゴールですぐ逆転される点差なので、ずっと声掛けしていました。あとはどっちが勝ちたいかという気持ちの部分だったと思うので、最後の10分ぐらいはずっと攻められていましたが、耐えられて良かったです。自信になりました」

中国電力レッドレグリオンズ
宮田賢斗選手(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)

──試合を振り返ってください。

「試合の最後のほうはSA広島さんがずっと攻撃していたので、僕らはペナルティをしないように、ひたすら守り続けて、(ボールを)取れるところでしっかりターンオーバーしたいという気持ちでやっていました。すごくタフでしたけど、勝った瞬間はすごくうれしかったです」

──多くの観客が入ったスタジアムでプレーした感想を教えてください。

「お客さんがたくさん入って、みなさんがたくさん声援を送ってくれたので、一体感を感じてすごく力になりました」

──自身のパフォーマンスを振り返ってください。

「個人的に、がむしゃらにトライを取りにいきたいという強い思いがあり、そこで何とかトライを取れたので良かったと思います。フロントローはなかなかトライを取るタイミングがないと思いますが、個人的にはチームのためにトライを取っていきたいので、もっとがむしゃらにやっていきたいです」

──プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた感想を教えてください。

「純粋にうれしい気持ちが一番です。トライを取れたのもすごくうれしかったですが、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選んでいただけるのはなかなかないことなので、すごくうれしかったです」

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島の中居智昭ヘッドコーチ(左)、中野光基バイスキャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
中居智昭ヘッドコーチ

「本日はありがとうございました。中国RRさんの意地が本日の結果を物語っていると思います。広島ダービーということで、メディアさんを含めてすごく注目してくださって、たくさんのお客さんにも来ていただきました。ゲームの内容としては、本当に意地のぶつかり合いで、一進一退のゲームでした。最後に勝ち切れなかった部分は、気持ちの面で中国RRさんが上回ったからだと思います。試合の立ち上がりは最高の入りができて、何度もアタックを継続でき、スコアチャンスもかなりありましたが、その中で中国RRさんが最後の最後でわれわれの攻撃を止めて前半を終えるという形でした。後半はさらに中国RRさんが修正を加えて、われわれに連続攻撃させないような形で攻撃を寸断されて、後半のスコアがゼロになってしまいました。ラグビーの戦術とは別の気持ちの部分、そこのぶつかり合いの部分でわれわれに足りていないものがあったと思います」

──多くの観客が入ったスタジアムで試合をした感想を教えてください。

「このスタジアムにこんなにたくさんのお客さんが入って、その中で試合をできたのはすごくうれしかったです。選手もそういった思いを持ちながら最後までプレーしてくれたと思います」

──広島のラグビーが盛り上がるきっかけになるような試合でした。

「お互いの良さが出たゲームだったと思います。アタックして、スペースに運ぶというわれわれのスタイルと中国RRさんの少ないチャンスをモノにする集中力の高さやディフェンスの我慢強さ、そういったところをたくさんの方々に見ていただけたと思います。初めて観に来た方もいらっしゃると思うので、肉弾戦とボールゲームというところをもっと発信していきたいです」

マツダスカイアクティブズ広島
中野光基バイスキャプテン

「前半は自分たちのフィジカルを生かして前に出ることができましたが、雑なプレーも増えてしまい、(得点を)取り切らないといけないところで取り切れず、中国RRさんの意地や我慢強さに根負けしてしまい、ミスで終わる場面がすごく多かったので、ハーフタイムに修正しようと話しました。後半は中国RRさんがハードに来るという話をしていましたが、自分たちの予想をはるかに上回る勢いで前に来られて、自分たちが受けのディフェンスに回ってしまいました。その結果、我慢比べでも負けてしまって、後半は0対17の完敗でした。(試合全体の)点差としては1点差でしたけど、自分としては気持ちの面でも技術の面でも差があると思いました。なので、次の広島ダービーまでに修正して、会場に来てくださったみなさんの前でもっといいゲームをしたいです」

──多くの観客が入ったスタジアムでプレーした感想を教えてください。

「たくさんのお客さんが足を運んでくださって、コロナ禍の規制も緩和されて、しっかり声も出して応援してくれたので、ファンのみなさんの声がすごく届いた試合でした」

──広島のラグビーが盛り上がるきっかけになるような試合でした。

「SA広島も中国RRさんも体のぶつかり合い、コンタクトのところですごくレベルの高いチームだと思います。肉弾戦の体と体がぶつかる鈍い音や迫力という部分ではすごくいい試合ができたので、そういったラグビーの魅力をお客さんに届けられたと思います」

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