2026.03.02NTTリーグワン2025-26 D3 第8節レポート(中国RR 10-48 SA広島)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第8節
2026年2月28日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ 10-48 マツダスカイアクティブズ広島

京都で始まり、広島でも。運命の二人が築き上げた、“ライバルを超越した関係性”

中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)の藤井健太郎とマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の笹岡海斗。京都生まれの宿命のライバルが“広島ダービー”を戦った。

「二人とも似たようなタイプで、どっちもよくしゃべって明るくニコニコしているイメージです」。そう証言するのは二人をよく知る松田進太郎。笹岡とは高校の同級生であり、藤井とは中国RRの同期だ。

小学生のころに亀岡ラグビースクールで出会った2人。藤井が京都市立洛南中学校、京都市立伏見工業高等学校(当時。現在の京都市立京都工学院高等学校)、立命館大学と歩めば、笹岡は京都市立伏見中学校、京都成章高等学校、京都産業大学と進んだ。常にライバル校同士でしのぎを削り、二人とも当時の主戦場はウイングで、対面する機会も多かった。

「お互いにそれぞれの理想を目指して進んできた結果、全部真逆のチームなので対極な選手だと思います。海斗はアタックを得意とする選手で、僕はディフェンスを得意とするので、好きなプレーも全然違います」(藤井)

大学卒業後、お互いに話し合うことなく決めた進路先は同じ広島。二人とも「びっくりしました」と笑う。「京都で終わりだと思っていたら、まさか広島で、しかもまたライバルチームでやるなんて思ってもいなかったです」(笹岡)。

運命のライバルだ。「あまり表には出さないけど、お互い負けず嫌いなので、心の中では負けたくないと思っています」(藤井)と闘志が湧く関係だが、同じように楕円球を追い掛けてきたからこそ親交も深い。

26歳になった二人はこれまで“広島ダービー”で何度も対戦してきた。今節も藤井はウイングの14番、笹岡はセンターの13番で先発出場した。

「小学生からのライバルと対戦できるのは楽しいですし、やっぱり健太郎がメンバーに入っていると今でもワクワクします」(笹岡)

マツダスカイアクティブズ広島の笹岡海斗選手

「真剣勝負の中の楽しみが増えた感じです。ずっとライバルなのもなかなかないので、お互い苦労して進んできた道なのかなと思います」(藤井)

マッチアップこそなかったが、ともにフル出場。SA広島の激しい競争の中でも出場機会をつかんでいる笹岡は今季初トライで勝利に貢献した。

藤井は、「海斗は外国籍選手がいたりする中でポジションをつかんでいるのはすごいことだと思います。あと何回、対戦できるか分からないですけど、1戦1戦を大切にしていきたいです」とうれしそうに話した。

藤井は見せ場こそ少なかったが、加入直後一貫したパフォーマンスで中国RRの14番の座をつかんでいる。

笹岡は、「80分ずっと出て、しかもけがをしないのはすごいし、ずっといいパフォーマンスで全試合で波がないのは健太郎の持ち味だと思います」とやっぱりうれしそうに話した。

中国電力レッドレグリオンズの藤井健太郎選手

激闘の“広島ダービー”を終えて健闘を讃え合った藤井と笹岡。「ライバルですけど、バチバチではなく、仲はいいですね」と笹岡が言えば、藤井も「仲がよすぎてバチバチにもならないし、もうライバルを超えて、試合はお互いに楽しんでいます」と口をそろえる。小学生からの宿命のライバルは仲がいい。

(湊昂大)

中国電力レッドレグリオンズ

中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和監督(右)、西川太郎主将

中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督

「まずは、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の皆さま、大会運営関係者の皆さまに感謝申し上げます。多くのお客さまの前で選手たちがプレーでき、モチベーションが上がる雰囲気を作っていただき、ありがとうございました。

試合についてですが、試合巧者で地力のあるSA広島に対し、前半立ち上がりの連続失点のシーンのように、規律の部分やペナルティを取られたあとのトランジションなど基本的な部分を徹底できなければ、到底勝つことはできません。誰にでもできることをやり続ける重要性をあらためて痛感しました。できたこともありますし、できなかったことは次につなげなければなりません。気持ちだけでは勝てない相手に対しては、もっとスキルアップしていかないといけないですし、多くの課題を与えられた"広島ダービー"でしたが、選手たちは本当によく戦ってくれましたし、次につながるゲームだったと捉えていますので、一歩一歩成長していきたいと思います」

──「できたこと」と次につなげたい「できなかったこと」を教えてください。

「アタック面では、特にフォワードの速いリポジションと前に出る推進力を意識して取り組んできました。強固なディフェンスを誇るSA広島に対しても、フォワードから前に出るというわれわれのスタイルができていましたし、シーズンが始まって確実に成長している部分だと思います。大きな選手が多いわけではありませんが、モメンタムを生み出せている点は評価していますし、今後さらに肉付けをしてアタックのバリエーションを増やしていきたいと考えています。今日は特にアタック面で評価できる部分の多い試合だったと感じています。ディフェンスについては、粘り強さは見せられましたが、自陣深くに入られたときの対応は課題です。トライエリアの前で釘付けにされると失点の確率が高まります。前に出て止めること。そして、二人目がどれだけボール争奪に絡み、相手に時間的余裕を与えないかが今後のポイントになると思います」

中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎主将

「本日はありがとうございました。多くのファンのみなさんの前でプレーできたことをうれしく思います。その中で勝ちたかったですが、結果は受け止め、次へ進むしかないので、次戦に向けてしっかり修正します。

総括としては、前半は風下で我慢の時間になると想定していて、あの点差で折り返せたことは良かったと思います。ただ、スキを見せたことでトライを奪われた場面がありました。切り替えを徹底していれば防げた失点もあったと思うので、意識の部分も含めてミーティングで修正したいです。後半は風上の中で先にスコアしたかったのですが、立ち上がりに失点してしまい、流れを渡してしまいました。ただ、アタックではゲインも取れており、通用している部分はあったと思います。アタック時間を延ばすためにも、ペナルティを減らす必要があります。バイウィークで1週間空くので、映像を見て修正し、けが人のケアとコンディション回復に努め、次節に向けてしっかり準備したいです」

──スクラムは試合を通じて優勢だった印象ですが、評価を教えてください。

「有藤(孔次朗)、岩永(健太郎)、宮田賢斗に加え、リザーブの宮田悠暉、(平野)叶苑、(岩井)陸も含め、練習から非常に良いスクラムを組んできました。試合ではアクシデントにより早い段階でメンバー交替もありましたが、その中でも安定したスクラムを組んでくれたと思います。日ごろからスタートメンバーとリザーブメンバーでスクラムを組んで、いいバトルができていてお互いに高め合えているので、メンバーが入れ替わってもそん色ないスクラムが組めていると思います。終盤にペナルティはありましたが、ヒットで前に出られていましたし、後方からも押しやすい感覚があったので、80分をとおしていいスクラムが組めたと思います」

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(左)、嘉納一千ゲームキャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ

「少し奇妙な試合だったと思います。最初の20分と最後の20分は上手くコントロールできましたが、その間の40分は試合をコントロールし切れませんでした。中国電力レッドレグリオンズのスクラムが強いことは分かっていましたし、実際にそのとおりでした。特に自分たちのラインアウトで4本連続のミスがあり、セットピースが安定しなかったことが大きかったと思います。もっとセットピースが安定すれば、より良いアタックにつながります。細かいミスを減らせば、もっと良いアタックができたはずだと思います」

──前半15分で3トライを取ったあとに得点を重ねられなかった要因とハーフタイムの声掛けを教えてください。

「得点はボールを持っていなければ生まれません。キャリー後に体が上を向いてしまい、相手にスティールのチャンスを与える場面が多くありました。プレース(ボールを置く)の質が十分ではなかったと思います。また、わずかな反則によって流れを失う場面もありました。全員がハードワークしても、一人の小さな規律違反でエリアを戻されてしまいます。あと少しだけSA広島らしいプレーができていなかったので、ハーフタイムには『あと少し足りないだけだ』というメッセージを伝えました。キャリー後に上を向かないこと、正確にプレースすること、規律を守ること。そしてボールをキープできれば、自分たちのアタックにつながるというメッセージを送りました」

マツダスカイアクティブズ広島
嘉納一千ゲームキャプテン

「今日の試合では、良い部分も悪い部分も両方出たと思います。月曜日にメンバーが発表され、ゲームキャプテンを任されることになってから、コネクションを強調してきました。直近の試合では多くのトライを奪われ、ディフェンスへの自信がやや揺らいでいたと思います。個々が止めにいこうとする場面が多く、横のつながりが切れてしまい、そのギャップを突かれて失点するケースが目立っていたので今週はその部分を重点的にチームに伝えてきました。その結果、失点を2トライに抑えられたことは良かったと思います」

──試合までの準備期間やこの試合においてゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。

「チームが自信をもっていて良い状態にあるときは、キャプテンが特別に前に出なくても自然と前進できると思います。しかし、少し自信を失っているときや不安要素があるときこそ、キャプテンが前に立って修正する必要があると思います。自分のポジションはチーム全体を見渡し、最もコミュニケーションを取る役割でもあります。直近の試合で失点が続いていたこともあり、チームの自信が揺らいでいると感じていましたので、コネクションを意識することを繰り返し伝えました。試合中も横とのコミュニケーションを取り続け、全員が同じディフェンスを体現できていたと思います。2トライは奪われましたが、直近の試合と比べれば被トライ数は少なく、ディフェンス面では前進できた試合だったと感じています」

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧

ページトップに戻る

Teams

DIVISION 1

  • 浦安D-Rocks
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 埼玉ワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東京サンゴリアス
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 三重ホンダヒート
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • リコーブラックラムズ東京

DIVISION 2

  • グリーンロケッツ東葛
  • 九州電力キューデンヴォルテクス
  • 清水建設江東ブルーシャークス
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • 日本製鉄釜石シーウェイブス
  • 花園近鉄ライナーズ
  • 日野レッドドルフィンズ
  • レッドハリケーンズ大阪

DIVISION 3

  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 狭山セコムラガッツ
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • スカイアクティブズ広島
  • ヤクルトレビンズ戸田
  • ルリーロ福岡
ページトップに戻る