2024.02.16NTTリーグワン2023-24 第7節 埼玉WK vs 東京SG-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(交流戦)第7節
2024年2月17日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 東京サントリーサンゴリアス

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

大一番も、「チームの役割を果たしていくだけ」。
小山大輝の静かなる決意

埼玉パナソニックワイルドナイツの小山大輝選手。ギャラガー・チーフス戦では技ありのトライもあり「フィジカル面でも戦えていたので自信につながると思う」

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が2月17日(土)午後2時半に熊谷スポーツ文化公園ラグビー場で開催されるホストゲームで東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)と対戦する。首位の埼玉WKと3位の東京SG。伝統のチーム同士の直接対決となる。

埼玉WKは2月4日(日)の「THE CROSS-BORDER RUGBY 2024」でギャラガー・チーフスに38対14で勝ち切った。リーグワン4チームがギャラガー・チーフス、ブルーズに挑んだが、勝利を奪ったのは埼玉WKのみ。ニュージーランドの強豪からの勝利を自信に変え、今節の決戦へ臨む。

静かな闘志を燃やすのが小山大輝だ。キレのあるパスとスピードを備えており、今季はリーグワン6試合のうち5試合で先発。主軸としてゲームをコントロールしている。また守備では的確な読みからのインターセプト、迫力のキックチャージでモメンタムを生み出している。

ギャラガー・チーフス戦では、インゴールプレーの相手ラックに対して、一瞬のスキを突いてボールを押さえ込む技ありのトライ。インゴールではオフサイドが適用されないルールを熟知した頭脳的なプレーだった。「ほかの試合の映像を見ていて、チャンスがあったら狙っていた。ギャラガー・チーフス戦ではフィジカル面でも戦えていたので自信につながると思う」。

スクラムハーフとして、後方180度を瞬時に把握して鋭いスピンのパスを配球していく。「そこは自分だけの力ではなく、後ろの声によるもの。みんなの声に助けられている。チームの一員として勝利のためにプレーするだけです」。

今節はリーグ中盤戦の大一番。埼玉WKは、リーグ、プレーオフトーナメントを含めて東京SGに対してリーグワンで4連勝中だ。また今季の1試合平均でディビジョン1最多の12.2回のラインブレイクをマーク。小山の好パスがこの記録につながっている。

「東京SG戦は非常に重要なゲーム。相手にも勢いがあるが、ウチは自分たちの戦いをするだけ。ただ、(チェスリン・)コルビさんがしっかりと動いてくるので、そこは対応していかないといけない」

チームをけん引する今季のパフォーマンスを見る限り、近い将来の日本代表も見えてくるが、本人に慢心はない。「一戦一戦、目の前の試合に集中するだけ。昨季、果たせなかった優勝へ向けてチームの役割を果たしていくだけです」。

小山のパスがバックス陣へいい形でつながれば、勝利という結果が導かれるだろう。

(伊藤寿学)

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

二人のライバルに勝つこと。
それが高本幹也のさらなる飛躍に

東京サントリーサンゴリアスの10番は注目のルーキー高本幹也選手。相手の10番は日本代表で大学の先輩でもある松田力也選手。「将来、日本代表を目指す上でも避けては通れない相手」

常に勝利が至上命題の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。その中でも特に「負けたくない相手」がいる。2月17日(土)に雌雄を決する埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は、まさにその「負けたくない相手」と言える。舞台は敵地、熊谷スポーツ文化公園ラグビー場。激戦必至の大一番だ。

それだけ意気込んでしまうのは、相手が勝ち点6差で追う首位チームだから、だけではない。NTTジャパンラグビー リーグワン創設以降、公式戦での埼玉WK戦は、いまだ勝ち星なし。そろそろ、負の連鎖を断ち切らねばならない。

新たな歴史を作る上で適任者となるのは、負の連鎖を知らない新人、高本幹也だ。今季はここまで、リーグワン公式戦で全試合スタメン出場を続け、司令塔としてチームをけん引。先日の「THE CROSS-BORDER RUGBY 2024」にも途中出場し、世界レベルを肌で学んだ。その上で迎える埼玉WKとの戦いとなる。

「やるべきことは難しいことじゃなく、埼玉WKさん相手にもしっかり規律を守り、ハンドリングエラーなどの細かいミスをしない。いかにロースコアに持っていって、しっかり勝ち切れるかどうか。細かいミスをすればすぐに相手のペースになってしまうので、そこはしっかり10番としてチームに言っていきたいです」

そんな高本にも、さまざま意味で「負けたくない相手」がいる。その一人は埼玉WKの10番、松田力也だ。

「10番の日本人選手はどのチームでも意識します。その中でも、松田さんは帝京大学の先輩でもありますし、将来、日本代表を目指す上でも避けては通れない相手です。試合でぶつかるのは初めてですので、しっかりチャレンジしていきたいです」

チーム内にも「負けたくない相手」がいる。今季途中からチームに加わり、先日の「THE CROSS-BORDER RUGBY 2024」で東京SGデビューを飾った『アルゼンチン代表の10番』ニコラス・サンチェス。闘志あふれるプレーは、さすが「世界を知る男」と言いたくなる出色の出来だった。

「やっぱりすごい選手だなと感じました。でも、ライバルでもあるので10番のコンペティションでは絶対に負けたくない。盗めるところは全部盗んで、一緒に成長していけたらいいなと思います」

まだまだ成長途中でありながら、注目度はリーグワンでも屈指の存在になりつつある高本。埼玉WKに、ライバルと認める相手に勝つことができれば、さらなる飛躍のきっかけになるはずだ。

(オグマナオト)

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