NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン2 第9節
2024年3月24日(日)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 豊田自動織機シャトルズ愛知
NECグリーンロケッツ東葛(D2)
“行動で示す男”細田佳也が誓う一勝。
さあ、勝とう。揺らがぬプライドを胸に
3月24日、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、柏の葉公園総合競技場で豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)と対戦する。ディビジョン2の2位と3位の上位直接対決であると同時に、GR東葛にとっては今季唯一の黒星を喫した相手との一戦だ。
この重要な試合を前に、細田佳也は「GR東葛のプライドをもって戦いたい」と胸中に秘める意気込みを言葉にした。
2011年に前身のNECグリーンロケッツに加入してから、細田はチームの歴史を作り上げてきた大勢の先輩選手から多くを学び、そのプライドを受け継いできた。時代の変遷とともに選手が入れ替わることは自然な流れではあるが、細田はそのプライドを後輩たちにつないでいく重要性を説いた。
「昔からフィジカルの強さが特長のチームだったので、自分がしっかり戦うことでその姿勢を見せていきたいですね。僕のように長く在籍している選手がそういう姿勢を見せることで、プライドが受け継がれていってほしいです」
GR東葛での100を超える公式戦のキャップ数のみならず、15人制日本代表やセブンズ(7人制ラグビー)日本代表の経験もある36歳のベテランには「歴戦の勇士」という言葉がよく似合う。彼は寡黙に、自らのプレーで示すことで、常にGR東葛のプライドを体現し続けてきた。
「僕は言動よりもプレー。まずは自分が行動で示す。そこはブレないでずっとやってきました。もともと言葉で伝えるのは得意ではないので、そういう部分は言葉を使うのが上手なタキさん(瀧澤直)に任せて、僕は自分が得意な行動で示すというやり方でやっていきます」
今節のS愛知戦に続き、次節には首位・浦安D-Rocksとの大一番が控えている。ただ、細田は「まずはこの試合」と言い、目の前の一戦に向けて集中を高める。
「個人的にも、チーム的にも重要な試合です。前回対戦(第2節)で負けているということもあって、みんながリベンジに燃えています。自分たちのラグビーをしっかりやるということも大切ですが、気持ちの部分を見せていけたらと思っています。僕の得意なプレーはディフェンスなので、前に出てしっかりタックルをすることをやり続け、声を出してチームを鼓舞していきたいと思います」
激戦必至の上位直接対決。GR東葛は勝てばレギュラーシーズンの2位以内が確定する。細田の熱きプレーに込められた“GR東葛のプライド”は、この大一番で勝利を手繰り寄せる原動力となるか。
(鈴木潤)
豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)
“再現”を狙う上位対決。
勝利に導くのは静かに闘志を燃やす好漢
前節、首位・浦安D-Rocksを相手に14対19で敗れ、3位に後退した豊田自動織機シャトルズ愛知。今節はその順位で上回られた2位・NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)とのビジターゲームに臨む。
今節に向けて「勝って自信をつけたい」とは徳野洋一ヘッドコーチの言葉。前節は敗れたが、内容面ではまったく引けを取っていなかった。「前節、あのようなゲームをして、選手自身の『勝ちたい』という思いが強くなったと思う」と、チームは勝利を渇望している様子だ。
サモア代表として、昨年行われたラグビーワールドカップ2023フランス大会に出場したタレニ・セウもまた、勝利を欲している。
202cm、110kgという体格から生まれるパワーを武器に、相手をなぎ倒すようなタックルやボールキャリーを得意とするタレニ・セウ。グラウンド外では口数少なく、自身を「静かな性格」だと分析する男は、最近第二子と第三子となる双子が誕生。3歳の長男と奥様と5人で、にぎやかな家庭を築いている。育児については「練習が終わって、家に帰ってからが本当の仕事です。トレーニングはブレイクタイムですね(笑)」と、家庭でも奮闘中だ。
また、「日本のファンは、親しみをもって接してくれています。特に子供たちが近くにきてくれて、正直何を言っているか分からないときもありますけどね(笑)。それでも、きてくれるので、アプローチもしやすいというか、接しやすいです」と日本のファンの温かさに触れている。
「いつもいくスーパーマーケットのレジの女性が、毎回話し掛けてくれるんです。人によっては街の人の視線が気になることもあるでしょうけど、それに対しては慣れましたね」と異文化で暮らす中でのエピソードも教えてくれた。
静かに闘志を燃やす好漢は、「順位決定戦にいく前に、私としてはGR東葛に勝ち越したい気持ちです」と、見事な勝利を収めた第2節の前回対戦の再現を狙っている。「ビジターゲームになりますし、間違いなくタフな試合になると思います。だけど、ここまで積み重ねてきたものには自信を持っています」。
日曜日には、グラウンドでの仕事ぶりに期待したい。
(齋藤弦)