NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第12節
2024年4月7日(日)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs 清水建設江東ブルーシャークス

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

「たとえば、おしぼりをきれいに置くこと」。
WG昭島のプロップを支える恩師の教え

「スクラムを組む前にフロントローからグータッチをするというのを、前回の試合からやるようになりました」と、クリタウォーターガッシュ昭島の小山翔也選手

第10節のマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦で、2020年1月11日以来、実に4年ぶりとなるビジターゲームでの公式戦勝利をつかみ取ったクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)。4年前の勝利の相手がマツダブルーズーマーズ(トップチャレンジリーグ当時のチーム名で、現在のSA広島)だったというのも、何かの巡り合わせだろうか。勢いに乗るWG昭島の今節は、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場に清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)を迎えての一戦となる。

今季、江東BSとの対戦は2戦2敗。勝利のカギを握るのはスクラムでの攻防だろう。注目は、そのスクラムを最前線で支えるプロップの小山翔也だ。シーズン序盤は控えからの出場も多かったが、第6節以降は先発に定着。その理由を小山自身に問うと、母校・帝京大学ラグビー部の岩出雅之前監督(現・顧問)の教えが大きいという。

「たとえば、机の上のおしぼりをきれいにそろえて置くとか、そういう小さな積み重ねが、少なからずプレーにも影響すると思っています」

つまりは、日ごろの生活態度がプレーに表れるということだが、小山にはその教えがしっくりきた。その上で、試合に出続けられるようになったことで、自分の仕事場である“スクラム”にも、いっそう自信がついた。

「スクラムを組む前にフロントローからグータッチをするというのを、前回の試合からやるようになりました。以前と比較とすると、(チームが成長したこともあって)スクラムで勝ってもそこまで喜ばなくなりましたが、あえて自分から積極的に声を出しています。WG昭島は勢いに乗れば強いチームだと思うので、チームの雰囲気をよくできるように、丁寧にやっていきたいです」

まずは自分にできることをしっかりやり切る。あとはラグビーを楽しむ。そしてラグビーだけではなく、充実した人生を送る。どこまでも真面目な小山の、その大きな背中が、WG昭島に今季初の連勝をもたらしてくれるはずだ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

清水建設江東ブルーシャークス(D3)

D2昇格に王手。
この大一番に“総力”をぶつける

清水建設江東ブルーシャークスの金築達也選手。「ディフェンスにも注目してほしい」「抜けてきた相手を自分がディフェンスで止めていきたい」

前節はマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)に71対17と大量得点で勝利した清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)。ボーナスポイントを加えた勝ち点5を獲得し、勝ち点を29へと伸ばした。

自動昇格圏内の2位をキープする江東BSは今節、4月6日に行われるSA広島の試合結果を踏まえた上で来季のディビジョン2昇格が決まる可能性がある(※江東BSの試合は7日)。その大一番はビジターの地でクリタウォーターガッシュ昭島との一戦に挑む。

この冬、5名の選手が新たに入団した江東BS。ベテランと若手の融合で今節も勝利を目指す。そんな新戦力の中で、前節にリーグワンの公式戦初キャップを手にしたのは、金築達也。1月にアーリーエントリーとしてチームに合流し、4月1日に清水建設の入社式を終えて新たなスタート切った金築は前節、後半22分から途中出場。デビュー戦を終えたあとは、「先輩方が点差をつけてくれていたことで、緊張せずにリラックスして入れました。ただ、あまり持ち味が出せなかったので、次節はディフェンスと自分でキャリーすることに挑戦したいです」と今後への意気込みを話した。

小学2年生からラグビーを始め、高校生のころにはウイング、スタンドオフなどを経験したが、大学以降はスクラムハーフ一筋。キックが持ち味ではあるものの、本人は「ディフェンスにも注目してほしい」と話す。「スクラムハーフはあまり激しく体を当てるポジションではないイメージだと思いますが、抜けてきた相手を自分がディフェンスで止めていきたいです」。D2昇格の懸かる今節の大一番へは、「チームのためにディフェンスで体を張ること、そしてアタックでは得点に結びつけていきたい」と熱意を見せる。

江東BSはトム・ロウ、トロケ マイケルの主力2選手が3試合出場停止となる中での今節となるが、総力戦で乗り越えることに期待したい。

今季の目標として戦ってきた『D2昇格』まであと一歩。一戦一戦積み重ねることで、チームの共通認識、チーム力が高まり、前節の大量得点での勝利は選手たちに大きな自信をもたらした。

「これまでやってきたことを集大成としてぶつけられるかどうか。それが出せれば勝てる自信があります」と仁木啓裕監督。

監督とスタッフ、選手一丸となって、D2昇格をつかみ取る。

(山村燿)


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